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今回のブラジルセレソンのブラジル国内での驚くべき評価

2014.06.23

6月21日(土)夜、カメルーン戦にそなえてブラジリアに到着したネイマールをはじめとするセレソン・ブラジレイラ [写真]=Rafael Ribeiro/CBF

 今回のW杯、ブラジルに来て初めて肌で感じることがいくつかあるが、そのひとつが、ブラジル国内でのブラジルセレソンに対する評価である。

 日本では、ブラジルを優勝候補の筆頭に挙げる人が多いようだが、現地ブラジルではちょっと違っているようだ。

 ここまで、ブラジルセレソンは1次リーグの試合を2つ終えている。

 初戦のクロアチア戦は、あの西村さんの疑惑のPKが与えられた試合だ。試合は勝つには勝ったが、内容的に決していいとは言えないだろう。翌日の話題は、ゴールを決めたネイマール、オスカールはよかったとされていたが、それ以上に主審の西村さんがクローズアップされた感じだ。

 そして、2戦目のメキシコ戦。攻めに攻めるが、GKオチョアの好セーブに遭い結局最後までゴールを奪うことができず、スコアレスドローに終わってしまった。

 この試合の後、ブラジルでは早くもブラジルセレソンに対して、あきらめムード、しらけムードが漂い始めている。

 だいたいブラジル人男性はサッカーが好きである。男性ドライバーが多いタクシーもまた情報の宝庫である。私は、今回のブラジル滞在中、タクシーを利用する際には必ずと言っていいほどタクシー運転手とサッカーの話をしている。そこで必ず、今回のセレソンブラジレイラはどうか? と聞くことにしている。そのほとんどが今回は難しいね、というものだ。

 今までのセレソンには、ホナウド(ロナウド)やホナウジーニョ(ロナウジーニョ)、ホベルト・カルロス(ロべカル)、そして控えメンバーもクラッキ、大物ばかりだった。しかし今回、クラッキはネイマールしかいない、それでは難しいだろう、というものだ。

 前2回の大会とは決定的に違う感じを受けてしまう。

 ではどこが優勝すると思うか、と聞くと、だいたいが、オランダ、ドイツを挙げる。その次がアルゼンチンだ。

 よっぽど1次リーグ初戦のゴレアード(大量得点)が印象に強いのだろう。

 そんな雰囲気なので、けっこう私は現地でセレソンのシャツを着て歩いていたが、なんとなく大手を振って歩けない感覚に陥ってしまう。

 通常のW杯では、街中いたるところで、ブラジル国旗が掲げられ、住宅街の路地には、路上にもブラジル国旗を書いたり、W杯にまつわることが書かれていたりしていた。

 しかし、今回、ブラジル国旗はけっこう掲げられているが、路上に書かれているところは目にすることができなかった。現地の知人に聞いても、今回は見ていないし、あったとしてもとても少ないだろう、と言っている。

 デモの影響も少なからずあるのかもしれない。しかし、いろいろな人に聞いたが、デモについては、一般の人にとってはあまり関係ないようだ。

 しかし、そうは言っても、ブラジル国民にとってブラジルセレソンは勝ってほしい存在であることは間違いない。こんな感じでも、徐々にピークに持っていくのがブラジルセレソンだろう。

 やはり、私は、今回のW杯は地元開催だし、応援しているネイマールもエースとして出ているので、ブラジルに優勝してほしいし、それができると思うのである。

(記事/MEGA BRASIL、文/コウトク)

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