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熱狂のベオグラード・ダービーで決勝点演出の浅野拓磨「怖さあった」

2019.09.23

パルチザンに所属する浅野拓磨(写真は8月のEL予選モルデ戦)[写真]=Getty Images

 今夏にパルチザンに移籍したFW浅野拓磨が初の“ベオグラード・ダービー”に挑んだ。22日にホームで行われたセルビア・スーペルリーガ第9節のツルヴェナ・ズヴェズダ戦にフル出場。決勝点を演出して、熱狂のダービーマッチで2-0の勝利に貢献した。

 セルビアの首都ベオグラードに本拠地を構える国内2大クラブのプライドをかけたダービーマッチ。サポーターが暴徒化して逮捕者や負傷者を出すのが珍しくない熱狂的な一戦だ。

 試合の開始直前には、さっそくパルチザンのサポーターが発煙筒を焚き、相手サポーターに大量の煙を送って先制パンチ。試合中には両サポーターから終始、発炎筒や爆竹が投げ込まれ、試合が何度か一時中断することもあった。幾度となく鳴り響く爆発音には、初体験の浅野も「試合中にビクッとするので、あれはちょっとやめてほしいですけど」と苦笑いだった。

 試合は両チームの激しい攻防が続き、膠着状態のまま終盤に突入すると、82分に浅野が高い位置で相手の浮き球パスを頭でカット。こぼれ球を拾ったセイドゥバ・スマーからのパスは先に相手選手に触られたものの、素早くボールを取り返し、体勢を崩しながら粘ってつなぐ。これを再び受けたスマーがペナルティエリア手前から豪快にミドルシュートを叩き込み、パルチザンが均衡を破った。

 この時、スマーがアウェイ側に向かってゴールセレブレーションをしたことから相手サポーターの反感を買い、さらに両チームの選手が入り乱れての小競り合いにもなった。熱狂的なサポーターを目の当たりにした浅野は「激しかったですね。怖さはありました」と振り返った。

 パルチザンは後半アディショナルタイム2分に相手の退場で数的優位に立つと、その直後に追加点を奪う。浅野が右サイドで相手にプレスをかけてボールを奪い、そこからMFアレクサンダル・スチェキッチやスマーらがパスをつなぎ、最後はMFゾラン・トシッチが折り返しに合わせて試合を決めるゴール。パルチザンはダービーを制して2連勝を飾った。

 公式戦2試合連続でフル出場した浅野は試合後、「絶対に勝ちたかった試合だったので、そこで勝てたことは良かったです」と初のダービー戦勝利を喜んだ。2点とも自身の守備が起点となり、決勝点も演出したが、「2点ともディフェンスからゴールにつながっているので、そこは自信を持っていいところだと思う。だた、そこも大事だけど、勝負しているところはそこじゃないので、(ノーゴールで終わり)個人的には悔しい試合です」と悔しさを滲ませた。

 浅野は移籍後初出場となった8月8日のヨーロッパリーグ(EL)予選3回戦ファーストレグ・イェニ・マラティヤスポル戦でいきなり初ゴールを決めたが、それ以降は不発が続いている。3日前の19日に行われたELグループステージ第1節のAZ戦でも、再三のチャンスを決めきれず、チームも2-2の引き分けに終わり、「悔しい。その一言の試合ですね。これだけチャンスを作って、勝利に結び付けられなかった。今日のゲームに関して責任は僕にもあると思うし、悔しいです」と唇を噛んでいた。

 ドイツでは思うように結果を残せなかったため、セルビアではより結果にこだわっていく。「レベルアップするためにセルビアを選んだので、まずは目に見える結果を出していかないといけないと思うし、二桁は当然ゴールを取らないといけない」と力強くコメント。「今日みたいにチームの勝利に貢献したと見てくれたとしても、後になったら何も残らないので、やっぱり名前が残る結果を残したい。ゴールやアシストで絡んでいけるように頑張っていかないと、今は危機感しか感じていないですね」と気を引き締めた。

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