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長友がガラタサライで優勝、欧州リーグで優勝経験のある日本人ってどのくらいいる?

2018.05.22

ガラタサライで念願のリーグ優勝を果たした長友 [写真]=Getty Images

 5月19日、トルコ1部のスュペル・リグが最終節を迎え、長友佑都が所属するガラタサライが勝利を飾り、2015年以来となるリーグ制覇を成し遂げた。今年1月に加入した長友にとっては、自身初となる念願のリーグ・タイトル獲得となった。

 奥寺康彦以降、20年以上遠ざかっていた海外での日本人選手のリーグ優勝は、ゼロ年代以降の日本人選手たちの相次ぐヨーロッパへの進出に伴って増加し、近年ではほぼ毎シーズン終盤、どこかの国で日本人がシャーレやトロフィーを掲げている。

 リーグの規模やレベルもまちまちで、MVP級の活躍を見せて優勝に貢献した例もあれば、出場機会に恵まれなかった例まである、だが、彼ら一人ひとりがクラブの栄光の一端となったことは、同じ日本人として誇らしい気持ちにさせてくれる。そんな歴戦の勇士たちの足跡を今一度振り返ってみよう。

[写真]=Getty Images

■1977-78 ケルン(ドイツ/ブンデスリーガ優勝)
▶奥寺康彦(MF・当時26歳) 20試合出場・4ゴール
日本代表の合宿中にスカウトされて渡独。主に左ウィングで起用され、リーグ戦終盤の3試合で4ゴールを決めるなど、加入1年目でリーグ制覇に達成した。以降、9年間にわたりドイツで活躍し、3度の準優勝を経験。日本人のプロサッカー選手の先駆者となった。

■1998-99 ディナモ・ザグレブ(クロアチア/プルヴァHNL優勝)
▶三浦知良(FW・当時32歳) 12試合出場・0ゴール
ヴェルディ川崎を解雇されたカズは、自身三度目となる海外リーグに挑戦する道を選んだ。デビュー戦でPKを外すなどゴールを挙げることはできなかったが、当時FWだったミハエル・ミキッチ(現・湘南ベルマーレ)らとのポジション争いに勝ち、確かな足跡を残した。

[写真]=Getty Images

■2000-01 ローマ(イタリア/セリエA優勝)
▶中田英寿(MF・当時24歳) 15試合出場・2ゴール
フランチェスコ・トッティとのポジション争いに苦しめられたが、第29節ユヴェントスとの直接対決でトッティに代わり途中出場。18年ぶりのスクデット獲得の大きな追い風となった強烈ミドルは今も伝説として語り継がれている。

[写真]=Getty Images

■2001-02 アーセナル(イングランド/プレミアリーグ優勝)
▶稲本潤一(MF・当時22歳) 0試合出場・0ゴール
アーセン・ヴェンゲル監督に能力を見込まれてレンタルで加入したが、パトリック・ヴィエラら実力者を前に出場機会は訪れず。日韓ワールドカップではその鬱憤を晴らすかのような活躍を見せ、翌シーズンのフラムへの移籍後はプレミアリーグでも存在感を放った。

■2005-06 レッドスター・ベオグラード(セルビア・モンテネグロ/プルヴァ・リーガ優勝)
▶鈴木隆行(FW・当時30歳) 6試合出場・0ゴール(途中加入)
ブラジル、ベルギーに次ぐ3度目の国外挑戦となった新天地では、カップ戦で2ゴールを挙げるなど序盤のアピールに成功したものの、徐々に構想外となり、リーグ戦では出場機会に恵まれなかった。2年間の契約を打ち切り、翌2007年に横浜F・マリノスへ移籍した。

■スコットランドでリーグ優勝とシーズンMVPを獲得した中村俊輔

[写真]=Getty Images

■2005-06 セルティック(スコットランド/プレミアシップ優勝)
▶中村俊輔(MF・当時27歳) 29試合出場・3ゴール
■2006-07 セルティック(スコットランド・プレミアシップ優勝)
▶中村俊輔(MF・当時28歳) 33試合出場・8ゴール
■2007-08 セルティック(スコットランド・プレミアシップ優勝)
▶中村俊輔(MF・当時29歳) 26試合出場・6ゴール
▶水野晃樹(MF・当時22歳) 0試合出場・0ゴール(途中加入)
セリエAでの3シーズンを不完全燃焼のまま終えた中村は、スコットランドで水を得た魚のように躍動し、リーグ3連覇に貢献した。加入2年目には海外リーグで日本人初となるシーズンMVPを獲得し、今もセルティックの伝説的英雄として語り継がれている。2008年1月に加入した水野は2試合にベンチ入りしたのみで出場機会は訪れなかった。

■2006-07 ザルツブルク(オーストリア/ブンデスリーガ優勝)
▶宮本恒靖(DF・当時30歳) 9試合出場・0ゴール
▶三都主アレサンドロ(MF・当時29歳) 9試合出場・0ゴール
宮本はガンバ大阪から完全移籍で、三都主は浦和レッズからレンタル移籍で加入。ともに冬の移籍加入でありながら、名将ジョバンニ・トラパットーニ監督に重用され、トロフィーを掲げた。ただし、両者が同時にピッチに立つ機会はほとんど訪れなかった。

■2007-08 バーゼル(スイス/スーパーリーグ優勝)
▶中田浩二(DF・当時28歳) 18試合出場・1ゴール
初の海外挑戦となったマルセイユで辛酸をなめた中田が新天地として選んだのは日本人にとって馴染みの薄いスイスだった。主にセンターバックとしてレギュラーに定着し、3シーズン目には念願のリーグ優勝を達成。翌シーズンに惜しまれつつ退団した。

[写真]=Getty Images

■2008-09 ヴォルフスブルク(ドイツ/ブンデスリーガ優勝)
▶長谷部誠(MF・当時25歳) 25試合出場・0ゴール
▶大久保嘉人(FW・当時26歳) 9試合出場・0ゴール(途中加入)
鬼軍曹フェリックス・マガトに率いられたヴォルフスブルクがクラブ史上初の主要タイトルを獲得。2年目の長谷部はそのチームの中核を担った。2009年1月に加入した大久保は二人で55ゴールを稼いだグラフィッチとエディン・ジェコを前に出場機会を得られなかったが、長谷部と共に奥寺康彦以来31年ぶりにブンデスリーガ優勝を達成した日本人となった。

[写真]=Getty Images

■2010-11 ドルトムント(ドイツ/ブンデスリーガ優勝)
▶香川真司(MF・当時22歳) 18試合出場・8ゴール
■2011-12 ドルトムント(ドイツ/ブンデスリーガ優勝)
▶香川真司(MF・当時23歳) 31試合出場・13ゴール
加入後して間もなくしてルール・ダービーで2ゴールを挙げるなど、センセーショナルな活躍を見せた香川は、名将ユルゲン・クロップの下で連覇を達成したドルトムントの中心人物の一人だった。2シーズン目もゴールやアシストを量産し、一気に世界的スターの仲間入りを果たした。

■2011 FKヴェンツピルス(ラトビア/ヴィルスリーガ優勝)
▶柴村直弥(DF・当時29歳)16試合出場・1ゴール
▶加藤康弘(MF・当時25歳)5試合出場・0ゴール(途中加入)
柴村はカップ戦に続く2冠を達成したチームの主力としてプレーし、日本代表入りが囁かれるほどに活躍。シーズン途中に退団した佐藤穣と入れ違いで加入した加藤は、出場機会こそ多くはなかったが、柴村と共に日本人史上初となるヴィルスリーガ優勝経験者となった。

■2012 ノーメ・カリュ(エストニア/メスタリリーガ優勝)
▶和久井秀俊(MF・当時29歳) 35試合出場・10ゴール
Jリーグでの出場経験なしに、スロベニアやチェコ、ベラルーシなどを転戦してきたさすらいのフットボーラーが、自身7つ目のヨーロッパのクラブで、クラブ史上初のリーグ・タイトルを獲得に貢献。2年連続でベストイレブン、ベストMFに選ばれた。

[写真]=Getty Images

■2012-13 マンチェスター・ユナイテッド(イングランド/プレミアリーグ優勝)
▶香川真司(MF・当時24歳) 20試合出場・6ゴール
ドルトムントに後ろ髪をひかれつつも、夢であったプレミアリーグ挑戦の道を選んだ香川は、アレックス・ファーガソン監督のラストシーズンの優勝に貢献した。途中、膝の負傷に悩まされたが、第28節ノリッジ戦でハットトリックを達成するなど随所で存在感を示した。

[写真]=Getty Images

■2012-13 CSKAモスクワ(ロシア/プレミアリーグ優勝)
▶本田圭佑(MF・当時26歳) 25試合出場・8ゴール
加入後3年目を迎えた本田は、途中、左足首の負傷で5試合の戦線離脱を余儀なくされたものの、クラブの6シーズンぶりとなるリーグ優勝に貢献した。このシーズン限りでの退団の道を模索していたがCSKA側が認めず、移籍は翌シーズンに持ち越された。

■2013 FKジャルギリス(リトアニア/Aリーガ優勝)
▶金井拓也(MF・当時21歳) 9試合出場・3ゴール
テスト生として練習に参加したFKジャルギリスでプロ契約を勝ち取った異色の経歴の持ち主。2013年3月の第3節シャウレイ戦でプロデビューを飾り、シーズン後半はケガに苦しんだが、9試合で3ゴールを挙げる活躍で14年ぶりのリーグ制覇に貢献した。現在はドイツで育成年代のコーチとして活動している。

■2014-15 バーゼル(スイス/スーパーリーグ優勝)
▶柿谷曜一朗(FW・当時24歳) 14試合出場・3ゴール
第4節FCチューリッヒ戦で初ゴールを挙げるなど、早くからアピールに成功したものの、ワントップの位置は主将のマルコ・シュトレラーや俊英ブレール・エンボロら多士済々で、サイドでの起用が主となり持ち味を発揮できず。スタメン出場は5試合に留まった。

■2014-15 FKルダル・プリェヴリャ(モンテネグロ/プルヴァ・リーガ優勝)
▶加藤恒平(MF・当時25歳) 31試合出場・7ゴール
J2から海外へ羽ばたき、加入2シーズン目となった加藤は守備的MFの位置で不動のレギュラーの座を確保して、リーグ優勝に貢献。リーグのベストイレブンに選出された。その後はポーランド、ブルガリアのクラブで実績を作り、2017年には日本代表まで上り詰めた。

■南野拓実はザルツブルクでリーグ4連覇を達成

[写真]=Getty Images

■2014-15ザルツブルク(オーストリア/ブンデスリーガ優勝)
▶南野拓実(FW・当時20歳) 14試合・3ゴール(途中加入)
■2015-16ザルツブルク(オーストリア/ブンデスリーガ優勝)
▶南野拓実(FW・当時21歳) 32試合・10ゴール
■2016-17ザルツブルク オーストリア/ブンデスリーガ優勝)
▶南野拓実(FW・当時22歳) 21試合・11ゴール
■2017-18ザルツブルク オーストリア/ブンデスリーガ優勝)
▶南野拓実(FW・23歳) 27試合・7ゴール
左右のウィングやFWなど、2015年1月の加入後から複数ポジションをこなしながらも、コンスタントにゴールを決め、今季に至るまで4度のリーグ制覇を経験した。ザルツブルクでの通算出場試合数は130試合に達し、今年2月に契約を2021年5月末まで延長した。

[写真]=Getty Images


■2015-16 レスター(イングランド/プレミアリーグ優勝)
▶岡崎慎司(FW・当時30歳) 36試合・5ゴール
初のプレミアリーグ挑戦となったこのシーズン、最前線からプレスをかけ続ける役割を全うし、「ミラクル・レスター」と呼ばれた歴史的チームの一員に。ゴール数こそ少なかったが、第30節ニューカッスル戦で見事なバイシクルを決めるなど、インパクトを残した。

■2015-16 アストラ(ルーマニア/リーガ1優勝)
▶瀬戸貴幸(MF・当時30歳) 15試合出場・0ゴール(途中加入)
2016年1月にトルコのオスマンルスポルから9シーズンを過ごした古巣に電撃復帰して、クラブ史上初のリーグ優勝に貢献した。現在、アストラで在籍12シーズン目を迎え、ヨーロッパでの同一クラブに所属する日本人選手として歴代最長記録を更新中だ。

■2017 HJKヘルシンキ(フィンランド/ヴェイッカウスリーガ優勝)
▶田中亜土夢(MF・当時30歳) 23試合出場・3ゴール
加入3年目を迎えた田中は3ゴール12アシストを記録するなど、10番としての役割を全う。リーグ戦、カップ戦の2冠に輝き、フィンランド・リーグを代表するアタッカーに成長した。契約満了に伴い惜しまれつつも退団し、現在はセレッソ大阪に所属している。

[写真]=Getty Images


■2017-18ガラタサライ(トルコ/スュペル・リグ優勝)
長友佑都(DF・31歳) 15試合出場・0ゴール(途中加入)
8シーズンにわたり在籍したインテルを離れ、2018年1月に期限付き移籍で加入。以降、リーグ戦では全試合フル出場。3アシストをマークし、リーグ制覇に貢献した。長友にとっては2010-11シーズンにインテルで獲得したコッパ・イタリア以来となる2度目のタイトルとなった。

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