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48カ国出場でW杯はどう変わる? アジア枠は増加へ…GSでは引き分け廃止も

2017.01.11

ワールドカップの出場国が48カ国に増加することが発表された。 [写真]=FIFA via Getty Images

 FIFA(国際サッカー連盟)は10日、2026年のワールドカップから出場枠を48カ国に拡大することを発表した。これにより、2022年のカタール大会が現行の32カ国体制で臨む最後のW杯となる。今回はどのようなルール変更があるのか、それによりどのような影響が想定されるかを紹介する。

■出場枠

 本大会について説明する前に、一番大きく変わる出場枠について触れたい。現時点では正式に決定していないが、各メディアの予想は概ね以下のようになっている。

▼ホスト国

出場枠:1
※変更なし

▼ヨーロッパ

出場枠:16
※ロシア大会は「14」

▼南米

出場枠:6
※ロシア大会は「4.5」

▼北中米カリブ海

出場枠:6.5
※ロシア大会は「3.5」

▼アフリカ

出場枠:9
※ロシア大会は「5」

▼アジア

出場枠:8.5
※ロシア大会は「4.5」

▼オセアニア

出場枠:1
※ロシア大会は「0.5」

 ジャンニ・インファンティーノ会長が「現在のフットボールはヨーロッパや南米以上のものでグローバルなもの」と語るとおり、ヨーロッパや南米よりもアジアやアフリカなどの地域に多くの出場枠が与えられる模様だ。これにより、各大陸のW杯予選方式も大きく変更されるだろう。

■大会方式

 本大会は現行方式と同様にグループステージとノックアウトステージ(決勝トーナメント)が行われる。グループステージは3カ国ずつの16グループに分けられ、各グループ上位2カ国、計32カ国がノックアウト方式の決勝トーナメントへ進出する。アルファベットで分けられることになれば、「グループM」や「グループP」など、聞きなれないグループ名が誕生しそうだ。

■試合数

 16チーム増加することで総試合数は64試合から80試合に増えるものの、1チームの最多試合数は7試合のまま変わらず、大会期間も現行の32日間で開催可能だという。一方、グループステージの試合数が3試合から2試合に減ることで、敗退するチームはわずか2試合で大会を去らなければならない。

■日程の有利、不利

 グループステージが3チームによる総当りになるため、各節毎に試合のないチームが発生してしまう。短期決戦のW杯において、連戦を強いられるチームは不利になりがちだ。また、「引き分け以上で両チームの突破が決まる」場合など、日程による有利不利が生まれる可能性がある。

■引き分け廃止の可能性も

 現行方式のグループステージでは、「勝ち」で3ポイント、「引き分け」で1ポイントが与えられ、「負け」の場合はポイントを得ることができない。前述のとおり、「引き分け」によって“談合試合”が生まれることも想定されるため、引き分けの場合はPK戦の導入やFIFAランキングを参考にする可能性もあるようだ。

■1試合の重み

 グループステージが各チーム2試合になることで、初戦の重要性が増すことになる。勝てば決勝トーナメント進出に大きく近づく(※編集部注:1勝1敗で3チームが並び、得失点差で劣る場合のみ敗退)一方で、敗れた場合は自力での突破が難しくなる。

 また、これまで見受けられた「グループステージ第3戦で突破を決めたチームが、決勝トーナメントを見据えてメンバーを落とす」ことがなくなる。決勝トーナメント進出を決めたチームにとっては、3試合目からは早くも「負けたら終わり」のノックアウトステージとなるため、1試合1試合の重みが増すことが予想される。

■その他

・大会参加選手数(32カ国→48カ国)
736人→1,104人

・48カ国制最初の大会となる2026年大会の開催国にはアメリカ、メキシコ、カナダが立候補している。

 2016年にフランスで開催された「ユーロ2016」では出場国が「16」から「24」に増えたことで大会のレベル低下が指摘されたが、一方でこれまでメジャートーナメントに縁がなかった国々では大きな盛り上がりを見せた。今回の出場国増加がどのような影響を与えるのか。サッカー界が大きな転換期を迎えようとしているかもしれない。

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