2019.01.04

【コラム】35歳クアリャレッラが止まらない! ゴール量産でアッズーリ復帰の可能性も

クアリャレッラ
ゴール量産中のクアリャレッラ。1月中には36歳の誕生日を迎える [写真]=Getty Images
1998年にローマに語学留学し、同市内のアマチュアクラブ、ロムーレアの練習に参加。カルチョだけでなく全てのアッズーリをこよなく愛し、日伊協会会報誌『CRONACA』では、イタリアに特化したスポーツ記事を連載中。2017年11月『使えるイタリア語単語3700(ベレ出版)』を共同執筆。イタリア語検定協会事務局員。

 サンプドリアのファビオ・クアリャレッラの勢いが止まらない。

 12月29日に行われた前半戦の最終戦、ユヴェントス戦でPKを沈めて、これで今シーズンは18試合の出場で12得点。得点ランキングでは14得点のトップスコアラー、クリスティアーノ・ロナウド(ユヴェントス)、13得点で2位のクリシュトフ・ピョンテク(ジェノア)に次ぐ3位。PK からのゴールはC・ロナウドが4得点、ピョンテクが2得点だが、クアリアレッラはユーヴェ戦の1得点だけだ。イタリア人選手の中では、10得点のチーロ・インモービレ(ラツィオ)、9得点のフランチェスコ・カプート(エンポリ)を抑えて堂々の1位と、1月31日には36歳の誕生日を迎える中で、まさに第二の青春を謳歌している。

 第10節のミラン戦から9試合連続ゴールを達成(第12節ローマ戦は欠場)。2005-06シーズンに成し遂げたダヴィド・トレゼゲ(当時ユヴェントス)の記録に並び、1994-95シーズンに樹立されたガブリエル・バティストゥータ(当時フィオレンティーナ)の11試合連続ゴールにあと「2」と迫っている。

 セリエA通算得点記録も139得点まで伸ばし、現役選手最多の33位。ヴィンチェンツォ・モンテッラには2得点差、クリスティアン・ヴィエリには3得点差と射程距離圏に肉薄している。ゴールだけではなく、アシストも今シーズンはこれまでに5を記録し、チームへの貢献度は計り知れない。

 マルコ・ジャンパオロ監督は「我々のC・ロナウドであり、世界遺産」と活躍に賛辞を送り、また、カルロ・オスティSD(スポーツディレクター)もチームへの貢献を高く評価している。「クアリャレッラは、ジェノヴァを灯すランテルナ(ジェノヴァの街を象徴する一つの灯台)のように、サンプドリアを輝かしている。とりわけ、彼の素晴らしい精神的気質を強調しなければならない。若手の成長のために手を差し伸べてくれている」。クアリアレッラの活躍もあってサンプドリアは前半戦を終えて7位。ヨーロッパリーグ出場権獲得を十分に狙える位置につけている。ゴールを量産しているが、独りよがりのプレーは見せていない。あくまでもチームのために戦う姿勢を示している。

クアリャレッラ

ゴールだけでなく、献身的なプレーにも賛辞が集まる [写真]=Getty Images

 クアリャレッラといえば、伸びのあるパワフルなシュートとスペクタクルなゴールが印象的だ。第一次サンプドリア時代の2006年12月17日のレッジーナ戦では2人のDFを背負いながらオーバーヘッドをねじ込んだ。2007年4月1日のキエーヴォ戦では、40メートル以上のシュートを躊躇せずに放ち、ネットに叩き込んでいる。ナポリ時代のゴールも忘れられないものだ。2010年1月6日のアタランタ戦。ここでも見事なロングシュートをゴール上隅に沈め、チームメイトから手厚い祝福を受けた。

 また、アッズーリの一員としても足跡を残した。2010年ワールドカップ・グループステージのスロヴァキア戦では2-3とまさかの黒星を喫したが、技ありのループシュートを決めている。GS敗退が決まり涙を流すほろ苦い思い出だが、この大会でのスーパーゴールの一つに数えられるものだった。そして、キャリアのハイライトとなるゴールは、今シーズン9月2日の古巣ナポリ戦の一撃だ。右サイドからバルトシュ・ベレシンスキが入れたクロスを、ゴールに背を向けながら右足のバックヒールで流し込む、滅多にお目にかかれない華やかな得点だった。今シーズンはこのヒールキックが絶好調で、12月26日のキエーヴォ戦でもバックヒールでゴールをマーク。今度は、左サイドからのセットプレーに合わせてネットを揺らしている。

クアリャレッラ

キエーヴォ戦で見せたバックヒールによるゴール [写真]=Getty Images

 昨シーズンは35試合に出場し、19得点を決めた。これがクアリャレッラにとってのキャリアハイの記録だ。だが、今シーズンはこれを凌ぐ勢いでゴールを量産している。ケガさえなければ、20得点の大台達成も手に届く範囲だ。

 それにしても、イタリアには30歳を過ぎて、また一つ花を咲かせてきたストライカーがなんと多いことか。その一人、ダリオ・ウブネルは30歳で初のセリエA出場を果たした。そのシーズンには16得点をマークし、34歳で移籍したピアチェンツァでは、トレゼゲと並ぶ24得点で01-02シーズンの得点王のタイトルを獲得。まさに遅咲きを象徴する一人だ。ちなみに、プロリーグを離れた後もアマチュアのカテゴリーで現役を続け、プリマ・カテゴリーア(当時の8部リーグ)でもプレーし、プロモツィオーネ(同7部)のカヴェナーゴで2011年に引退するなど実に息の長い選手でもあった。

 そして、もう一人は、トトーの愛称で親しまれたアントニオ・ディ・ナターレ。エンポリ時代の02-03シーズンには13得点、ウディネーゼに移籍してから4年目の07-08シーズンには17得点を記録し、それまでもイタリアを代表する点取り屋であったことに変わりないが、33歳の09-10シーズンには29得点をマーク。このシーズンを含めて2年連続でセリエA得点王のタイトルに輝き、4年連続で20得点以上を記録したのだから、驚きでしかない。

 クアリャレッラもこの2人と同じく芳醇なワインのように年月とともに円熟味を増し、さらに化けつつある。自身初のセリエA得点王獲得も夢ではないだろう。さらには、イタリア代表復帰の可能性も囁かれている。ロベルト・マンチーニ監督が、このベテランFWの招集を検討しているとの噂が持ち上がっているのだ。マンチーニも現役時代にスペクタクルなゴールで観衆を魅了してきたプレーヤーだ。マンチーニは間もなく36歳を迎えるベテランプレーヤーに自らの姿を重ね合わせているのかもしれない。

文=佐藤徳和

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