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ロシアの地で2人の日本人少年が誓った夢 64カ国の“友達”とサッカーを通じて平和など願う

2017.07.22

コンフェデ杯決勝が行われたガスプロム・アリーナにて。イベントに参加した小野くん(左)と中原くん

 アジア、アフリカ、アメリカ、ヨーロッパの4大陸・64カ国から12歳のサッカー選手64人、12歳のジャーナリスト64人が集まり、「第5回Football 4 Friendship(フットボール・フォー・フレンドシップ)」(以下、F4Fが6月26日から7月3日までの期間、ロシアのサンクトペテルブルクで行われた。

 同イベントは、サッカーを通じた国際青少年交流プロジェクトで、ガスプロム社の「ガスプロム・フォー・チルドレン」というグローバル懇親プログラムの一環として行われているもの。日本からは中原奏乃くんが選手として、小野伶くんがジャーナリストとして参加した。

 親元を離れ、日本から遠い異国の地・ロシアへ向かった2人。最初はお互いに面識が少なかったことも手伝い、緊張がほぐれなかったが、ロシアにつくことには、すっかり打ち解けた様子だ。現地では他国の同世代の子どもたちとサッカーを通じて、様々な活動をするとともに、ホテル住まいとは言え共同生活を送る。

 しかし、2人ともアメリカでの生活が長かったこともあって、言葉の壁は問題なし。大会参加条件に英会話が可能なことがある通り、セルビア人のチームメートやメキシコ人のルームメートとも英語を通じてすっかり仲良しに。宿泊部屋のトークの主導権争いはセルビア代表に握られてしまった(?)ようだが、そこはご愛敬。

 ロシア滞在中はサンクトペテルブルクで活動。28日から30日まで、中原くんは選手として練習に汗を流し、小野くんは選手や大会アンバサダーのアレクセイ・スメルティン氏(元ロシア代表)のインタビューを行うなど、それぞれに貴重な経験を重ねていく。

 7月1日はF4Fのメインイベントである『F4F 2017 Championship』が開催。中原くんが入るチーム・グリーンは残念ながら初戦で敗退してしまったが、「練習も試合も楽しかった。試合中に指示もしっかり出せました」と、結果以外には満足気。なお、得点王は優勝したチーム・オレンジのアルゼンチン人イヴァン・カスコくん、アシスト王は同じくチーム・オレンジのロマン・ホラクくん、MVPにはチーム・イエローの韓国人ジェミン・リーくんが輝いている。

 翌2日は『International Children’s Forum』が開催。子どもたちなど、参加者全員を集め、大会の表彰式とセレモニーを実施した。セレモニーにはスペシャルゲストも多数参加し、ジュリオ・バチスタ氏(元ブラジル代表)、イバン・サモラーノ氏(元チリ代表)、アレクサンドル・ケルジャコフ氏(元ロシア代表)、スメルティン氏といった名選手たちや、FIFAのファトマ・サムラ事務局長といったサッカー界の重要人物も姿を見せ、大会が掲げる9つの理念『友情、平等、公平、健康、平和、献身、勝利、伝統、誇り』を子どもたちに伝えるべくスピーチなど行った。

 さらに64カ国の子どもたちにはスペシャルな体験も。同日夜に行われたFIFAコンフェデレーションズカップ決勝「ドイツvsチリ」に全員が招待され、スタンド観戦した。中原くんは好きな選手にドイツ代表のユリアン・ドラクスラーを挙げ、決勝戦では得点こそラース・シュティンドルの1ゴールのみだったが、憧れの選手のプレーを生観戦し、その目に焼き付けた。

 将来は海外で活躍することを夢見る中原くんと小野くん。スペインやブラジル、ドイツにサッカーを通じて行きたいと話す中原くんは「(練習や試合では)けっこうやれた。国の違いは感じなかった」と自信の表情。現在は英語に加え、スペイン語も勉強しているという小野くんは、将来の夢は宇宙に携わる仕事をしたいとのこと。今回の国際経験を糧に、世界へ飛び立つ夢をより強いものにしたようだ。

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