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欧州主要各国で最も多くの代表選手を輩出している下部組織は?

2019.03.21

欧州主要各国の代表に選出されている選手たち [写真]=Getty Images

 いよいよ明日22日に、キリンチャレンジカップ2019のコロンビア代表戦を戦う日本代表。今回の招集メンバー発表を受けて話題になったのが、各選手が高校時代に過ごした下部組織に関する情報だった。

 代表復帰を果たしたMF中島翔哉(アル・ドゥハイル)とMF小林祐希(ヘーレンフェーン/オランダ)、さらに今回が代表初招集となった安西幸輝(鹿島アントラーズ)と畠中槙之輔(横浜F・マリノス)の4名は、全員が東京ヴェルディの下部組織出身。今回の日本代表において、高校年代出身クラブの最大勢力となった。

 では、欧州主要各国で、最も多くの代表選手を輩出している下部組織はどこなのか。今回は、ベルギー、フランス、イングランド、ポルトガル、スペイン、オランダ、ドイツ、イタリアの8カ国について、今年3月に発表されたメンバーをもとに調査してみた。

 なお、欧州ではユース年代の移籍が頻発に起こるため、本稿では各選手が育った「下部組織(出身クラブ)」を、ユース時代に最後に在籍したクラブ、あるいはトップチーム昇格時に所属していたクラブとする。

*今回の調査はメンバー発表時の選手たちを対象とし、追加招集や離脱はカウントしない。
*以下、カッコ内は現所属クラブ。

■ベルギー代表

最大勢力:KRCヘンク 5名

GKティボー・クルトワ(レアル・マドリード/スペイン)
GKクーン・カステールス(ヴォルフスブルク/ドイツ)
MFティモシー・カスターニュ(アタランタ/イタリア)
FWクリスティアン・ベンテケ(クリスタル・パレス/イングランド)
FWレアンドロ・トロサール(KRCヘンク)

FIFAランキング1位のベルギーで最大勢力を誇るのは、KRCヘンク出身選手だった。伊東純也が所属する同クラブは、ベルギー有数の育成クラブとして知られている。今回はケガで招集外となったが、ケヴィン・デ・ブライネ(マンチェスター・C)も下部組織出身者の一人だ。

■フランス代表

最大勢力:リヨン/パリ・サンジェルマン 各3名

<リヨン>
DFサミュエル・ユムティティ(バルセロナ/スペイン)
FWアントニー・マルシャル(マンチェスター・U/イングランド)
FWナビル・フェキル(リヨン)

<パリ・サンジェルマン>
GKアルフォンス・アレオラ(パリ・サンジェルマン)
DFプレスネル・キンペンベ(パリ・サンジェルマン)
FWキングスレイ・コマン(バイエルン/ドイツ)

“世界王者”のフランスでは、育成の名門として知られるリヨン、そしてパリ・サンジェルマン出身の選手が最大勢力となった。後者は“金満クラブ”のイメージが強いが、育成にも力を注いでおり、未来の代表戦士たちが数多く在籍している。

■イングランド代表

最大勢力:マンチェスター・U 3名

GKトム・ヒートン(バーンリー)
DFマイケル・キーン(エヴァートン)
FWマーカス・ラッシュフォード(マンチェスター・U)

“サッカーの母国”イングランドでは、国内で最も優れた育成機関と言われるマンチェスター・U出身の選手が最大勢力に。もっとも、ヒートンとキーンはトップチームで活躍することはできず、他クラブで実力を磨いて代表入りを果たした。

■ポルトガル代表

最大勢力:ベンフィカ/スポルティング 各7名

<ベンフィカ>
DFジョアン・カンセロ(ユヴェントス/イタリア)
DFマリオ・ルイ(ナポリ/イタリア)
DFルベン・ディアス(ベンフィカ)
MFダニーロ・ペレイラ(ポルト)
FWベルナルド・シルヴァ(マンチェスター・C/イングランド)
FWゴンサロ・グエデス(バレンシア/スペイン)
FWジョアン・フェリックス(ベンフィカ)

<スポルティング>
GKルイ・パトリシオ(ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズ/イングランド)
GKベト(ギョズテペ/トルコ)
DFジョゼ・フォンテ(リール/フランス)
MFジョアン・モウティーニョ(ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズ/イングランド)
MFウィリアム・カルバーリョ(ベティス/スペイン)
MFジョアン・マリオ(インテル/イタリア)
FWクリスティアーノ・ロナウド(ユヴェントス/イタリア)

“育成王国”として名高いポルトガルで最大勢力を誇るのは、ベンフィカとスポルティングの2クラブだった。両者には優れた育成システムが存在し、絶えず“金の卵”を輩出している。ポルトガルで育ったあと、主要リーグに移籍してさらに成長を遂げるというサイクルも特徴的だ。

■スペイン代表

最大勢力:レアル・マドリード 4名

DFマリオ・エルモーソ(エスパニョール)
MFダニエル・パレホ(バレンシア)
FWアルバロ・モラタ(アトレティコ・マドリード)
FWロドリゴ(バレンシア)

ルイス・エンリケ新監督の下、世代交代が進むスペインでは、スーパースター軍団でありながら、「ラ・ファブリカ(工場の意味)」と呼ばれる優秀な育成組織も持つレアル・マドリードの出身選手が最多4名を数えた。なお、バルセロナ(セルヒオ・ブスケツなど)とバレンシア(フアン・ベルナトなど)の出身選手が3名で続いた。

■オランダ代表

最大勢力:アヤックス 6名

GKマルコ・ビゾート(AZ)
DFデイリー・ブリント(アヤックス)
DFマタイス・デ・リフト(アヤックス)
DFケニー・テテ(リヨン/フランス)
DFドニー・ファン・デ・ベーク(アヤックス)
FWライアン・バベル(フルアム/イングランド)

ロナルド・クーマン監督の下、UEFAネーションズリーグで4強入りを果たしたオランダ。最大勢力を誇るのは、名門アヤックス育ちの選手たちだった。デ・リフトなど若い世代のみならず、30歳を超えて再び代表の常連になったバベルの招集も同国の“復活”を印象づけている。

■ドイツ代表

最大勢力:シャルケ、シュトゥットガルト、ボーフム 各3名

<シャルケ>
GKマヌエル・ノイアー(バイエルン)
DFティロ・ケーラー(パリ・サンジェルマン/フランス)
FWレロイ・サネ(マンチェスター・C/イングランド)

<シュトゥットガルト>
DFアントニオ・リュディガー(チェルシー/イングランド)
MFヨシュア・キミッヒ(バイエルン)
FWティモ・ヴェルナー(ライプツィヒ)

<ボーフム>
DFルーカス・クロステルマン(ライプツィヒ)
MFレオン・ゴレツカ(バイエルン)
MFイルカイ・ギュンドアン(マンチェスター・C/イングランド)

ドイツでは、シャルケ、シュトゥットガルト、ボーフムの3クラブが最大勢力に。なおヨアヒム・レーヴ監督によるベテラン3選手の招集外が話題を呼んだが、マッツ・フンメルスとトーマス・ミュラーが選出されていれば、トニ・クロースと共に“バイエルン勢”も最多3名を数えていた。

■イタリア代表

最大勢力:フィオレンティーナ 4名

DFクリスティアーノ・ピッチーニ(バレンシア/スペイン)
DFジャンルカ・マンチーニ(アタランタ)
FWフェデリコ・ベルナルデスキ(ユヴェントス)
FWフェデリコ・キエーザ(フィオレンティーナ)

昨年、60年ぶりにW杯出場を逃したイタリア。ロベルト・マンチーニ監督による積極的な世代交代が推し進められるなか、最大勢力となったのはフィオレンティーナ出身の選手たちだった。とりわけ、ベルナルデスキとキエーザの“フェデリコ組”に寄せられる期待は大きく、カルチョ復権のカギを握る存在となっている。

(記事/Footmedia)

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