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東京Vユースの2年生アタッカー・神谷優太、試合後に見せた飢えた目

2014.04.21

神谷優太【写真】=安藤隆人

 本連載の著者である安藤隆人氏は、元銀行員という異色の経歴を持つサッカージャーナリスト。今では、高校サッカーを中心に日本列島、世界各国を放浪し精力的な取材を行っている。巷ではユース教授と呼ばれる。本連載では安藤氏の“アンダー世代”のコラムをお届けする。

文=安藤隆人

 東京Vユースの2年生アタッカー・神谷優太。昨年の東京国体では、東京選抜のエースとして出場すると、初戦から4戦連発の5ゴールを決め、決勝進出に貢献。大阪選抜との決勝ではゴールは出来なかったが、チームは優勝を勝ち取った。

「全国大会で点をコンスタントに取れたことで大きな自信になった」

 2年生になり、チームのポイントゲッターとして期待されたが、新人戦でひざを負傷。さらに復帰後、高円宮杯U-18プレミアリーグ開幕前の練習試合で脳震とうを起こし、開幕戦は大事を取って欠場した。

 第2節の市立船橋戦でようやくスタメン出場を果たしたが、「1月以来の公式戦だったので、緊張しすぎてガチガチだった」と語ったように、動きが固く、前半は冨樫剛一監督から怒号を浴びるなど、プレーが空回りしていた。

 後半に入り、「少し緊張が解けて、周りが見えるようになった」ことで、本来の周りをうまく使いながら、積極的にギャップに仕掛けていくプレーが見られるようになると、前半沈黙していた攻撃陣も活性化。0-1で迎えた53分、相手GKのオーバータイムで得たゴール中央の間接FK。MF三竿健斗が軽く出したボールを、「壁が飛ぶと思っていたので、とにかく思い切って蹴った」と、右足を振り抜いた。地を這うような軌道を描いたボールは、ゴール左隅に突き刺さった。

 その後、「ワンタッチプレーを入れながら、リズム良くプレーできた」と語ったように、持ち前のポジショニングの良さとボールコントロールの良さ、そして効果的なギャップへの仕掛けで、スムーズなプレーを披露。64分に交代出場となったが、ある程度の責務を果たすことが出来た。(※試合は神谷が交代後、一度追いつかれるが、逆転して3-2の勝利)

「まだまだですね。もっとフィジカルを上げていかないといけないし、やるべきことはたくさんある」

 この言葉通り、まだまだやれるはずだ。“まだまだ”はすなわち伸び白を意味する。今後もっともっと伸びてもらわないと困るタレントだけに、今の時期を大事にして、枯渇感を持ってサッカーに取り組んでほしい。試合後に見せた飢えた目が、期待を抱かせてくれた。

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