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モウリーニョに「両腕のカシージャスよりも片腕の君の方が…」と言われたGKは?

2018.04.20

カシージャスとモウリーニョの確執は相当なものだったようだ [写真]=Getty Images

 マンチェスター・ユナイテッドを率いているジョゼ・モウリーニョ監督と、ポルトでプレーしている元スペイン代表GKイケル・カシージャスの、レアル・マドリード時代の確執は有名な話だが、当時の両者の関係を象徴するエピソードがまた1つ明らかになった。

 その出所となったのは、元ブラジル代表GKジュリオ・セーザルだ。今年1月に3ヶ月契約で古巣のフラメンゴに復帰した同選手は、母国のケーブルテレビ局『SporTV』とのインタビューで、モウリーニョ監督がカシージャスを快く思っていないことが肌で感じられる経験をしたことを告白した。

 2013年夏に行われたコンフェデレーションズ・カップで、ブラジル代表の地元優勝に貢献し、ゴールデングローブ(最優秀GK)ならびにベストイレブンに選ばれたジュリオ・セーザル。スペイン代表を3-0で下した決勝後の表彰式では、相手の守護神であるカシージャスへの敬意を表し、交換したユニフォームを身に着けてトロフィーを受け取った。

 ところが、カシージャスとの対立を経て2012-13シーズン一杯でレアル・マドリードを退団したばかりのモウリーニョ監督は、この態度がどうしても気に食わなかったという。当時はQPRでプレーしていたジュリオ・セーザルは、インテル時代に指導を受けたモウリーニョ監督から祝福のメッセージを貰ったものの、その内容はカシージャスへの皮肉がたっぷりと含まれたものだったことを、笑いながら振り返った。

「ロッカールームに戻ると、モウリーニョ監督からメッセージが届いていた。そこには『君はクレイジーだ。交換したユニフォームを着て表彰式に臨まなければならなかったのは、君ではなくカシージャスの方だ。両腕の彼よりも片腕の君の方がシュートを止められる』と書かれていたんだ」

 ジュリオ・セーザルは一方、表彰式後に感謝の意を伝えに来たカシージャスには、モウリーニョ監督と上手くやる方法をアドバイスしたという。

「決勝が終わった後、カシージャスが僕と話をするためにロッカールームに来てくれた。彼には『モウリーニョ監督とはまっすぐに向き合わなければならない。難しいことだが、正面を切って接する必要がある。彼はチームのスター選手と1対1で話すことを好むからだ』と伝えたよ」

 さらに、「彼は本当に要求が厳しい監督だ。練習でもミスをすると『君は世界最高の守護神だが、今日はセリエCのGKだ』と言われてしまう」と、ジュリオ・セーザルに評されたモウリーニョ監督。カシージャスとは関係がこじれてしまったが、選手としての実績では自身を上回るスター軍団をまとめあげるためには、それに負けないだけの強烈な個性や信念が必要ということだろう。

文=北村敦

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