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浮き彫りになったイギリス代表の隔たり、金メダルへの鍵は団結心か/グループA

グループA組首位通過を果たしたイギリス代表のギグス

 サッカー界における常識が、どの世界においても普通であるとは限らない。

「どうしてワールドカップにイギリス代表は出場しないの?」

 そんな質問を繰り返す人が後を絶えないように、サッカーにおける“イギリス代表”を取り巻く環境はいまだ複雑だ。サッカーの母国イングランドをはじめ、 ウェールズ、スコットランド、北アイルランドによって構成されるイギリス。しかしサッカー界において独自の協会を持ち、歴史的背景から、リスペクトを受け る彼らが“イギリス”という枠で括られることはない。

 “アンタッチャブル”な存在であり「団結」という議論が不毛ですらあると思われたイギリス代表のオリンピック出場は、イングランドとウェールズ出身の選 手で構成されるという点で落ち着いた。とはいえ、「金メダルを目指して頑張りましょう」と言ってまとまれるほど、両国が抱える問題が簡単ではないことはグ ループリーグの3戦でも如実に現れた。

 ライアン・ギグスを始めとするウェールズ出身の選手がイギリスの国歌を歌っていなかったことが問題として議論を呼んだのだ。これはギグスが言うように 「個人的な問題」であるが、ピッチ外の問題に頭を悩まさなければならないことを示唆する出来事であった。もちろん、チーム内での団結心を削ぐ要因になると も限らない。いまだにイギリス代表に関して否定的な記事も見受けられるほどだ。

 ただ、ピッチ上で戦う選手たちは十分な結果を残している。グループリーグ3戦を終えて2勝1分けの1位で準々決勝進出を決めた。ウェールズ出身のギグス とクレイグ・ベラミーは、ベテランらしく存在感を発揮して若きチームをけん引。自らゴールを決めて、勝ち点獲得に貢献している。チェルシーのダニエル・ス タリッジは2ゴールを記録して得点力を見せつけ、圧倒的なスピードを誇るスコット・シンクレアは相手守備陣の脅威となっている。

 抱えるタレントに関しては申し分ない。歴史的隔たりをこの短期間で埋めることは困難だろうが、どこまでまとまり、金メダルへ向けて歩んでいけるか。イギリス代表躍進の鍵は外部的要因というよりも、むしろ内部に存在していると言えるだろう。

 なお、2位で突破したセネガルは準決勝で日本と対戦する可能性がある。若い年代の選手にとって、アフリカ系のプレーヤーのフィジカルは脅威になりかねな い。今大会3ゴールを挙げて得点ランクトップのコナテを軸とする、フィジカルに長けた攻撃陣をいかにして抑えるか。ベスト4で対戦した際には、大きなカギ になりそうだ。

[写真]=Getty Images

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