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【現地記者に聞く】ポーランドの“リアル”なW杯展望、日本や自国の評価は?

2018.04.03

ポーランド人記者が語るW杯展望とは? [写真]=Getty Images

 6月に開幕を迎えるロシア・ワールドカップで、ポーランド代表は日本、セネガル、コロンビアと対戦することが決っている。ポーランド国内は、このグループHをどのように見ているのだろうか。3月のナイジェリア戦と韓国戦の現地取材の際に、ポーランド人記者に話を聞いた。

 ポーランド代表の番記者を15年以上務め、イギリス誌『ワールドサッカー』などに寄稿するダリュシュ・クロブスキ記者は、これまで5度のW杯を取材した経験から次のようにW杯を展望する。「実際の情報がそろわないと予想は難しいが、最も拮抗したグループだと思う。各試合の結果だけじゃなく、グループの順位を予想するのも非常に難しいところだ」

長年代表を追うクロブスキ記者は同国のレジェンドGKデュデク氏の自叙伝にも携わった

 一方、ラジオ局『TOK FM』のプシェミスワフ・ポゾフスキ記者は、世間とメディアの意見の違いを明かした。「世間の人たちは最も突破の可能性があるグループだと見ている。だが、専門家やジャーナリストは、とても拮抗したグループだと強調しているよ」。ただし、その中でも各国の評価には序列があるようだ。「コロンビアが本命と見られている。ポーランドにとってはセネガルと日本がライバルだ。日本は規律や組織力があり、野心的なチームだ。グループHのダークホースになり得る存在だね」

長年ラジオ記者を務めるポゾフスキ記者

 韓国戦後には、より“リアル”な展望も聞けた。話を聞いた記者2人が我々を韓国メディアの取材と勘違いしたからだ。大手ウェブメディア『Wirtualna Polska』のミハウ・コウオジエイチック記者は率直にこう話した。「抽選結果を見ると、グループリーグはタフなものになると思ったね。ポーランドはポッド1だったが、最も強いチームはコロンビアだろう。彼らはフランス戦での逆転勝利によって本命であることを証明した」

大手ウェブメディアのスポーツ部門で編集長を務めるコウオジエイチック記者

 各対戦についてもさらりと展望した。「日本には勝てるだろうが、コロンビアには負けるかもしれない。初戦のセネガル戦は2位争いを左右する重要な試合になると思う」。彼は1位・コロンビア、2位・ポーランド、3位・セネガル、4位・日本と予想しているようだ。ただし、慎重な姿勢は崩さなかった。「違った結果になる可能性もある。コロンビアに勝って、日本やセネガルに負けるかもしれない。それは誰にもわからないよ」

 ラジオ局『Zapinamypasy.pl』のマテウシュ・リゲウザ記者は、条件付きながらポーランドの3連勝を予想する。「(ロベルト)レヴァンドフスキ(カミル)グリクら主力選手にケガがなく、いいコンディションで臨めれば、コロンビア、日本、セネガルに勝ってグループリーグを突破できるだろう」

スポーツラジオ局のリゲウザ記者

 ポーランドは現在、サイドアタッカーのヤクブ・ブワシュチコフスキが背中の負傷で昨年11月から離脱中。ストライカーのアルカディウシュ・ミリクも3月に右ひざじん帯損傷の大ケガから復帰したばかりだ。現地記者は口をそろえて、主力選手のコンディション不良やケガを問題視している。コウオジエイチック記者も次のように語った。

「もし、レヴァンドフスキがこの夏にレアル・マドリードに移籍するようなことになれば、W杯に集中できないかもしれない。ブワシュチコフスキはケガで数カ月間プレーしていないが、大会に間に合うことを祈っている。なぜなら彼はレヴァンドフスキに次ぐベストプレイヤーで、いるといないでは大きく違うからね」

 我々が日本のメディアだと知ると、リゲウザ記者は改めてこう語った。「彼ら(日本代表)はサムライだから気をつけないとね(笑)。今回のグループは各大陸のチームがそろっていて難しいよ。日本にはいい選手がいる。例えばメキシコでプレーしているケイスケ・ホンダだ。ヨーロッパにも何人かキープレイヤーがいるし、強いチームであることはわかっている。日本に勝てることを願っているよ」

取材・文=湊昂大

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