2015.07.05

熱戦続いたコパ・アメリカが閉幕…決勝はチリの組織力が個のアルゼンチンを上回る

チリ代表
コパ・アメリカを制したチリ代表 [写真]=LatinContent/Getty Images

文=河治良幸

 6月12日から約3週間にわたり熱い戦いが繰り広げられてきたコパ・アメリカ2015はサンティアゴで行われた決勝で開催国のチリがアルゼンチンをPK戦で制して初優勝を飾った。

 延長戦でも決着が付かずPK戦にもつれ込むと、開催国チリが全て決めた一方で、アルゼンチンは1人目のリオネル・メッシが冷静にゴールネットを揺らしたものの、2人目ゴンサロ・イグアインのキックが大きく枠を外れ、3人目のエベル・バネガはGKクラウディオ・ブラーボに止められた。

 最後はエースのアレクシス・サンチェスが決め、大きな歓声の中で喜びを分かち合ったチリの選手たち。最終的にPK戦という形式ではあるが、高い組織力を持つチームがメッシなど個の能力で勝るアルゼンチンをチャンスの数で上回っての優勝は今大会を象徴している様にも感じられた。

 チリの強みは豊富な運動量と高度な連動性を駆使した高い位置からのディフェンスであり、ホーム開催の利点はあるが開幕戦から決勝まで基本スタイルを継続しながら、ウルグアイであればエディンソン・カバーニ、アルゼンチンならメッシといった相手のエースをしっかり押さえ込むことができていた。

 準々決勝におけるカバーニに対するゴンサロ・ハラの挑発行為は性的な嫌がらせを含み、3試合の出場停止(その後、2試合に軽減)に値するものではあったが、3-3と打ち合いになったグループリーグ2試合目のメキシコ戦をのぞけば、失点は準決勝ペルー戦のオウンゴールのみ。相手の良さをほとんど出させることなく、組織的な守備と効果的な速攻を繰り返すチリの良さが目立っていた。

 ブラジル・ワールドカップではラウンド16でブラジルと1−1で引き分け、PK戦で敗退したものの、当時の開催国を内容で凌駕するパフォーマンスは現在も語り種となっているほど。マルセロ・ビエルサの意志を受け継いだホルヘ・サンパオリ監督の戦術と指導力が自国開催のコパ・アメリアで実を結んだと言える。

 それにしてもW杯がサッカーの祭典ならコパ・アメリカは戦いといった表現が良くされる通り、駆け引きや相手の良さを消し合う様相がW杯よりも出ており、特に先のカバーニやメッシといったエース級の選手たちには受難の大会であることは確かだろう。

 その象徴的な存在となってしまったのがネイマールだ。ペルーとの初戦で、チームを勝利に導くゴールとアシストを決めたものの、コロンビア戦では執拗なマークにあい、敗れた直後にいら立ちを隠せず、蹴ったボールがパブロ・アルメロに当たったことで乱闘となり、ネイマールは自身を突き飛ばしたカルロス・バッカとともにレッドカードを提示されてしまった。

 試合中にはヘディングシュートの際に、ボールが手に当たったとして警告を受け、ペルー戦でFKの時に主審が蹴る位置を示すバニシングスプレーを手で消したことでイエローを出されていたため、すでに3試合目の出場停止が確定していたネイマールは結局4試合の出場停止となり、2試合で彼のコパ・アメリカは終了してしまった。

 ネイマールを欠いたブラジルはベネズエラを2-1で振り切って準々決勝には進んだものの、パラグアイに勝ち切ることができずにPK戦で敗退。ブラジルW杯のリベンジはならなかった。相手のパラグアイは準決勝でアルゼンチンに6-1で大敗したものの、最下位となったブラジルW杯の予選からチームが立ち直ったことを証明した。

 今大会は南米の“弱小国”と見られてきたボリビアが得意の高地ではない今大会でベスト8に進出し、またベネズエラはC組で4位に終わったものの、優勝候補のコロンビアを破り、ブラジルとも接戦を繰り広げた。前回大会に続く3位となったペルーはFWのアンドレ・カリージョなど若手も台頭しており、苦戦が続いているW杯予選での躍進と1982年以来のW杯出場が期待される。

 南米全体のレベルが底上げされた印象を受ける今大会だが、招待国のメキシコとジャマイカはそれぞれグループ4位に終わり、“門外漢”がこの大会で躍進することの難しさを感じさせる結果となった。しかし、同年の2つの大陸選手権に同じ選手を招集できないというルールの中で、北中米カリブ海の大会であるCONCACAFゴールドカップとチームを分けて挑んだメキシコも、辞退した日本、中国に代わり参戦したジャマイカにとっても良い経験になったことは間違いない。

 前回大会では実質U-22代表に数人のオーバーエージを加えた構成でコパ・アメリカに参加したメキシコは、そのメンバーを主力としてロンドン五輪の金メダルを獲得した。今回はA代表のミゲル・エレーラ監督が指揮をとり、現時点で代表候補ではあるが主力ではない若手に経験豊富なベテランを混成したメンバーで戦い、貴重なサンプルを母国に持ち帰った。

 3試合全て0-1という結果で敗退した“レゲエ・ボーイズ”ことジャマイカも、この時期に世界的にも強豪国に入るアルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイに善戦したことで間違いなくチームはタフになったはずで、今後の戦いが非常に楽しみになった。改めて思うのはベストメンバーを派遣できないからといって参加を辞退するにはあまりに勿体ない大会だということだ。

 来年はコパ・アメリカの第1回大会から100周年にあたり、コパ・アメリカ・センテナリオが米国で開催され、南米10カ国に北中米カリブ海の6カ国を加えた16カ国が参加する予定になっている。先日のFIFAのスキャンダルで逮捕されたCONCACAFのジェフリー・ウェブ前会長などが絡み、汚職の疑いもあるため開催そのものが危ぶまれる向きもあるが、例年のコパ・アメリカに比べれば試合の内容的にも、お祭り感が強まると予想している。

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