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3戦ベンチを経て勝ち取った今季初戦スタメン…浅野「何とかひっくり返そうと思った」

2017.08.14

ドイツでの2年目に臨んでいる浅野拓磨 [写真]=Bongarts/Getty Images

 悔しいシーズンが終わって3カ月、浅野拓磨のドイツ2年目の戦いが幕を開けた。シュトゥットガルトは13日に行われたDFBポカール1回戦でエネルギー・コットブス(4部)と対戦。2-2のまま突入したPK戦を4-3で制し、なんとか2回戦に駒を進めた。

 先発出場した浅野は、今シーズンの公式戦初戦を「自分のアピールの場」とし、「どんどんゴール前で勝負していきたいと思っていた」という。その言葉どおり、序盤から積極的だった。8分には左CKのこぼれ球を拾って左足シュート。12分にはペナルティエリア内右から強烈な右足シュートを放ったが、クロスバーに阻まれた。その後も裏への飛び出しからチャンスを演出するなど、55分に途中交代するまで、昨シーズンの悔しさを吹っ切るかのような力強いプレーを見せた。

 シュトゥットガルトが2部優勝と1年での1部昇格を果たした5月、チームの歓喜とは裏腹に浅野は悔しさを噛み締めていた。優勝と昇格が懸かった重要なラスト3試合で出番なし。チームの奮闘をベンチで見守るしかなかった。「試合に出て喜んで終わりたかった。悔しさのほうが大きい」と正直に喜ぶことができないまま、ドイツ1年目を終えていた。

 それから3カ月、今シーズンの公式戦初戦で“4試合ぶり”の先発出場を勝ち取った。「個人のところでどれだけ動けて、どれだけ目の前の相手との勝負に勝てるかが日頃の練習のアピールになる。練習でもサイドをやることが多く、なかなかゴールの距離は遠いけど、1対1で負けないことや、攻撃だけじゃなく守備の部分でもしっかり走ることは常に意識しているので、そういったところが今日のスタメンにつながったと思う」。

 ただ、「この試合もギリギリでスタメンに入った感じだった」と振り返る。「最後の練習試合でスタメンに入っていなかったので、すごく危機感を感じました。カップ戦までになんとかひっくり返してやろうと思って練習してきた」。その努力が実った結果となったが、それでも「スタメンに定着できている立場ではない」と気を緩めない。「安心感は全然持ててないので、引き続き危機感を持ってやっていきたい」とポジション確保を目指す。

 次の試合は19日に行われるブンデスリーガ第1節のヘルタ・ベルリン戦。「1部でやれることは非常に楽しみ」と1部初挑戦に心を躍らせる浅野だが、ゴールやアシストの結果を残すためにも「まずは試合に出ることしか考えていない」。3カ月前に悔しさを味わった経験があるからこそ、次のブンデスリーガ開幕スタメンの座もそう簡単に渡さないはずだ。

文=湊昂大

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By 湊昂大

Kota Minato イギリス大学留学後、『サッカーキング』での勤務を経てドイツに移住して取材活動を行う。2021年に帰国し、地元の広島でスポーツの取材を中心に活動中。

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