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ドルトムントスペシャル対談:パンサー尾形さん×クラマー氏「現地に行ってクラブの魅力を伝えたい」

2019.08.02

ドルトムントのマーケティング責任者クラマー氏とアンバサダー尾形さんの対談が実現 [写真]=野口岳彦

 ボルシア・ドルトムントは8月1日、お笑いトリオ「パンサー」の尾形貴弘さんと女優やモデルとして活躍する武田玲奈さんがクラブのブランドアンバサダーに就任したことを発表した。その発表に先駆け、7月にクラブのマーケティング責任者を務めるカーステン・クラマー氏が来日。尾形さんとの異色の対談が実現した。

■サッカー部のユニフォームもベガルタ仙台も。「黄色」には縁がある

ーー今回は尾形さんがブランドアンバサダーに就任したということで、お互いが尾形さんのこと、クラブのことを知る機会になればと思います。

尾形 初めまして。アイ・アム・ジャパニーズ・スーパースター!

クラマー もちろん、知っています。ドイツでも有名ですから(笑)

尾形 いや、知らないでしょ。絶対に(笑)

クラマー 私もたまには冗談を言います(笑)。不平、不満を言うよりも、笑顔でいたほうがいいですからね。私はポジティブな人間なんです。

尾形 なるほど。僕もポジティブなタイプですから気が合いそうですね。

クラマー 見ていて分かります(笑)

尾形 周りからダメだ、ダメだと言われても僕はめげません。サッカーをやっていましたからね。仕事も魂だけでやってます。

クラマー それは我々も同じです。サッカークラブはパッションを持ってやっていかなければいけませんから。

尾形 そう、「気持ち」が大事ですよね。

クラマー 100パーセント同意します。

尾形 ところで、クラマーさんはサッカーをやっていたんですか? なんだかめちゃくちゃサッカーがうまそうですけど。

クラマー 高いレベルでやっていたわけではないですが、もちろんサッカーがどんなものかは理解しているつもりです。サッカーを仕事にしたいという思いがあったので、そういう意味では尾形さんと同じですね。

尾形 僕も田舎から東京に出てきて大学まではサッカーをやっていたんですけど、プロにはなれませんでした……。

クラマー 尾形さんの地元はJリーグのクラブで言うとどちらですか?

尾形 ベガルタ仙台です!

クラマー Jリーグと海外サッカーと、観戦の頻度で言うとどちらに興味があるんですか?

尾形 全般を見ますよ。ただ、やっぱり日本が好きですし、僕はベガルタのサポーターでもあるので。ちなみに川崎フロンターレの中村憲剛選手をご存知ですか?

クラマー 川崎とは2015年に親善試合をしました。そのときにフロンターレのスター選手として紹介された記憶はあります。どんな選手だったか、詳細までは覚えていませんが。

尾形 その中村選手は僕が大学4年のときの1年生で寮も一緒でした。彼に「代返」とか頼んでました(笑)

ーー「代返」はちょっとうまく訳せないです(笑)。

尾形 クラマーさんはものすごく明るい方ですね。もっと怖い人かと思っていました(笑)。

クラマー これが私のナチュラルな姿です。企業のお偉いさんというわけではなく、ドルトムントという地に足のついたクラブの人間なので、自分らしく振る舞っています。ところで今気づきましたけど、私たちは重大なミスを犯していますね。我々にとって伝統のライバルである青いクラブ(シャルケ)の色を、私も尾形さんも身につけている(笑)。私のパンツはダークブルーですし、尾形さんのジャケットの色も良くない。いわゆるオウンゴールですね。次に会うときはお互いに考えましょう(笑)。ブラック&イエローこそが素晴らしい色なので。

尾形 黄色は最高ですよね。高校のサッカー部のユニフォームの色が黄色でしたし、ベガルタも黄色ですから。黄色には縁があるんです。

クラマー それはとても重要です。

尾形 黄色は一番好きな色ですね!

クラマー そこまで気を遣わなくても大丈夫ですよ(笑)。私服で黄色を選ぶのは難しいですから。私も普段は黒が多いです。今朝、新宿をジョギングしたときはちゃんと黄色のジャージを着ていましたけど。

尾形 いやいや、黄色最高ですよ。

■ドルトムントにはまた日本人選手を獲得してほしい

クラマー ドルトムントの選手に限らず、ドイツで知っている選手はいますか?

尾形 (ユルゲン)コーラー、(ローター)マテウス、(トーマス)ヘスラー、(アンドレアス)ブレーメ……。ちょうど西ドイツが優勝した1990年のワールドカップを見ていたので、その時代の選手が好きです。

クラマー 1997年にドルトムントが世界一になったのはご存知ですか?

尾形 トヨタカップですよね。もちろん知っています。すごいクラブですから。だから本当に僕でいいのかなって。逆に日本人選手をどれぐらい知っていますか? 例えば久保建英選手とか。

クラマー 彼がレアル・マドリードに入ったことは知っています。私はマーケティング部門の人間なので、日本の若い選手たちの名前までは知りません。でも、ドルトムントのスカウティング部門は日本人選手の情報収集もしています。日本人選手のメンタリティはドイツに合いますから。日本にも頻繁に来ていますし、ドルトムントにとって重要な市場です。

尾形 ブンデスリーガは自国の選手をとても大事にしているイメージがありますよね。そこが素晴らしいなと。

クラマー 自国の選手にチャンスを与えることがナショナルチームの強化に直結しますからね。ドイツ人としてはそういうことを常に考えています。

尾形 育成、素晴らしいですよね。

クラマー 考え方は日本と一緒だと思います。日本も育成には力を入れているようですし、いい選手を育てればそれだけ代表チームも強くなる。20年前ぐらいと比べると、今の日本の育成は本当に素晴らしいと思います。

尾形 ドルトムントにはまた日本人選手を獲得してほしいと思っているんです。

クラマー 日本のスポンサー企業を訪れたときも同じことを言われました(笑)。私は選手獲得の責任者ではないので正式にお答えはできませんが、我々は香川真司以外の日本人選手にもすごく注目しています。先ほど言ったように、日本人の勤勉さはドイツ人のメンタリティに合いますし、日本のチーム、日本の選手は常に注目している。シンジが最後ということは絶対にありません。それに、シンジとはいい関係でやってこられたので、例えば引退後も親善大使として引き続きクラブに関わってほしいと思っています。

尾形 僕もいつでもやりますよ(笑)。

クラマー シンジに続く新しいクラブの顔が必要なので、ぜひお願いします(笑)。

尾形 任せてください! 僕がビシッとやります。僕はドイツに行ったこともありますから。高校1年のときに1カ月半ぐらい遠征に行きました。ハンブルクだったかな。そこでドイツのチームとたくさん試合をして。体格が全然違いましたけど。それで、これは当時のコーチにあとから聞いた話なんですけど、現地のユースチームの監督に「このままいてくれてもいい」と言われたらしいんですよ。とにかく「いい選手だね」って。

クラマー でもハンブルクは高原(直泰)さんを選んでしまいましたね(笑)。彼が来てから、ドイツでの日本人選手の評価は変わりました。もちろん、それ以前にも奥寺(康彦)さんがいましたが、日本人選手がドイツにやって来る現在の流れを作ったのは高原さんだと思います。

尾形 もう20年ぐらい前の話ですけど、ドイツはやっぱりソーセージがおいしかったですね。

クラマー 典型的なドイツの食事ですからね。ビールとソーセージはマストです。私は昨日、「キリン」を飲みましたよ。

尾形 一番好きです! 僕は高円寺とか、ちょっと雑多な赤ちょうちんが出ているようなお店で焼き鳥なんかを食べるのが好きですね。

クラマー ぜひ連れて行ってください。

尾形 それじゃあ僕がおごります!

■熱いサポーターの中で試合を観てみたい

クラマー 尾形さんのお仕事についてもう少し教えていただけますか?

尾形 僕の仕事ですか。なんですかね……。ライオンと戦ったり、ワニと戦ったり、めちゃくちゃ怖い心霊スポットに一人で行ったり。そういう仕事です(笑)。

クラマー 芸人としてのキャリアはどれぐらいですか?

尾形 大学を卒業して1年間は企業でサッカーをやっていたんです。その後芸人になったので17年目ですね。

クラマー もう中堅ですね。

尾形 いえいえ、まだ若手です!

クラマー 確かに若く見えます。25歳ぐらいに。

尾形 ホントですか? サンキュー!

クラマー 若者を笑わせようと思ったときにジェネレーションギャップを感じたりしませんか?

尾形 僕自身が若手なんで、全然感じないです。それよりも、毎年多くの若手が事務所に入ってくるので、それをどうやって抑えるか、どうやって芽を摘むか。そんなことばかり考えてます(笑)。

クラマー プロとしては大事ですね(笑)。

尾形 僕は去年、建て売りの小さな家を35年ローンで買ったんです。だから月々の支払いが75歳まである。75歳までぜひお願いします!

クラマー 私が東京に来たときにいつでも行けるようにしてくれたら約束します(笑)。

尾形 ホントですか? じゃあ用意しておきます! 75歳までお願いします。みなさん、今のちゃんと聞いてましたよね?(笑)

ーー最後にブランドアンバサダーとして尾形さんがやってみたいことは何でしょう?

尾形 やっぱりドイツで試合を観てみたいです。

クラマー 尾形さんの家に招かれるわけですから、もちろん私も招待しますよ(笑)。

尾形 あんなに熱いサポーターがいてね。やっぱりああいう中で試合を観てみたいですよ。

クラマー 来ていただいてリアルに体感してもらうのが一番です。

尾形 感じたいですよね。

クラマー ドルトムントが最も誇りにしているのは熱狂的なところです。平均観客数が8万人というのは世界でもトップですし、ゴール裏の立ち見席は「黄色い壁」と呼ばれていて、そこだけで2万5000人が入る。ぜひぜひ来ていただきたいです。

尾形 2万5000人ですか。すごいなー。

クラマー 実際に来ていただければ、それを肌で感じてもらえるはずです。チケットの値段も高くないですし、ドルトムントはお金ではなく、ハートでつながっているんです。スタジアムにはフリーWi-Fiがあるんですが、キックオフ後は意図的に通信レベルを下げています。スマホなどを見るよりも、試合に集中してほしいですからね。そういうことを含め、他のクラブとは違うということです。

尾形 いろいろ考えているんですね。

クラマー 我々には5万5000人のシーズンチケットホルダーがいて、今も5万人がウェイティングしている状態です。でも、決してチケットの値段は上げない。地元の人々は裕福な人ばかりではないので、基本的に金額は上げません。サッカーは誰でも観られるもの、すべての人のものですからね。我々はそういうことを真面目にやっているクラブなんです。尾形さんもドルトムントの新たな一員として歓迎します。

尾形 それはうれしいなー。で、いつですか?(笑)

クラマー まず8月3日にドイツ・スーパーカップがありますが……。

尾形 じゃあ、まずはそれに行って、その翌月はクラマーさんが僕の家に泊まりに来て(笑)。

クラマー そうですね(笑)。たくさんドイツに来てくれれば、僕もたくさん行きます。まあ、それは冗談ですが、尾形さんに来てもらえるよう必ず調整します。尾形さんもお忙しいでしょうけど。

尾形 いえ、全然です。なにせ35年ローンなので。

クラマー ドイツでの様子を芸人さんならではのおもしろさで日本に発信していただけるとうれしいです。

尾形 それはもう目一杯アピールしますよ。ドルトムントは最高だと!

クラマー クラブのアピールもですが、まずはご自身が楽しむためにうまく我々を使ってもらえればと。

尾形 これからはウチに泊まりに来てくれると思いますし、ここから親交を深めていきたいですね。

クラマー お互いに招待し合える関係になるといいですね。日本に来たときにはぜひビールをご馳走してください(笑)。私もドイツのローカルビールを用意しておきますので。ドルトムントはサッカーの街であると同時に、昔はビール製造でも有名な街でしたから、ビール好きにはたまらないと思います。

尾形 いいですね。僕はビール大好きですから!

クラマー サッカー以外のところでもぜひ楽しんでほしいです。

尾形 今日はありがとうございました。

クラマー アリガトー!

尾形 サンキュー!!!

写真=野口岳彦

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