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【コラム】王座奪還を目指すアッズーリ、鍵を握るは元ペスカーラ勢

2017.03.30

2トップを組んだインモービレとペロッティ [写真]=Getty Images

 代表マッチ・ウィークということでグループGのイタリア代表も24日、アルバニアとパレルモのスタジアムで戦った。結果は2-0と快勝し、得失点差で首位スペインに続くグループ2位につけている。これでGKジャンルイジ・ブッフォンは公式戦1000試合出場を果たし、失点ゼロで自身のメモリアル・ゲームを祝った。さて試合前からメディアでたびたび注目されてきた今回の”主役”は、アンドレア・ベロッティ(トリノ)とチーロ・インモービレ(ラツィオ)のセンターFWコンビだ。

 ジャンパオロ・ヴェントゥーラ監督は4-2-4のフォメーションを基本にしている。4トップのサイドは右がアントニオ・カントレーヴァ(インテル)とロレンツォ・インシーニェ(ナポリ)だ。そして脚光を浴びているベロッティは現在セリエAで22ゴールを挙げており、得点王ランキングのトップ。またインモービレも17得点と好調をキープしている。

 アルバニア戦では正直、この初コンビが最高に機能しているとまでは言えない状況だった。お互いの縦の動きに差があり、スパートには持ち込めなかった。やや雑然とした感が残った。それでも前半12分の先制点となるPKのチャンスは、ベロッティがエリア内でファウルを受けたからであり、後半26分の2点目はインモービレが頭で決めた。それぞれFWとして及第点の働きをしたことになる。

 アッズーリとして先輩格のインモービレは、ベロッティと合宿中同室だという。「ペロッティと僕が攻撃のコンビの代表で、W杯に行けないはずはない」ときっぱり言い切るほど自信に満ち溢れている。「チームメイトであり、本当の友達だ。ライバル心なんてない。代表では意味がない。全員が同じ目標に向かって進んでいる」と一体感を強調した。またトリノ時代の恩師が代表監督であることにも感謝している。

「とてもよく僕を理解してくれているので、やりやすい」と言う。2014年のシーズンでは同監督の下、22得点を叩き出した実績がある。

 またアルバニア戦でも中盤でフル出場したマルコ・ヴェラッティ(バリ・サンジェルマン)は、全選手最多の110回のボールタッチ、有効パス78本、そして相手との競り合いに勝ちボールを奪ったのが8回。その勤勉なプレーには高い評価が寄せられた。

 インモービレ、ヴェラッティ、そしてインシーニェの3人はスセネデク・ゼーマン時代のセリエBペスカーラで一緒にプレーしていたという不思議な縁がある。その3人が今回のアッズーリで再び同じピッチで見られた。「共にセリエBからスタートして、(代表の合宿地)コヴェルチャーノでW杯出場のために再び練習できるなんて」と感無量だ。2018年のW杯本大会でも3人のアッズーリのユニフォーム姿がロシアの地で見られるかもしれない。いずれも20代の次世代プレーヤーたち。あと1年2カ月後に迫ったW杯で主役となるのは彼らだ。

文=赤星敬子

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