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【コラム】GKブッフォンの歩み…17歳でデビュー、屈辱の2部降格、そして600試合出場

2016.11.07

セリエA通算600試合出場を達成したブッフォン [写真]=Corbis via Getty Images

 ユヴェントスのイタリア代表GKジャンルイジ・ブッフォンが、6日に行われたキエーヴォ戦で、セリエA通算600試合出場を達成した。これはイタリア歴代4位の記録で、3位のFWフランチェスコ・トッティ(ローマ)の607試合までその差はわずか。今シーズン中に順位が逆転することも十分に考えられる。

 キエーヴォ戦では、66分にベテランFWセルジョ・ペリシエにPKを決められたものの、結果的には2-1で勝利を収め、メモリアル・ゲームを飾った。なお、このペリシエも、ユヴェントス戦がセリエA通算400試合目という記念すべき区切りの一戦だった。

 ちなみに、現役選手の最多出場は先ほど挙げたトッティが607試合で歴代第3位、そして4位がブッフォン、FWアルベルト・ジラルディーノ(エンポリ)が504試合出場で歴代13位、ペリシエは63位にランキングされている。

 歴代トップは元イタリア代表DFで、ミランで活躍したパオロ・マルディーニ氏の647試合。続く2位は同じくディフェンスの鉄人、ハビエル・サネッティ現インテル副会長の618試合だ。ブッフォンは元イタリア代表GKジャンルカ・パリューカ氏(インテル、ボローニャなどでプレー)の592試合を破り、記録を伸ばしているところだった。

 それでは、レジェンドになりつつある38歳ブッフォンのこれまでの歩みを見てみたい。

 センセーショナルなデビューを果たしたのは、1995年11月19日のパルマ対ミラン戦だった。弱冠17歳だったブッフォンは、パルマの正GKルカ・ブッチのケガにより出場チャンスが巡ってきた。当時、ベンチに座っていたのはネヴィオ・スカラ監督だった。GKコーチのヴィンチェンツォ・ディ・パルマ氏から「こいつは怪物だ」という評価を聞いていただけあって、ミランというビッグチーム相手にも躊躇することなく、ブッフォンをピッチに送り出したという。

 そのパルマで168試合出場、イタリア代表にも選出されたブッフォンはプレーの場をユヴェントスに移す。順調にそのキャリアを積んでいたブッフォンに、初めての理不尽な暗雲が立ち込めたのは2006年夏、ルチアーノ・モッジ氏らユヴェントス幹部の審判買収、脅迫行為だった。築いた2回のスクデットはく奪、そしてセリエBへの降格という制裁を受けたユヴェントス。2部降格などなかった常勝軍団にとって、セリエBで過ごした2006-07シーズンは屈辱の年だった。

 しかし、クラブは停滞することなく、1シーズンでセリエAに返り咲く。ブッフォンのセリエA出場記録の数字を見ると、セリエBでの1年がセリエAであれば、歴代2位・サネッティ氏の記録を超えており、マルディーニ氏の最多出場記録647試合を脅かすものになっていたに違いない。

 ただ、ブッフォンには時間がないと言えるだろうか。いや、そうではない。守備陣の高齢化が進んでいるユヴェントス、またイタリア代表にしても、ブッフォンに代わるGKの後継者が誕生しない限り、ブッフォンは引退などとは言っていられないのだ。

文=赤星敬子

※データは11月5日付のイタリア紙『コリエレ・デッロ・スポルト』より

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