昨季はトリノでプレーしていたベルギー代表GKジレ [写真]=Getty Images
ベルギー1部ジュピラー・リーグで、ものすごい離れ業をやってのけたGKがいた。
舞台となったのは第10節のアンデルレヒト対メヘレン戦。メヘレンは試合開始早々の7分と14分、アンデルレヒトにそれぞれPKを与えてしまうのだが…。
バーリやボローニャ、トリノで活躍し、先日発表されたベルギー代表にも招集されたGKジャン・フランソワ・ジレがこの2つをセービング。
アンデルレヒトは1本目のデニス・プラートの失敗を受けキッカーを変更し、ステファノ・オカカが2人目として登場した。しかし、ジレはこのキックも完璧に読み、敵地でありながら試合開始後15分以内に2つのPKをストップするという離れ業をやってのけた。
スタンダール・リエージュのユースで育ちながらも、プレーキャリアはイタリアでのものが大半であるジレ。最初に所属したクラブは1999-00シーズンに加入したセリエBのモンツァであり、その後バーリでは300試合以上に出場している。
そうした活躍からベルギー代表にも招集され始めるようになり、先日2日に発表された10月の代表選に向けたメンバーにも選出。この夏、カターニアからメヘレンへとレンタル移籍していた。
そんなジレだが、この日最大の見せ場は試合終了間際にやってきた。
メヘレンが0-1のビハインドで迎えた89分、再びアンデルレヒトがPKを獲得したのだ。
さすがに2人連続しているということもあり、アンデルレヒトはまたもやキッカーをチェンジ。現時点でのチームの最多得点者であり、18歳の“神童”ユーリ・ティーレマンスがペナルティスポットへと向かったのだが…。
なんとジレはこれもストップ。
アウェー、ビハインド、試合終了間際…この極限の緊張状態で見せたのは、この日最も完璧なPKストップだった。1試合に3本のPKを阻止するなど、そう簡単にお目にかかれるものではない。
そうした守護神の奮起に、さらに劇的なクライマックスが待っていた。
後半アディショナルタイム、メヘレン選手のロングスローがアンデルレヒトのDFに当たり、そのままゴール。
なんと土壇場の状況でメヘレンが追いつき、試合は1-1で終了したのだ。
試合終了のホイッスルに、ジレもガッツポーズ。試合が終わるや否や、チームスタッフが一斉にジレのもとへと駆け寄る姿が印象的であった。
なお余談だが、ベルギーにはA代表クラスに2人の「ジレ」がおり、1人は今回大車輪の活躍を見せたGKジャン・フランソワ・ジレ。もう1人はアンデルレヒトのユーティリティ選手、ギヨーム・ジレであり、この試合には2人の「ジレ」が出場していたことになる。
(記事提供:Qoly)
By Qoly