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輝きを失った前半戦…それでも期待を集める柿谷が勝負の後半戦に自信

2015.02.08

CLでレアルと対戦したバーゼルのFW柿谷曜一朗(右)[写真]=Getty Images

 スイスリーグは7日から再開。今シーズン開幕前にバーゼルに移籍したFW柿谷曜一朗にとっても勝負の後半戦となりそうだ。

 バーゼルは、日本代表MF香川真司が所属するドルトムントやフィオレンティーナといった有名クラブとの争奪戦を制して柿谷を獲得。柿谷には、2009年にドルトムントからバーゼルに加入したスイス代表キャプテン(当時)のFWアレクサンダー・フライ以来となる入団会見の場も用意され、さらに、日本のメディアも多数押し掛けたことから、現地では「日本のスーパースター」として、大きな注目を集めた。

 だが、リーグ戦前半は9試合に出場して2ゴール。先発4試合のうちフル出場はわずか1試合にとどまり、途中出場が5試合。スイス屈指の名門で、現在はリーグ4連覇中の強豪で結果が出ず、徐々に出番も減少。17歳の新星ブリール・エンボロがゴールを量産すると、すっかり影も薄くなってしまった。

 期待外れに終わった前半戦を、地元メディアはチームにフィットするのに時間がかかっていることを要因に挙げている。

 地元紙『Basler Zeitung』は、「チームに溶け込むためのプロセスが、ピッチ内外で続いている。柿谷は、チームメイトの特徴をもっと理解しなければいけないと言うが、その逆も然り」と、周りからの理解も必要だと指摘。

 柿谷が、チームメイトや記者相手に冗談を飛ばしたという話が、地元紙で紹介されるなど、少しずつ馴染んできているようだが、クラブ側は、柿谷をより早く適応させるべく、フルタイムで通訳をつけている。バーゼルが選手のために通訳を雇うのは初めてだそうで、クラブを挙げての万全のサポート体制を敷いていることが分かる。

 16歳まで日本で育ったというバーゼル出身の通訳とは、非常に良好な関係を築いていることが度々伝えられており、柿谷は「いつかは、1人で日常のことをこなさなければいけないのは当然のこと。でも、ヨナタン(通訳の名前)との友達関係はずっと続いていく」と、強い信頼関係があることを明かしている。

 サイドアタッカーで起用されることが多かった柿谷だが、地元紙は、パウロ・ソウザ監督が2トップでの起用を検討中と伝えており、その理由として、より自由な動きが可能なこと、相互理解もそれほど必要ではなく、サイドに比べて戦術面でのミスがそれほど影響しないことを挙げている。

 エースのマルコ・シュトレラーが地元紙『Basellandschaftliche Zeitung』の中で、「練習では、素晴らしい能力を見せている。もう少し待てば、チームに大きく貢献してくれる」と語るなど、柿谷への期待は依然として大きい。

 自身もそれを感じてか、クラブ公式サイトのインタビューでは「活躍する準備はできているし、自信もある」と強気な答え。さらに、「チャンピオンズリーグでベスト8、ベスト4に進めるゴールを決めるとか、大事なところで活躍しないと、日本のみなさんは満足してくれないと思う」と続けた。日本のファンのためにも、後半戦の巻き返しが期待される。

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