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「美しく勝利せよ」…現代フットボールの創始者・クライフ氏の名言集

2016.03.28

数々の名言を残してきた現代フットボールの創始者・クライフ氏 [写真]=VI Images via Getty Images

 選手としても監督としても超一流の実績を残した当代きっての大御所として、厳しさと温かさをもってフットボール界を見守り続けながら、68歳の若さで生涯を閉じたヨハン・クライフ氏。その圧倒的な存在感を一段と際立たせたのは、個性的かつ印象的な数々の名言だろう。

「私は元選手であり、元監督であり、元スポーツ・ディレクターであり、元ゼネラル・マネージャーであり、元名誉会長だ。この美しいリストは、全ての物事に終わりがあるということも示している」

 生前、自身のキャリアをこう表現していたクライフ氏は、フットボールというスポーツも含蓄に富んだ言葉で定義している。

「フットボールは極めて単純なゲームだ。相手よりも1点多く決めれば勝つ」

「フットボールは頭でプレーするスポーツだ。足はそれを助けるためにある」

「フットボールをするのはとてもシンプルだ。しかし、シンプルにフットボールをするのはこの世で最も難しい」

「美しく勝利せよ」に代表される標語でフットボールに革命をもたらしたクライフ氏だが、その確固たるプレー哲学にまつわる名台詞は枚挙にいとまがない。

「フットボールは常に魅力的かつ攻撃的にプレーし、スペクタクルでなければならない」

「ゴールを決めるためには、シュートを打たなければならない」

「ボールを持て。ボールは1つしかない。常にボールを持てば、ディフェンスをする必要はない」

「ボールを持っているならば、できる限りピッチを広げなければならない。一方、ボールを持っていないならば、できる限りピッチを狭めなければならない」

「自分が走る必要はない。ボールを走らせろ」

「ボールを扱う時、ワンタッチでプレーできれば素晴らしい。ツータッチもまずまずだ。しかし、スリータッチでは駄目だ」

「スピードはしばし判断力と混同されている。私は他の選手よりも早く走り始めるので、速く見える」

「的確なポジショニングを、的確なタイミングで取らなければならない。早くても遅くても駄目だ」

「私のチームでは、ゴールキーパーがファースト・アタッカーで、ストライカーがファースト・ディフェンダーだ」

「選手はあらゆるポジションでプレーできるべきだと、私は考えている。だからこそ、全選手が戦術に関する説明をくまなく聞くことが重要だ。たとえ左ウィンガーであっても右サイドバックの話だからといって寝ていてはならない」

 クライフ氏はその一方で、理想主義者と現実主義者の両面を併せ持つ姿もたびたび披露している。

「結果が伴わないクオリティは無意味だ。しかし、クオリティが伴わない結果は退屈だ」

「私は1-0よりも5-4で勝つことを望む」

「もし勝てないなら、負けないよう確実に戦うのだ」

「私は信心深くない。スペインでは22人の選手全員がピッチに入る前に十字を切っているが、もしそれが叶うのならば試合は常にドローで終わることだろう」

 現役時代はピッチ上のリーダーとして選手をまとめ上げたクライフ氏は、指導者時代もモチベーターとして巧みにチームの士気を鼓舞した。とりわけ、バルセロナがクラブ初のヨーロッパ王者に輝いたUEFAチャンピオンズカップ決勝のサンプドリア戦の試合前、歴史的な一戦を控えて緊張する選手達に掛けた一言は抜群の効果を示したという。

「ピッチに入る時はスタンドを見よ。全てが君たちのために用意されたものだ。さぁ、ピッチで思う存分楽しんでこい」

 一方、強烈な自負心や自尊心を持つクライフ氏は、時にピッチ上で対戦相手とトラッシュトークを繰り広げた。レアル・マドリードで選手、監督、ゼネラル・マネージャーを務めた元アルゼンチン代表のホルヘ・バルダーノ氏も、アラベス在籍時にバルセロナと対戦した際、8歳年上のクライフ氏に猛抗議した時の会話を回想している。

「君は何という名前だ?」
「ホルヘ・バルダーノ」
「歳はいくつだ?」
「20歳」
「君は言葉遣いが分かっていないようだ。ハタチの若造ならば、ヨハン・クライフ様には敬語を使わなければならない」

 フットボール界において、14番を平凡な背番号から特別な背番号へと変貌させたクライフ氏。近年は元フランス代表FWのティエリ・アンリ氏、現在は元スペイン代表MFのシャビ・アロンソなど、世界の一流選手も好んで着けているこの背番号に新たな価値が吹き込まれた背景には、こんな逸話も残されている。

「9番はディ・ステファノ、10番はペレ。自分がそんな番号を着けたら紛らわしいだけだ。私は14番を“クライフの背番号”にする」

By WOWOW

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