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『柔と剛を兼ね備えたストライカー』…長崎総科大附FW安藤翼の成長

2014.03.22

 本連載の著者である安藤隆人氏は、元銀行員という異色の経歴を持つサッカージャーナリスト。今では、高校サッカーを中心に日本列島、世界各国を放浪し精力的な取材を行っている。巷ではユース教授と呼ばれる。本連載では安藤氏の“アンダー世代”のコラムをお届けする。

文=安藤隆人

 福岡県・宗像グローバルアリーナで20日から開催されている、「サニックス杯国際ユースサッカー2014」。ユース年代のフェスティバルの中でも高い権威を持った大会に成長した、今年で12回目を迎える大会は、今年もレベルの高い白熱の試合が多く見られた。

 同大会で目立った選手を紹介する。長崎総合科学大附属のFW安藤翼だ。彼は昨年から今年にかけて大きな成長の跡を見せている。

 1年生の時からチームのエースストライカーとして、前線に君臨し続けてきた彼は、キレのあるドリブルと強烈なシュート力が魅力だった。昨年、そこに『駆け引きの妙』が加わり、さらに今年に入り、フィジカルがまた一段とアップ。高い俊敏性と馬力、そして冷静さを兼ね揃えたストライカーに成長を遂げた。特にゴール前での加速力と、シュートセンスは目を見張るもので、ギアを入れるタイミングをコントロールして、一瞬にしてDFを置き去りにするドリブルは、サニックス杯でも大きな効力を発揮した。

 一番のハイライトはグループリーグの東海大五戦。3-3で迎えた後半、彼は中央でボールを受けると、最初はゆっくりとしたモーションでドリブルに入り、相手が食いついてきた瞬間にスピードアップ。スルスルとDF3人をぶち抜いて中央突破し、GKとの1対1を冷静なチップキックで沈めてみせた。

 柔と剛を兼ね揃えたストライカーが見せた圧巻のゴール。このときの姿勢、緩急、ステップワーク…すべてが鮮明に頭に叩き込むことが出来た。これだけでも九州まで来た甲斐があったというものだ。次見るとき、どのような成長の跡を見せてくれるのか。今から楽しみでならない。

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