10人のユーヴェ、ピルロの劇的ミドル弾でダービー制し、首位堅守

ユヴェントス

終了間際に勝ち越しに成功し、ダービーを制したユヴェントス [写真]=Getty Images

 セリエA第13節が行われ、ユヴェントスとトリノが対戦した。

 トリノ・ダービーとなったこの試合では、トリノの元ユヴェントスメンバー、ファビオ・クアリアレッラやアマウリらが古巣との一戦を迎えた。ユヴェントスの先発メンバーには、試合前に肩の負傷したジャンルイジ・ブッフォンに代わりマルコ・ストラーリが先発、左サイドバックにはパトリス・エヴラが復帰した。

 試合は15分、ユヴェントスがゴール前でフリーキックを獲得すると、キッカーは名手アンドレア・ピルロ。ピルロが放ったボールは壁に阻まれたが、この際ペナルティエリア内で壁に入っていたオマル・エル・カドゥーリがひじでブロックしており、ペナルティキックが与えられる。アルトゥーロ・ビダルが、落ち着いて決めるが、主審に蹴り直しを命じられる。しかし、2度目も落ち着いて左下に蹴り込みユヴェントスが先制に成功した。

 94-95シーズン以降、ユヴェントス相手に勝利がないトリノだが、この日は一味違った。22分、自陣深い位置でボールを奪ったブルーノ・ぺレスがドリブルで持ち上がる。スピードに乗ったB・ぺレスはビダル、エヴラをかわし、約60メートル近く独走すると、最後は左足一閃。豪快なミドルシュートはポストをかすめてゴール左に決まり、トリノが同点に追いつく。トリノがユヴェントス相手に得点をあげるのは01-02シーズン以来12年ぶりのことだった。

 勝ち越したいユヴェントスは、41分にポール・ポグバ、エヴラとつなぎ、最後はビダルがシュートを放ったが、クロスバーの上を越えて得点とはならず、1-1で前半を折り返す。

 後半に入っても調子が上がらないユヴェントス相手に互角の勝負をするトリノは、52分、左サイドでボールを受けたアマウリがゴール前にグラウンダーのクロスを供給。クアリアレッラが中で合わせたが、惜しくもシュートは枠を捉えきれなかった。

 一方のユヴェントスは、76分、右サイドでカルロス・テベスのパスを受けた途中出場のロベルト・ペレイラが低いクロスをあげると、ビダルが中で合わせてゴールイン。勝ち越しに成功したと思われたが、ビダルがオフサイドポジションにいたため得点は取り消された。

 すると直後の78分、ステファン・リヒトシュタイナーがエル・カドゥーリに対してファウルを犯し、この試合2枚目のイエローカードを受けて退場となってしまう。10人となったユヴェントスは、度々カウンターからチャンスを作られていたため、アンジェロ・オグボンナを投入し、「3-5-1」のフォーメーションに変更。守備の安定を図りながら勝ち越しを目指す。

 このまま引き分けに終わるかと思われた後半アディショナルタイム、劇的な幕切れが待っていた。ラストワンプレーの場面で、ユヴェントスがボールを奪うと、アルバロ・モラタがドリブルで中に切れ込む。中のビダルにパスを出し、ビダルはさらにピルロへとパスを出す。この試合で再三シュートをふかしていたピルロだったが、低い弾道のミドルシュートがゴール左下に突き刺さり、勝ち越しに成功。ドラマチックなゴールに、ユヴェントスのメンバーはベンチを飛び出し、優勝したかのような大喜び。2-1でユヴェントスがトリノ・ダービーを制した。

 勝利したユヴェントスは、2位ローマとの勝ち点差を3のまま首位を堅守。一方のトリノは15位に沈んでいる。

【スコア】
ユヴェントス 2-1 トリノ

【得点者】
1-0 15分 アルトゥーロ・ビダル(PK)(ユヴェントス)
1-1 22分 ブルーノ・ぺレス(トリノ)
2-1 90+3分 アンドレア・ピルロ(ユヴェントス)

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