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【コラム】セリエAで2世選手が続々台頭…ユーヴェ撃破の立役者 “キエーザ息子”に注目

2017.01.20

今季公式戦17試合に出場し2ゴールを挙げているキエーザ [写真]=Getty Images

 イタリアのセリエAでは2世選手が続々と成長してきている。ボローニャのイタリア人FWフェデリコ・ディ・フランチェスコはサッスォーロを率いるエウゼビオ・ディ・フランチェスコ監督の息子で、アトレティコ・マドリードを率いるディエゴ・シメオネ監督の息子であるジョバンニは今シーズンからジェノアに加入したことで話題となった。それ以外にも元イタリア代表クラスの次世代が育ってきており、頼もしい限りだ。

 15日に行われたセリエA第20節でひときわ脚光を浴びたのが、フィオレンティーナのU-20イタリア代表FWフェデリコ・キエーザだ。1999年から2002年にフィオレンティーナでプレーした元イタリア代表FWの父親、エンリコ氏と同じユニフォームを着て臨んだユヴェントス戦で、2-1の勝利に大きく貢献してマン・オブ・ザ・マッチに輝いた。まだ19歳のフェデリコについて試合後、父親のエンリコ氏は「彼にとっても我々ファミリーにとってもいい結果となった。でもフェデリコはまだ19歳だし、静かに見守ってやってほしい。楽しんでプレーさせてあげたい」と、過熱する周囲を心配した。

父親は1999年から2002年にフィオレンティーナでプレーした [写真]=Getty Images

父親は1999年から2002年にフィオレンティーナでプレーした [写真]=Getty Images

 生まれこそジェノバだが、フィレンツェ郊外のセッティニャネーゼというクラブで育ち、2007年にフィオレンティーナの下部組織に移った。2014年にはU-19チームに昇格し、そして昨夏、トップチームに抜擢されてシーズン前のキャンプに臨んだ。その直前までセリエBのSPAL 2013に移籍することがほぼ決定的だったというが、パウロ・ソウザ監督の強い意向で残留してキャリアを積んでいくこととなった。

 フィオレンティーナにとっての宿敵、ユヴェントスに因縁があるのだろうか。セリエAデビューは昨年8月20日のユヴェントス戦だった。そして同9月29日にはヨーロッパリーグのカラバフ戦で欧州デビューも果たしている。同12月8日には同じカラバフ戦で初得点を決めた。セリエAでも今シーズン10試合出場を果たしている。推定年俸は7万ユーロ(約858万円)ということだが、そのクオリティーの高さから推定移籍金は1500万ユーロ(約18億400万円)に跳ね上がっている。チームメイトでアッズーリ・デビューを果たしたFWフェデリコ・ベルナルデスキとともに、フィオレンティーナの将来を背負って立つ頼もしい若手だ。

キエーザ

キエーザ(右)はユーヴェ戦に先発出場し、81分までプレーした [写真]=Getty Images

 そんなキエーザの能力を見越して、クラブは2021年までの契約延長を先週末に公式発表した。契約に欠かせない違約金などの細則条項は付けられていない。本人がフィオレンティーナでプレーし続けたいという強い気持ちを持っているからだという。高校では機械工学を勉強し、憧れの選手はオランダ代表FWアリエン・ロッベン(バイエルン)とブラジル代表MFカカ(オーランド・シティ)だという。ヘアスタイルやタトゥーにも興味がなく、どこかまだあどけなさの残るキエーザ。このまま順調に父親と同じ道を歩んでいってほしいものだ。

文=赤星敬子

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