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日本のW杯ベスト8進出の可能性は? 32カ国制以降の8強進出国から考える

2018.07.02

初のベスト8進出を狙う日本代表 [写真]=Getty Images

 日本代表は2日、2018 FIFAワールドカップ ロシアの決勝トーナメント1回戦でベルギー代表と対戦する。初の決勝トーナメント進出となった2002年の日韓大会はトルコ代表に完封負け。そして2010年の南アフリカ大会はパラグアイにPK戦で敗れた。今回は3度目の挑戦にして、初のベスト8進出を狙う。

 では実際、W杯でトップ8に入る可能性はどれほどなのか。今回は日本代表が初めてW杯本大会に出場し、参加国も現行の「32」となった1998年のフランス大会から4年前のブラジル大会まで、過去5大会に限定してベスト8に勝ち進んだチームをチェック。8強入りの可能性を探ってみた。

 まず、過去5大会でベスト8に勝ち進んだ回数を国別に並べてみる。

<5回>
ドイツ、ブラジル
<4回>
アルゼンチン
<3回>
フランス、オランダ
<2回>
スペイン、イタリア、イングランド
<1回>
ベルギー、コロンビア、コスタリカ、ウルグアイ、ガーナ、パラグアイ、ウクライナ、ポルトガル、アメリカ、韓国、セネガル、トルコ、デンマーク、クロアチア

 5大会すべてで8強入りを果たしたのは、ドイツとブラジルの2カ国のみ。W杯の通算勝利数がトップ2の両国がパーフェクトな成績を残している(だからこそ、今大会のドイツのグループステージ敗退は衝撃的だった)。さらに複数回を記録しているのも、オランダを除けば、すべてW杯優勝経験のある国だ。過去5大会で、ベスト8の枠はトータル「40」。そのうち65パーセントにあたる「26」を強豪国が占めている計算になる。やはり、中堅国以下にとっては“狭き門”と言えるかもしれない。

 ただし、日本代表を勇気づけるデータもある。ベスト8進出が1回限りの残り14カ国のうち、コロンビア、コスタリカ、パラグアイ、ウクライナ、韓国、セネガル、トルコ、デンマークの9カ国にとっては「初の8強入り」だったのだ。前述の40枠のうち22.5パーセントを“新入り”が支配している計算になる。これは悪くない数字だろう。

 さらに過去をさかのぼると、16カ国によるトーナメント方式が採用された1986年大会から、W杯では「初の8強進出チーム」が4年ごとに必ず誕生している。詳細は以下のとおり。

<2014年ブラジル大会>
コロンビア、コスタリカ
<2010年南アフリカ大会>
パラグアイ
<2006年ドイツ大会>
ウクライナ
<2002年日韓大会>
韓国、セネガル、トルコ
<1998年フランス大会>
デンマーク、クロアチア
<1994年アメリカ大会>
ブルガリア、ルーマニア
<1990年イタリア大会>
アイルランド、カメルーン
<1986年メキシコ大会>
ベルギー

 では、今大会はどうか。決勝トーナメントに勝ち上がった16カ国のうち、ベスト8進出の経験をもたないのは、なんと日本だけなのだ。1日にスペインを破ったロシアは、ソビエト連邦時代の1966年イングランド大会で4位という成績を残している。スウェーデンは1994年のアメリカ大会で3位、スイスも過去3度にわたってベスト8進出を果たしている。その他はすべて上記で名前が挙がった国ばかりだ。つまり、今大会で「初の8強進出チーム」となる資格を持つのは日本だけ、ということになる。

 ここまで見ると、期待は膨らむばかりだが、もちろん勝負の世界はそう単純なものではない。

 「W杯ベスト8」について語るとき、サッカーファンの間でよく名前が挙がる国はメキシコだろう。メキシコは過去6大会連続でベスト16敗退。自国開催だった1986年大会以来、30年以上にわたって世界のトップ8に入ったことがない(注:ロシア大会は決勝トーナメント1回戦でブラジルと対戦)。だから、16強と8強の間には高い壁が存在していると考えられている。

 また、日本代表にとって最大の障壁は、「アジアの国」であるということだ。前回のブラジル大会までに、W杯に出場したアジア勢はのべ32カ国。そのうちベスト8に進出したことがあるのは、北朝鮮と韓国の2カ国だけなのだ。しかも韓国が唯一のベスト8進出を果たしたのは、2002年の日韓大会。“自国開催”という大きなアドバンテージがあった。世界のトップ8に上り詰めたのは、1966年のイングランド大会で準々決勝まで勝ち進んだ北朝鮮の1カ国だけと言っても過言ではない。

 もちろん、サッカーの試合には、その他いくつもの要素が絡み合う。そして実際にピッチ上で戦うのは選手たちだ。過去はあくまで過去でしかない。ここからは泣いても笑っても一発勝負の決勝トーナメント。果たして、日本代表は新たな歴史を創ることができるのか。あるいは、再びベスト16の壁に阻まれることになるのか。いずれにせよ、最後まで強い気持ちで戦いを見守りたい。

(記事/Footmedia)

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