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【コラム】得点ランク首位のトリノFWべロッティ…クラブは“至宝”の引き止めに動く

2017.03.07

パレルモ戦でハットトリックを達成し、得点ランク首位に浮上したべロッティ [写真]=Getty Images

 セリエA第27節のパレルモ戦でトリプレッタ(1試合3得点)を演じ、一気に得点ランキングトップに躍り出たのが、トリノの23歳FWアンドレア・べロッティだ。

 セリエB降格圏内のパレルモ相手に1点のリードを許して折り返した後半のことだった。べロッティは74分、76分、81分とわずか7分間で見事に3ゴールを決めて、あっさりとチームを勝利に導いた。3得点はいずれもセットプレーからのもので、ダイレクトで合わせたものやヘディングなどだった。

 べロッティはこれで今シーズンのゴール数が22となり、19ゴールのアルゼンチン代表FWゴンサロ・イグアイン(ユヴェントス)とボスニア・ヘルツェゴヴィナ代表FWエディン・ジェコ(ローマ)を抑えて得点ランク首位に立っている。シーズン終了まではまだまだ試合数が残っているものの、個人的にはイタリア人プレーヤーがセリエA得点王に輝くことを願っている。

 トリノは現在、シニシャ・ミハイロビッチ監督の下で9位と健闘している。次世代のアッズーリを担う一人であるベロッティを、トリノのオーナー、ウルバーノ・カイロ氏は格別に評価している。出版業界のやり手として知られ、メディア相手に何時間でも対応する“おしゃべりで出たがり屋”の同氏もヒートアップ。すでに海外移籍に関して違約金の細則を取り交わしている。

 ミハイロビッチ監督は試合後、「べロッティについては、取り交わしている違約金1億ユーロ(約125億円)では少なすぎる。何せ、いずれはヨーロッパのトッププレーヤーになる人材なのだから」とコメント。カイロ氏も「1億5000万ユーロ(187億5000万円)までに持って行ってよいのではないか」と、至宝の引き留め工作に乗り出す構えでいる。

 2005-06シーズン(31得点)と14-15シーズン(22得点)にセリエA得点王を獲得したルカ・トーニ氏は、次のように分析する。

「この調子で行くと30ゴールは手堅いだろう。彼の急成長は喜ばしい限りだ。トリノが彼に合ったプレーをしているのもいいね。両サイドのFWが彼をよく手助けしてくれている。フィジカル的にも調子が良いようだし、得点王獲得まで、あとはツキがものを言いそうだ」

 ゴールした時に頭を前後に振りかざし歓喜する癖から“Gallo(ガッロ=おんどりの意味)”の愛称で知られるべロッティ。そのプレースタイルは、ガツガツ行く泥臭いタイプで、シュートテクニックが光る。舌をぺろっと出して笑う親しみやすさが印象的だ。プライベートでは恋人のジョルジャさんと愛犬アンジーが心の支えだという。

文=赤星敬子

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