2018.10.06

【コラム】若返り化を目指すユーヴェから去る敏腕GM、マロッタ氏に送る感謝

マロッタ
8年間在籍したユーヴェを去るマロッタ氏。 穏やかな人柄で周囲を魅了していた [写真]=Juventus FC/Juventus FC via Getty Images
イタリア・ジャーナリスト協会会員。ミラノ在住。

 ユヴェントスのさらなるステップアップを目指して、アンドレア・アニェッリ会長が新たな方針を打ち出した。それはイタリアのリーダーだけではなく、ヨーロッパのベスト5に入るクラブになることだ。もちろんチーム力だけではない。クラブの運営利益、経営効果などすべての面での意味を指す。ユーヴェはチャンピオンズリーグ制覇こそ果たせていないものの、2012-13シーズンからの7季連続スクデットで誰もが認める常勝軍団に返り咲いた。

 2010年に若干34歳でトップに就任したアニェッリ会長も42歳。そんな彼が大ナタをふるった。自身を中心にして、46歳のパベル・ネドベド副会長とスポーツ・ディレクターのファビオ・パラティチ氏とともに新しいプロジェクトを進めていくために、世代の違う一人の人間を役員から外すことを決意した。CEO(最高経営責任者)やGM(ゼネラルマネージャー)を務める61歳のジュゼッペ・マロッタ氏だ。

 2010年にマロッタ氏がユーヴェ入りする際に連れてきたパラティチ氏は、この夏のクリスティアーノ・ロナウドの電撃移籍を実現して大きく株を上げた。そのパラティッチ氏は残り、マロッタ氏は8年間在籍したビアンコ・ネーロを去る。皮肉なものだ。

 マロッタ氏はヴェネツィア、アタランタ、サンプドリア、ユーヴェと在籍し、精力的にメルカートで動いた。サンプドリア時代にはレアル・マドリードで腐っていたアントニオ・カッサーノを見事によみがえらせた。ユーヴェだけでも、この8年間に獲得した選手はアンドレア・ピルロ、アルトゥーロ・ビダル、ポール・ポグバ、フアン・クアドラード、パウロ・ディバラ、ゴンサロ・イグアインなど挙げればきりがない。ビジネス上の実力は当たり前ながら、人間的にも信頼関係が築きやすい人柄で関係者を魅了した。

 私にとっても忘れられない人物だ。1999年夏、名波浩がヴェネツィアに移籍した時も、2002年に柳沢敦がサンプドリアに加入した際もそれぞれのクラブのGMにマロッタ氏がいた。練習場、スタジアムで顔を合わせることも多く、またその穏やかな人柄から「マロッタさん」と呼んで話をしたものだ。個人的にもお世話になった。2002年の当時、滞在許可についてうまくいかず悩んでいた私に、マロッタ氏は当時ミランのスポーツ・ディレクターだったアレイド・ブライダ氏を紹介してくれた。ブライダ氏からは滞在許可手続きをする際の警察署の知人の連絡先を教えていただいた。心から恐縮したが、その温かい心配りに感謝した。

 チームを去ることになった今、マロッタ氏はアントニオ・コンテ監督時代にイタリアの頂点に立った感激を再びかみしめていた。「クラブが決めたことだ。それに従うだけ。クラブの方針に従って100%やってきた。この別れは本当につらい。素晴らしい8年間だった。私の人生で忘れられないページだ。初めてのスクデットが最も美しい思い出だ」

 ユーヴェを影で支えた功労者は、これからも別のクラブでフロント幹部として仕事を続けるつもりだという。私はマロッタさんの新たなスタートにエールを送りたい。

文=赤星敬子

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