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W杯メンバー選考に残った10代選手は? 新たな“ワンダーボーイ”候補を探る

2018.05.19

W杯メンバー選考に残った10代選手たち [写真]=Getty Images

 2018 FIFAワールドカップ ロシアの開幕まで1カ月を切った。国際サッカー連盟(FIFA)への予備登録35名の提出は今月14日までに締め切られ、連日のように各国代表メンバーが明らかになっている。日本サッカー協会(JFA)も18日、今月30日に行われるキリンチャレンジカップ2018のガーナ戦に臨む日本代表メンバー27名を発表した。

 最終メンバーの提出期限は6月4日。これから最後のサバイバルレースが行われるが、世界には10代にしてメンバー入りを果たした選手も少なくない。そこで今回は、狭き門を勝ち抜いたヤングスターたちを紹介する。この中から新たな“ワンダーボーイ”が誕生するのか、注目だ。

*日本時間18日正午までに発表されている各国代表メンバーのうち、10代の選手をリストアップ。
*メンバー非公表の代表チームは、サウジアラビア、スペイン、セルビア、スイス、ベルギーの5カ国。

写真=ゲッティイメージズ

■キリアン・ムバッペ(フランス代表)

キリアン・ムバッペ

生年月日:1998年12月20日(19歳)
所属クラブ:パリ・サンジェルマン(フランス)
ポジション:FW
A代表での成績:12試合・3得点

 今回選出された10代の選手の中で「最大のスター」と言って過言ではない。パリ・サンジェルマンでは、ブラジル代表FWネイマールやウルグアイ代表FWエディンソン・カバーニと共に3トップを形成。すでに十分な実績を残す先輩たちに劣らぬ輝きを放っている。今シーズンのリーグ戦はここまで13ゴールを記録。昨シーズンの15ゴールには及ばないが、欧州5大リーグでプレーする10代選手としてはトップの数字だ。フランス代表では昨年3月のデビュー以来、すでに12試合に出場して3ゴールをマーク。そのうちの2ゴールは、今年3月に行われた開催国ロシアとのアウェイゲームで決めたものだった。本大会の主役候補の一人であり、本番での活躍に注目が集まる。

■トレント・アレクサンダー・アーノルド(イングランド代表)

トレント・アレクサンダー・アーノルド

生年月日:1998年10月7日(19歳)
所属クラブ:リヴァプール(イングランド)
ポジション:DF
A代表での成績:0試合・0得点

 リヴァプール生まれ、リヴァプール育ちの「スカウサー(リヴァプール出身の人)」。6歳でリヴァプールのアカデミーに入団すると、2016年10月に18歳でトップチームデビューを飾った。ユルゲン・クロップ監督のお気に入りの一人で、今シーズン途中から右サイドバックのレギュラーを獲得すると、プレミアリーグでは19試合に出場して1ゴールを記録。チャンピオンズリーグでも、マンチェスター・Cとの準々決勝でドイツ代表FWレロイ・サネを完璧に封じ込め、さらに株を上げた。U-16からイングランド代表の常連という“エリート”だが、A代表未経験のままロシアW杯のメンバー入り。すでに23名枠に入ったため、W杯デビューが期待される。

■セバスティアン・シマンスキ(ポーランド代表)

セバスティアン・シマンスキ

生年月日:1999年5月10日(19歳)
所属クラブ:レギア・ワルシャワ(ポーランド)
ポジション:MF
A代表での成績:0試合・0得点

 U-15から代表メンバーに名を連ねるなど、ポーランドで早くから注目されてきた逸材だ。2013年に国内の強豪レギア・ワルシャワの下部組織に入団すると、2016年7月にトップチームでデビュー。今シーズンはここまで、ポーランドリーグで20試合に出場して4ゴールを記録している。トップ下を主戦場とするレフティーで、高速ドリブルやスルーパスで相手を翻弄するだけでなく、強烈なシュートで自ら得点を挙げることもできるのが特長だ。身長は174cmと、大柄な選手が揃うポーランドのなかでは小さな部類に入る。ただ飛び級でW杯予備登録メンバー入りを果たしたように、才能はA代表レベル。最終メンバーに残った場合には、日本戦でプレーする可能性があるかもしれない。

■フェデリコ・バルベルデ(ウルグアイ代表)

フェデリコ・バルベルデ

生年月日:1998年7月22日(19歳)
所属クラブ:デポルティーボ(スペイン)  *レアル・マドリードからのレンタル
ポジション:MF
A代表での成績:4試合・1得点

 FIFA U−20ワールドカップ韓国2017でウルグアイを4位に導き、自身もシルバーボールを受賞。グループリーグの日本戦に出場したのを記憶している人もいるかもしれない。圧巻だったのは、昨年9月のA代表デビュー戦だ。パラグアイとの南米予選で先発に抜擢されると、先制点を決めて2-1の勝利に貢献。たちまち“ニューヒーロー”となり、本大会でもスタメンの有力候補となっている。本職はボランチで、18歳のときにウルグアイのペニャロールからレアル・マドリードへ移籍。今シーズンは、レンタル先のデポルティーボでリーグ戦24試合に出場している。

■アクラフ・ハキミ(モロッコ代表)

アクラフ・ハキミ

生年月日:1998年11月4日(19歳)
所属クラブ:レアル・マドリード(スペイン)
ポジション:DF
A代表での成績:7試合・1得点

 8歳のときにレアル・マドリードの下部組織に入団。順調にステップアップを遂げると、昨年10月のエスパニョール戦でトップチームデビューを飾った。それ以上のスピード出世を果たしたのが、モロッコ代表だった。ハキミの出身はスペインのヘタフェだが、両親がモロッコにルーツを持つためにモロッコ代表を選択。すると2016年10月、弱冠17歳でA代表デビューを飾り、同年のモロッコ若手最優秀選手に輝いた。今回のアフリカ最終予選では4試合に出場。本職は右サイドバックだが、代表ではチーム事情により左サイドバックを務めている。ロシアW杯では奇しくもスペインと同グループであり、レアルで同ポジションのDFダニエル・カルバハルと対峙する場面もありそうだ。

■ムサ・ワゲ(セネガル代表)

ムサ・ワゲ

生年月日:1998年10月4日(19歳)
所属クラブ:オイペン(ベルギー)
ポジション:DF
A代表での成績:8試合・0得点

 カタールの育成組織「アスパイア・アカデミー」の出身で、現在はFW豊川雄太の所属するオイペンでプレー。同クラブから初めてW杯のメンバー入りを果たした選手になる。昨シーズン後半から右サイドバックのレギュラーを獲得すると、今シーズンは不動の地位を確立。チームの1部残留に貢献した。2015年には、ニュージーランドで開催されたU-20ワールドカップに出場。主力として4位入りを経験している。A代表デビューは昨年3月のナイジェリア戦。今回のアフリカ最終予選では4試合に出場した。W杯本番に向けて、アランヤスポルに所属するDFラミーヌ・ガサマと定位置を争っている状況だ。

■フランシス・ウゾホ(ナイジェリア代表)

フランシス・ウゾホ

生年月日:1998年10月28日(19歳)
所属クラブ:デポルティーボ(スペイン)
ポジション:GK
A代表での成績:3試合・0得点

 ワゲと同じく「アスパイア・アカデミー」の出身で、当初はフォワードだったそうだ。しかし、「動きが遅い」としてGKへ転向。これが英断だった。2013年には、14歳でU-17ワールドカップの代表メンバー入り。その3年後にバルセロナで行われた大会で好パフォーマンスを披露すると、デポルティーボとの契約を締結した。すると、昨年10月に行われたエイバル戦でリーガ・エスパニョーラ初出場。18歳と352日でのリーガデビューは、外国人GKとしての最年少記録だった。さらに1カ月後に行われたアルゼンチンとの国際親善試合でA代表デビューを果たすと、今年3月の2試合ではいずれもフル出場。1カ月後には、正GKとしてナイジェリア代表のゴールを守っているかもしれない。

■ダニエル・アルザーニ(オーストラリア代表)

ダニエル・アルザーニ

生年月日:1999年1月4日(19歳)
所属クラブ:メルボルン・シティ(オーストラリア)
ポジション:FW
A代表での成績:0試合・0得点

 オーストラリアで今、最も期待されている若手選手の一人。実は両親がイラン人で、アルザーニもイラン生まれ。ただ、幼少期にオーストラリアへ移住したことが人生の転機となった。2016年8月にメルボルン・シティでトップチームデビューを果たすと、今年に入って大ブレイクを遂げる。1月にオーストラリア・Aリーグで初得点を挙げると、同月の月間MVPを受賞。さらに、2017-18シーズンの年間最優秀若手選手賞に輝いただけでなく、年間ベストイレブンの“控え枠”にも選出された。その活躍ぶりが認められて、W杯の予備登録メンバー入り。“シンデレラボーイ”となった天才アタッカーの武器はドリブルで、ロシア行きの切符を勝ち取った際には攻撃の切り札としての活躍が期待される。

■アダルベルト・カラスキージャ(パナマ代表)

生年月日:1998年11月28日(19歳)
所属クラブ:タウロFC(パナマ)
ポジション:MF
A代表での成績:1試合・0得点

 1978年のアルゼンチン大会で初めてW杯予選に参加して以降、40年越しの本大会出場を掴んだパナマ代表。初の大舞台を前に2人の10代選手を予備登録メンバーに選出した。そのうちの一人がカラスキージャだ。身長は170cm前後と小柄ながら、優れた戦術眼と正確なパスを武器に中盤の底からゲームを構築。攻撃の組み立てを司る司令塔タイプである。今年4月に行われたトリニダード・トバゴとの国際親善試合でA代表デビューを飾ったばかりだが、U-17では代表キャプテンを務めていた。パナマの次代を担う選手であるのは間違いない。

■ホセ・ルイス・ロドリゲス(パナマ代表)

生年月日:1998年6月19日(19歳)
所属クラブ:ヘント(ベルギー)
ポジション:MF
A代表での成績:0試合・0得点

 カラスキージャに比べると、よりゴールに絡むプレーを得意とする。2016年夏にパナマのチョリージョからFW久保裕也が所属するヘントのリザーブチームにレンタル移籍を果たすと、半年後に完全移籍を締結。2020年までという長期契約が期待の大きさを物語っている。A代表出場歴はなく最終メンバーへの生き残りは非常に厳しい状況だが、“ロシア後”に主軸となることが期待される選手だ。

(記事/Footmedia)

By Footmedia

「フットボール」と「メディア」ふたつの要素を併せ持つプロフェッショナル集団を目指し集まったグループ。

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