差別的コール根絶へ…コパ・アメリカ出場GKが映像出演、自粛呼びかけ

コパ・アメリカ実行委員会は差別的コールの根絶を目指している(写真はメキシコサポーター) [写真]=LatinContent/Getty Images

 コパ・アメリカ センテナリオ 2016 USAでは、試合会場で横行する“悪習”を撲滅させるべく、新たな取り組みがなされている。チリ紙『ラ・テルセラ』電子版が報じている。

 今大会の組織委員会は、サポーターに対して差別的なチャント、コールをやめるように呼びかけるVTRを作成。映像には各国代表のGKが出演している。チリ代表からはGKクラウディオ・ブラボ(バルセロナ)が登場し、差別的コールの自粛を呼びかけた。

 ニュースを伝えるページには、メキシコ代表のユニフォームを着たサポーター集団の画像が使用されている。GKに対する差別的なコールとして良く知られているのが、メキシコ代表の試合や同国内リーグの試合でよく聞かれる「Puto!」という叫び声だ。

 相手GKがゴールキックを蹴る際、ボールをセットして助走に入る頃から唸り声を上げ、キックの瞬間に「Puto!」と叫ぶ。メキシコ代表の試合を見れば何度も耳にする場面だ。

“puto”という単語には「不快な」「困難な」という意味のほか、「男娼」という意味もある。サポーターは最後の意味合いを込めて使っている。れっきとした差別的なコールだが、叫んでいる本人たちには差別意識が希薄で、慣習的に使われている。

 人種差別や性差別など、あらゆる差別の撤廃を目指しているサッカー界だが、果たして慣習を根絶させることはできるだろうか。

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