HSV伊藤達哉、激動の1年となった今季は「ジェットコースターのよう」

伊藤達哉

ドリブラーとして注目を集めている伊藤達哉 [写真]=Getty Images

 今季ハンブルガーSV(HSV)でプロデビューを果たし、ドリブラーとして注目を集めているFW伊藤達哉が独紙の囲み取材に応えたようだ。26日、ドイツ紙『キッカー』がおよび『ビルト』伝えている。

 前節のフライブルク戦での勝利で残留の可能性が再び見えて来たHSVだが、まだ残留を諦めてはいない。「降格のことは考えていません。僕らは降格しません。僕らは、皆にまだ何も終わっていないことを示して見せなければなりません」

 4部のU−21チームから一気にトップチームに定着したシーズンについて聞かれると、「ジェットコースターのような1年でしたね。U−21チームにいて、1分でもトップチームで出られれば良いな、と夢見ていました。そんななか、マルクス・ギズドル監督が僕をレヴァークーゼン戦で起用してくれ、続くブレーメン戦ではスタメンでした。そうしてトップチームに定着しました。ホラーバッハ監督のもとでは5試合も試合から遠ざかっていたので難しかったですが、U−21のクリスティアン・ティッツ監督が昇格して来ました。僕にとっては、ティッツ監督は重要な存在です」

 その理由は、ティッツ監督の好むシステムにあるようだ。「僕の長所はボールを持ってからの1対1です。自分は、選手としてはリスクを犯すタイプです。これは、まさにクリスティアン・ティッツ監督のもとで与えられた僕の役割と合致しています」とU−21チーム時代からの恩師との仕事にやりやすさを感じているようだ。

 また、伊藤にはお手本にしている選手たちの名前も数人挙げた。「僕と体格的に似ている選手全員です。例えば、フランク・リベリー、ドリース・メルテンス、ロレンツォ・インシーニェ、あるいはエデン・アザールですね。彼らは、みんな小柄で、ドリブルが好きな選手たちです。彼らは、ウイングの選手にとって、小柄な体格がハンデにならないことを示してくれています」

 ドイツ国内でも伊藤の日本代表入りが噂されているが、個人的には意に介していないようだ。「日本の新聞で『伊藤が代表招集のテーマになるかもしれない』という話は読みました。でも、僕自身は何も聞いていませんし、今はHSVの仕事に集中するだけです」と奇跡の残留に向けて、”は全力を尽くすことを誓った。

 『キッカー』紙が”シャイなヤングスター”と呼ぶ伊藤の活躍に、ドイツ国内外でも関心が集まっている。

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