シャルケ戦前にウォームアップする香川真司 [写真]=Borussia Dortmund/Getty Images
“ダービー・ヒーロー”に出番は訪れなかった。ドルトムントに所属するMF香川真司は、25日に行われたブンデスリーガ第13節のシャルケ戦で、リーグ戦3試合ぶりのベンチスタートとなった。
通算10試合出場4得点とダービー戦で勝負強い香川は、今節の大一番でも活躍が期待されていた。23、24日には“ダービー・ヒーロー”としてクラブ公式番組にゲスト出演した動画が公開され、マッチデープログラムでは表紙を飾り、8ページにわたる特集が掲載されていた。しかし、5試合ぶりの出番なしに終わり、活躍するチャンスさえ与えられなかった。
ドルトムントは前半の内に、ガボン代表FWピエール・エメリク・オーバメヤン、オウンゴール、ドイツ代表MFマリオ・ゲッツェ、ポルトガル代表DFラファエル・ゲレイロの得点で4点リードを得る。だが、後半は一転して、シャルケに奇跡的な追い上げを許し、後半アディショナルタイムに劇的同点弾を浴びて、4-4のドローに持ち込まれた。
ピーター・ボス監督は68分に、ウクライナ代表FWアンドリー・ヤルモレンコに代えて、スペイン代表DFマルク・バルトラを起用。72分にオーバメヤンが2枚目のイエローカードで退場になると、78分には負傷したゲッツェに代えてドイツ代表MFゴンサロ・カストロを、83分には守備固めのためゲレイロを下げてU-19フランス代表DFダン・アクセル・ザガドゥを投入。香川には声がかからなかった。
“ルール・ダービー”で初めての出番なしとなった。香川はドルトムント加入後すぐの2010年9月19日のシャルケ戦で2ゴールを挙げ、鮮烈なダービーデビューを飾った。その後、2011年2月4日の試合は中足骨の骨折により負傷欠場したが、それ以外は同年7月23日のスーパーカップを含む全9試合に出場(先発7試合、途中出場2試合)。今試合は初めてダービー戦をベンチで見守った。
劇的ドローに持ち込まれたドルトムントは試合後、香川を含むほとんどの選手が取材対応を回避してスタジアムを後にした。ボス監督は試合後の記者会見で「ただただ失望している。前半は懸命なパフォーマンスを見せた。チャンスを完璧にものにしていた。後半はサッカーをプレーするのを止めてしまった。失点の仕方を見ると、どれも簡単に許している」と振り返った。