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「息子は私に似て…」「C・ロナウド移籍の影響はない!」/P・クライファートに聞いたラ・リーガの魅力やアレコレ

2019.02.26

ドバイにて、インタビューに応じてくれたクライファート

 アヤックス下部組織出身の仲間たちとともに若くして、デビューシーズンでチャンピオンズリーグを制するなど、華やかなキャリアを送ったパトリック・クライファート。

 現役を退いて約11年、42歳となった現在はカメルーン代表のアシスタントコーチを務めつつ、バルセロナで活躍した縁もあってラ・リーガのアンバサダーも務めている。アジアカップ期間中、アンバサダー活動の一環としてドバイに滞在しているとのことで、数分間ではあったがインタビューする機会に恵まれたので、クライファートの元を訪れ、古巣についてやプロ選手として父親と同じ道を歩んでいる息子についてなどを聞いた。

インタビュー=小松春生

■指導者としての喜びは“選手の成長が見られること”

現在は“盟友”セードルフ(右)とともに、カメルーン代表を率いている [写真]=Soccrates/Getty Images

―――まず改めて、現在の活動から聞かせてください。

 今はカメルーン代表のアシスタントコーチをしているよ。(2019年6月開催の)アフリカネイションズカップで、チームが上位に進めるように取り組んでいる。カメルーン代表はいいチームだ。強くて、スピードのある選手がそろっているからね。

―――カメルーン代表の近年の成績についてはいかがですか?

 我々は現アフリカ王者だ。エジプトでの大会に向けて、今、予選を戦えていることが嬉しいし、本大会に出られるよう頑張るよ。(楽しんでいますか?)もちろん!クラレンス・セードルフ(現カメルーン代表監督)と、とてもいい仕事ができているね。

―――チームを指揮、指導する上で一番楽しさ、喜びを感じることはなんでしょう。

 選手をさらに成長させることかな。レベルの高いところでプレーした経験を持つ人間であれば、その経験を簡単に教えることができ、選手たちも成長ができる。それがいいポイントだよ。(親のような気持ちにも?)そうだね、“教育”しているよ。

―――ここからはラ・リーガのお話を。どういったリーグと表現できますか?

 間違いなく世界最高のリーグだね。この10年、チャンピオンズリーグとヨーロッパリーグで優勝したチームを見ればわかる。ほぼスペインのチームだ(スペイン勢は過去10年でCLを7回、ELを6回制覇)。私にとってもラ・リーガは魅力的で、観ていて楽しいし、特にプレーするには素晴らしいリーグだよ。

―――あなたも以前在籍したバルセロナですが、今シーズンの印象はいかがですか?

 ラ・リーガ、コパ・デル・レイ、CLとすべての大会でよくやっているね。今、ラ・リーガでは首位を走っているし、コパでは準決勝に進み、CLは決勝トーナメントに進んでいる。順調だ。どの大会でも勝ち進んでいるから嬉しいし、満足しているよ。

―――現チームでのお気に入りの選手は誰ですか?

 もちろんメッシだよ! メッシは誰もが好きな選手の一人だ。バルセロナのために彼がどれだけゴールやアシストを決めてきたか。年を追うごとに素晴らしいし、とてもポジティブなことだね。

■ラ・リーガはラ・リーガ。C・ロナウドがいなくなっても影響はない

リオネル・メッシ

お気に入りはもちろんメッシ [写真]=Raddad Jebarah/NurPhoto via Getty Images

―――バルセロナはメッシに依存し過ぎているという意見もあります。

 メッシ依存から脱却するのはとても難しい。それは彼のプレーのクオリティの高さを意味している。彼も自分に自信を持っているし、それが彼のスタイルだよ。

―――以前に比べ、トップチームで活躍するカンテラ出身選手が減少傾向にある点はいかがでしょう。

 カンテラ自体は変わることはないよ。それが常にバルセロナのやり方だ。もちろん、経験のある選手を買う必要も出てくる。ただ、若い選手が活躍できるチャンスもあるから大丈夫だろう。

―――クリスティアーノ・ロナウドがイタリアへ渡ったことが、ラ・リーガに影響を与えていると感じることは?

 それはないね。クリスティアーノはラ・リーガで素晴らしいシーズンを過ごし、約10年間、ベストなフットボールをしていた。でも、彼が去ったことがラ・リーガに影響を及ぼすことはないだろう。今は他の選手が活躍し、他のチームのクオリティも上がっていて、新しい選手も入ってきている。ラ・リーガとは常にラ・リーガであり、魅力的なサッカーを見せてくれる場所だ。

■息子は私に似て、素晴らしい人間だよ!(笑)

アヤックスで同僚だった、現在はローマ在籍の息子ジャスティン(左)と、来夏にバルセロナへ加入するフレンキー(右) [写真]=Cees van Hoogdalem/Soccrates/Getty Images

―――バルセロナに来シーズンから、同郷のオランダ人であなたと同じアヤックス出身である選手が加入します。フレンキー・デ・ヨングについてはいかがでしょう。

 フレンキーは素晴らしい選手だ。彼のことは3年前からよく知っているし、私の息子であるジャスティンともユース時代からともにプレーしていた。当時から彼はバルセロナでプレーできる素質を見せていたよ。非常に良いミッドフィルダーだ。彼はボールを持っていてもスピードがあり、パス能力も高い。パスを受ける前から次に出す場所を把握している。彼のような選手はバルセロナでもフィットするだろうね。

―――今、息子さんの名前も出ました。ジャスティン・クライファート(ローマ所属)について、サッカー選手として、どう見ていますか?

 敏捷性が高く、テクニックも優れている。ただ、もっとゴールを決めないといけない。もっとプレーしていけば自信がつき、ゴールを決める機会も増えるだろう。彼のプレースタイルはスピードがあって、とてもいいよ。

―――一人の人間としては、どうですか?

 父親そっくりで、素晴らしいよ(笑)。(あなたの教育が良いからですね)もちろん!(笑)

―――ラ・リーガで活躍したアンドレス・イニエスタやフェルナンド・トーレス、ダビド・ビジャがJリーグでプレーするようになり、日本人選手もラ・リーガでプレーし、注目度が高まっています。ラ・リーガの一番のアピールポイントは何でしょう?

 ラ・リーガは最高のリーグだ。ラ・リーガでプレーしていた選手が日本に来て、人気のある日本人選手がラ・リーガでプレーしている。それは、日本とスペイン、お互いのビジョンを得るのに重要なことだ。そして、ベストのリーグでプレーすることは、日本人選手たちにとっても、自身を売り込むために良いことでもあるんだ。

―――最後に、日本のあなたのファンへメッセージをお願いします。

 アリガト、ジャポン!アイラブユー!またすぐにお会いしましょう!アリガト!

By 小松春生

Web『サッカーキング』編集長

1984年東京都生まれ。2012年よりWeb『サッカーキング』で編集者として勤務。2019年7月よりWeb『サッカーキング』編集長に就任。イギリスと⚽️サッカーと🎤音楽と🤼‍♂️プロレスが好き

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