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国内のW杯反対論やデモについてブラジル大統領「暴力を望まない」

2014.06.05

会見を行ったブラジルのジウマ・ルセフ大統領(中央)  [写真]=FIFA via Getty Images

 ワールドカップ開幕が間近に迫っているブラジルで開催を反対する論調やデモが多発している件について、ブラジルのジウマ・ルセフ大統領が会見の席で現状を説明した。ブラジルのスポーツメディア『terra』が伝えている。

 ブラジルではワールドカップの開催に際して多額の税金が投入されていることに、一部の市民が強い反発を示して各地で抗議やデモが行われている。諸外国の報道陣が集まった記者会見の席で、ジウマ大統領は次のように述べた。

「大多数の国民は暴力を望みません。デモはまだしも、警察のストライキに乗じて略奪などをしている人々は、世間から軽蔑されることを想像してやめるべきです。ただ抗議やデモについては封じ込めるつもりはありません。ブラジルは表現の自由が認められている国です。抗議は民主主義国家の証であり、デモは活発な社会運動の結果です」

 次に大統領は多額の税金が使われていることに対する民衆の批判について、次のように説明した。

「ワールドカップのために多額の税金が使われていることは否定しませんが、大会を成功させることで得られる経済効果は税金の支出を大きく上回る試算が出ています。そしてワールドカップを成功させれば国の価値も高まり、それが最終的にはすべてのブラジル国民に還元されるでしょう。ブラジル人の大多数はワールドカップを楽しみにしていて、すでに経済効果は目に見える形で出ています」

 実際に行われた国内市場調査によると、先週の7日間におけるテレビの販売数は前年の49%増という調査結果が出ている。ジウマ大統領の主張は嘘ではないが、反発する国民がこのような説明に納得するのかという疑念の声もある。

 アトレチコ・ミネイロの大ファンでFWジョ-らの活躍を楽しみにしているというジウマ大統領は、「私はブラジルが優勝すると期待しています」と述べて会見を締めくくった。

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