がんに苦しむ13歳少年、親善試合でセルティック相手にゴール

エル・マドリガル

ゴハンくんにとっての夢の舞台となったビジャレアルの本拠地、エル・マドリガル [写真]=Getty Images

 4日、ビジャレアルはセルティックとのがんに苦しむ子供たちに向けたチャリティーマッチを行った。この試合にがんに苦しむ少年ゴハンくんが出場した。試合は5-2でビジャレアルが勝利している。同日、スペイン紙『マルカ』がこれを報じた。

 先発メンバーが発表され、その中に見慣れない名前があった。背番号12、『GOHAN』の文字だ。13歳のゴハンくんは進行性のがんを患っている。入院先の看護師に「いつかビジャレアルのスタジアム、エル・マドリガルでプレーするのが夢なんだ」と語っており、この話を耳にしたビジャレアルがそれを実現させた。

 クラブはロッカールームに彼のスペースを作り、写真入りのボードまで飾るVIP待遇で迎えた。チームを率いるマルセリーノ・ガルシア・トラル監督はチームの一員としてプレーすることを許可し、名前入りのユニフォームが手渡された。

 選手とともに大観衆のスタジアムのピッチに降り立った少年は、キックオフ直後に味方からパスを受けるとセルティックのディフェンス陣を交わし、GKウカシュ・ザウスカと一対一に。ヒールでボールを蹴りこんだゴハンくんが大歓声に包まれる。ビジャレアルの選手、サポーター、みんなで祝福し、胴上げも行われた。直後に交代となったが、少年の夢は見事に叶ったのである。

 両クラブはある人物がきっかけでがんのチャリティーのためのパートナーシップを結んでいる。元ビジャレアルのエルネスト・ボイシャデル氏だ。ボイシャデル氏は2004年に行われたUEFAカップ(現ヨーロッパリーグ)のセルティック戦直前に息子をがんによって亡くしている。試合当日、セルティックのファンが哀悼の意を表し、それ以来両クラブはがんに苦しむ子供たちを支援することに決め、『サブマリ・セルティック・クラブ』を設立。そして今回、10周年を記念して、このチャリティーマッチが実現した。今回のチャリティーでは約15万ユーロ(約2000万円)の寄付が集まっている。

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