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浦和に敗れた上海上港を断じる中国メディア「戦術の欠片もない」

2017.10.19

ACL準決勝、上海上港は2試合合計スコア1-2で浦和に敗れた[写真]=兼子愼一郎

 10月18日、埼玉スタジアム2002で行われたAFCチャンピオンズリーグ2017準決勝東地区第2戦に、ベストメンバーで敵地に乗り込んだ上海上港だったが、幾多の決定機を生かせずに無得点に終わった。

 準決勝ラウンドの2試合合計スコアで浦和レッズに敗れ、就任1年目でのアジア制覇を目論むアンドレ・ビラス・ボアス監督の野望は虚しく、上海上港は大会から姿を消した。

“勝てば官軍、負ければ賊軍”

 敵地での敗戦の模様は中国全土で放映され、試合終了直後から一夜明けた19日の早朝までに、中国の主要スポーツメディアは上海上港の敗退をこぞって報じている。

「エウケソンの移籍金に1850万ユーロ、フッキに5580万ユーロ、オスカルの6000万ユーロとアフメドフの700万ユーロの4人の獲得に1億4130万ユーロ(約11億人民元/約187億円)を投じて、4年連続中国人得点王の武磊(ウー・レイ)を加えたアジア最高水準の攻撃陣を揃えたが、国内リーグ(注・残り3節で2位濃厚)もACLも制覇できなかった。残る可能性は国内カップだけとなった」(体壇周報)

 体壇周報は、結果を残せなかった上海上港を“爆買い”の観点でこき下ろしている。昨今、中国のサッカーファンにとって重要なのは、国内リーグとACLのタイトルであり、国内カップのタイトルには価値がないとしている。先の国内カップの準決勝で広州恒大を下したとしても、その広州恒大はより価値のある国内リーグを制している(注・残り3節で首位堅持)訳で、上海上港はまだ広州恒大に肩を並べてはいない、と結んでいる。

「ビラス・ボアス監督はACLの最後の3試合(広州恒大との準々決勝第2戦からこの試合まで)の采配に失敗している。広州恒大には惨敗を喫して敗退寸前まで追い込まれ、浦和レッズとの2試合でも、戦術の欠片も感じられない単調な試合運びに終始していた。こんな有様ではそもそも決勝進出の資格などない」(信息時報)

 広州日報紙の傘下メディアの信息時報は、浦和レッズに決勝進出を阻まれた上海上港の直近の戦いぶりを、ビラス・ボアス監督による采配ミスだと断じている。外国人選手による個々の能力に依存する戦い方に「浦和の最終ラインが容易に対応できた」と記している。

 上海上港が、良くも悪くも中国のサッカーファンに認知されるには、国内リーグやACLでタイトルを獲得して、広州恒大と実績で肩を並べるしかなさそうな雰囲気だ。

 AFCチャンピオンズリーグ2017での中国勢の戦いがすべて終わった。また来年のこの大会で中国勢が猛威を振るうことを期待したい。アジアサッカーの更なるレベル向上の為に。

文=池田宣雄・香港
協力=アジアサッカー研究所

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