13日のチーム練習に参加した武藤嘉紀。負傷欠場が続いているが、表情は晴れやかだった [写真]=湊昂大
「ここで無理するか、無理しないか」。負傷離脱が続いているマインツのFW武藤嘉紀は、復帰に向けてジレンマに悩まされている。
武藤は11月18日に行われたブンデスリーガ第12節のケルン戦で負傷。FC東京時代にも悩まされた腰を痛め、翌13節のフライブルク戦を欠場すると、12月に入ってチーム練習に復帰したが、これまで4試合欠場と戦線離脱が続いている。
第16節ドルトムント戦翌日の13日、武藤はサブ組メインで行われた練習に出席し、ミニゲームにも参加するなど、全メニューを消化した。それでも、まだ試合復帰は厳しいようで、練習後の取材に対し、「完璧に治すのに時間がかかる。できるのはできると思うけど、(痛みや違和感が)ずっととれずにいる」と説明。「(腰を)1つ痛めているだけで、何もできないもどかしさ。他は万全なのに」と明かした。
それでも、武藤の出場意欲は高い。その一方で完治を優先させる必要性も理解している。「出たい気持ちもあるけど…治さないと。でも、出たい気持ちの方がもちろん強いから、ぶり返し、ぶり返しで長くなっている。そこは1回しっかり治すのか…難しいところです」と復帰へのジレンマを語った。
前半戦の残り2試合も欠場する可能性があるようだ。「やっぱり来年が一番大事。もちろん、この2試合で結果を出すのも大事だけど、それでもう1回(痛みが)ぶり返すのはきつい」と話し、「オフ(ウィンターブレイク)があるから、そこでゆっくり治せることもできる」と来年復帰の可能性も示唆。しかし、「だけど、ここで(コンディションを)少し上げておきたいというのも、もちろんある」と続け、自身も判断しきれていない様子だった。
取材・文=湊昂大