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《サッカー界のなぜ?》“会長”や“王子”が立候補…FIFA会長選挙はどんな人が出馬できる?

2015.10.23

FIFA会長、どんな人が立候補できるの? [写真]=Getty Images

 FIFA(国際サッカー連盟)のゼップ・ブラッター会長の辞任に伴う、次期会長選の立候補の締め切りが今月26日に迫っている。

 ブラッター会長は5月29日に行われたFIFAの総会により、会長への5度目の当選を果たした。しかし、FIFAの複数名の幹部が汚職の疑いで逮捕、起訴されるという事件を受けて、数日後に辞任を表明。後任者が決定するまで一時的に職務を代行しているが、1998年から続いた長期政権にピリオドが打たれることがほぼ確実になっている。

 FIFAはその後、次期会長選が来年2月26日にスイスのチューリッヒで行われると発表。立候補の締め切りは投票日4カ月前、今月26日となっている。

 これまでのところ、UEFA(欧州サッカー連盟)のミシェル・プラティニ会長の他、ヨルダンのアリ・ビン・アル・フセイン王子や、元トリニダード・トバゴ代表主将のデイヴィッド・ナヒッド氏が会長選への出馬を正式に表明(注:プラティニ会長は現在、FIFA倫理委員会より90日間の職務停止処分を科されており、立候補が有効かどうかは処分が解除されてから判断される)。また、元ブラジル代表で日本代表を率いたこともあるジーコ氏、バーレーン人でAFC会長のサルマン・ビン・イブラヒム・アル・ハリファ氏、元スイス代表DFラモン・ヴェガ氏らにも立候補の可能性が残っている。

 とはいえ、“会長”や“王子”、“元選手”など、その肩書きは様々だ。果たして、どんな人であれば立候補が可能なのだろうか?

 FIFAの規則によれば、次の3つの条件が存在する。なお、立候補における年齢制限はない。

■FIFA加盟209ヶ国のうち5協会の推薦を受けること
■過去5年間のうち2年以上、いずれかの協会で積極的な活動を行ってきた実績があること(会長や役員の他、選手のみの活動実績でも可)
■立候補締め切り日までに、FIFAに必要書類を提出すること

 このなかで、もっともハードルが高いのが、1番目の条件になる。例えばジーコ氏は、会長選実施のニュースが発表されてまもなく、立候補の意思を表明した。だが、期限が迫る22日の段階で4協会からしか推薦が得られず苦戦が続いている。選手時代の名声は申し分ないが、政治の世界では素人同然であり、支持を集めるのが容易ではないのだ。これに対し、ジーコ氏は「立候補の条件が厳しすぎる」として、ブラッター会長に対して直々に規制緩和を訴えたが、“のれんに腕押し”で終わっている。

 実際の政治の世界でも同様だが、推薦に当たっては各大陸連盟の“大人の事情”が絡んでくる。そのため、2番目の条件だけを見れば、広く門戸は開かれているようにも見えるが、各国協会が単独で誰かを支持するケースは稀で、資金も実績も人脈もない者が立候補すること、ましてやFIFAのトップに立つことは極めて難しい。

 汚職問題をきっかけに実施されることになった今回の会長選。腐敗根絶やサッカーの民主化が叫ばれているなか、果たして立候補者にはどんな顔ぶれがそろうのか注目される。

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