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【コラム】本格的に始まった夏の移籍市場…選手と並んで注目を浴びる代理人

2017.07.07

多くの大物選手を顧客に抱えるライオラ氏(左)とメンデス氏(右) [写真]=Getty Images

 7月1日に夏のメルカートが解禁になり、本格的に選手たちの移籍が始まった。そこでクラブのメルカート担当とともに忙しくなるのが代理人だ。このコラムでも取り上げた通り、ジャンルイジ・ドンナルンマ(ミラン)の移籍交渉について代理人のミノ・ライオラ氏の交渉が本人の意思を無視しているのではないか、と議論になっている。ドンナルンマはジャンルイジ・ブッフォン(ユヴェントス)の後継者としてアッズーリ(イタリア代表)正GKとの呼び声が高く、期待されている若手だけに注目度も高い。

 代理人業というのは、担当するサッカー選手の価値を見極めてできるだけいい条件でクラブに“買い取ってもらう”交渉を成立させる仕事だ。またその前に、才能ある選手を自分で選ぶ目利きも重要となってくる。ライオラ氏の経歴が元ピッツァ職人というのはよく知られた事実だ。イタリア南部サレント地方に生まれ、子どもの時に両親とともにオランダに移住したという。おそらく裕福な家柄ではなかったはずだ。

 ハーレムのスポーツ・ディレクターを経て代理人としてのキャリアをスタートさせた。過去では元オランダ代表FWデニス・ベルカンプ氏、元チェコ代表MFパヴェル・ネドヴェド氏などを担当した。現在でも元スウェーデン代表FWズラタン・イブラヒモヴィッチや、フランス代表MFポール・ポグバ(マンチェスター・U)、イタリア人FWマリオ・バロテッリ(ニース)、ブラジル人FWロビーニョ(アトレチコ・ミネイロ)らスター選手を抱えている。

 ポグバがユヴェントスからマンチェスター・Uへ移籍した際は、1億500万ユーロ(約131億1300万円)というケタ外れの金額が話題となった。この時、ライオラ氏の懐には4858万ユーロ(約60億7300万円)が入ったと言われている。またライオラ氏はイタリア語、オランダ語、英語など7カ国語を自由に操ることでも知られている。

 一方、そのライオラ氏より力を持つと言われているのが、ポルトガル人のジョルジュ・メンデス氏だ。ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(レアル・マドリード)を筆頭に、コロンビア代表FWラダメル・ファルカオ(モナコ)、アルゼンチン代表MFアンヘル・ディ・マリア(パリ・サンジェルマン)、スペイン代表FWジエゴ・コスタ(チェルシー)ら、ポルトガルや南米の選手を中心に多くのスターを抱えている。またマンチェスター・Uのジョゼ・モウリーニョ監督の代理人であることでも有名だ。彼の会社の総資産は4億ユーロ(約500億円)と言われ、サッカー界でトップだ。

 そのほか、ポルトガルではネリオ・ルーカス代理人が37歳という若さながら、ブラジル代表FWネイマール(バルセロナ)やスペイン代表FWアルバロ・モラタ(レアル・マドリード)、クロアチア代表MFマルセロ・ブロゾヴィッチ(インテル)らトッププレーヤーを抱えている。

 メルカートのニュースを読む際に、選手の代理人が誰なのかをチェックしてみると、よりいっそう面白くなるだろう。

文=赤星敬子

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