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スペインの監督交代劇は「レアルが傲慢だ」…カペッロ氏、古巣を非難

2018.06.19

カペッロ氏(右)がロペテギ監督のスペイン代表指揮官交代劇について語った c

 かつてレアル・マドリードを2度に渡って指揮した名将ファビオ・カペッロ氏が、フットボール界に衝撃を与えたスペイン代表の監督更迭劇について自身の見解を示した。

 2018 FIFAワールドカップ ロシア開幕を翌日に控えた13日、フレン・ロペテギ監督を解任し、フェルナンド・イエロ氏へと指揮官交代を行ったスペイン代表。母国イタリアの『Rai Radio』にてインタビューに応じたカペッロ氏は、RFEF(スペイン・サッカー連盟)に無断でロペテギ監督と交渉したうえ、12日になってW杯後の指揮官就任を発表するという、騒動の引き金となったレアル・マドリードとフロレンティーノ・ペレス会長を非難した。

レアル・マドリードは傲慢だった。代表に断りも入れずに、監督と交渉するなどあり得ない。だが、フロレンティーノ・ペレスがどんな人物かは誰もが知るところだ」

 また、スペイン代表のスポーツ・ディレクターから指揮官へと転身したイエロ監督について質問されたカペッロ氏は、レアル・マドリード時代の教え子を激励しながらも、RFEFの指揮官人事には異を唱えた。

「個人的にはイエロを応援している。私の下でプレーした選手だからね。しかし、ロペテギを解任したのは連盟の過ちだった。代表のことを考えれば(解任)すべきではなかった」

 一方、カペッロ氏からエールを贈られたイエロ監督は、18日の練習後に行われた会見で、想定外の事態に見舞われながらも冷静に対処している選手への信頼を表した。

「私が代表の監督になったのは、突発的な状況によるものだ。自分にとってフレンは友人だ。しかし、過去を振り返るのではなく、未来に目を向けなければならないことは理解している。私の指揮官としてのキャリアは2部でオビエドを率いた1シーズンのみだが、当時のことは誇りに思っている。幸いにも、代表の選手たちは経験と個性を兼ね備えたエリートであり、ピッチ内外で自覚した行動が取れるプロフェッショナルだ。私の頭の中にあるのは勝利だけなので、なるべく長い間トーナメントを戦えるよう、彼らとともに進んでいきたい」

 15日に行われたグループステージ第1戦では、ポルトガル代表との強豪対決で3-3の引き分けに終わったものの、騒動の最中で見せた試合内容が高く評価されたスペイン代表。現役時代はレアル・マドリードでキャプテンシーを発揮したイエロ監督の下、大会後には「ピンチをチャンスに変えた」と振り返ることができるような戦いに期待したい。

文=北村敦

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