2018.06.14

W杯開幕前日に指揮官更迭のスペイン…現地紙も「代表の歴史で最悪の19時間」

フレン・ロペテギ氏
スペイン代表を解任されたフレン・ロペテギ氏 [写真]=Getty Images

 2018 FIFA ワールドカップ ロシア(W杯)開幕を翌日に控えた13日、スペイン代表に大激震が走った。RFEF(スペイン・フットボール連盟)は、フレン・ロペテギ監督を解任したことを発表すると、その数時間後にはスポーツ・ディレクターのフェルナンド・イエロ氏が後任指揮官を務めることを発表した。

 この衝撃の指揮官更迭劇は、レアル・マドリードが前日、先月31日に電撃辞任したジネディーヌ・ジダン監督の後任に、W杯終了をもってロペテギ監督が就任することを突如発表したことに端を発している。RFEFは、先月22日に2020年まで2年間契約を延長したばかりのロペテギ監督の引き抜きを狙うレアル・マドリードが、契約解除のための違約金を支払って招聘する決定を下したことを把握していた。しかし、W杯開幕まで2日というタイミングで発表が行われるのは青天の霹靂で、ルイス・ルビアレス会長が「それを知らせて来たのは発表のわずか5分前だった。また、公表は大会終了後にして欲しいと頼んだが無駄だった」と明かした通り、RFEFは非常識かつ一方的な態度に終始したレアル・マドリードに毅然と対応した格好だ。

 実際、ルビアレス会長は、チームや連盟内部には続投を支持する声もあったロペテギ監督を解任したことについて、「できるならフレンと一緒に進んで行きたかった。しかし、我々にはこのような対応をとるべき責務があった」と述べ、組織としてけじめを付ける苦渋の決断だったことを説明している。

 今回のRFEFの判断は国民から大方の支持を受けており、国内最大の一般紙『エル・パイス』が「レアル・マドリードの指揮官就任発表を受けてロペテギ監督を解任した連盟は正しいか?」とのアンケートを実施したところ、67%の人々が「イエス」と回答している。一方、国内最大のスポーツ紙『マルカ』は、ロペテギ監督のレアル・マドリードの指揮官就任発表からスペイン代表の指揮官解任発表までの混迷を、「代表の歴史における最悪の19時間」と評している。

 スペイン代表のドタバタ劇を喜んでいるのは、W杯で対戦するライバルチームだろう。とりわけ、グループBで首位争いを繰り広げると目されているポルトガル代表にとっては、願ってもないニュースのはずだ。事実、同国を代表するスポーツ紙の『レコルド』は、ユーロ2008でポルトガル代表が見舞われた類似のケースに言及。グループステージで第1戦と第2戦に連勝しながら、直後にルイス・フェリペ・スコラーリ監督の大会終了後のチェルシー入りが発表されると、第3戦および決勝トーナメント1回戦に連敗して大会から姿を消したのと同様の負の連鎖が、スペイン代表にも起こり得るとの希望的推測を行っている。

文=北村敦

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