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宮市亮に捧ぐ、「前十字じん帯損傷」から完全復活した9人の名選手

2017.06.29

長期離脱を余儀なくされた宮市亮 [写真]=Getty Images

 28日、ドイツ2部のザンクト・パウリは、元日本代表FW宮市亮が右ひざの前十字じん帯を断裂したことを発表した。

 プロ入り後ほぼ毎シーズン、ケガに悩まされてきた宮市。ザンクト・パウリ加入直後にも左ひざの前十字じん帯を損傷しており、これで左右両足のじん帯を負傷したことになる。スピードのある選手の宿命ともいえるが、今後のサッカーキャリアにどのような影響を及ぼすのか心配される。

 ただ、昨今は医療技術の進歩により重傷から復活を果たすケースも増えてきた。そこで今回は、宮市の早期復活を願い、「前十字じん帯(ACL)の損傷・断裂の大ケガから復活した9人の名選手たちを紹介したい。

■ラダメル・ファルカオ(コロンビア代表FW)

今季はモナコで再ブレイクを果たした [写真]=Getty Images

 不運にもACL損傷に苦しむことになった選手のひとりであるファルカオ。両足のひざに3度も深刻なケガを負ってきたことを考えてほしい。最初に右ひざを痛めたのは、リーベル時代の2005年11月。数カ月後に復帰したものの悪化させたことによって結局10カ月も離脱することに。その後、南米で最も怖ろしいストライカーの一人として見事な復活を遂げた。さらにポルトとアトレティコ・マドリード時代には世界屈指のストライカーになったが、3度目のひざの負傷によって彼の全盛期は終わってしまったかに思えた。だが、2016-17シーズン、モナコでリーグ・カップを合わせて30ゴールを記録するなど、リーグ制覇とチャンピオンズリーグベスト4入りの原動力として完全復活を遂げた。

■アラン・シアラー(元イングランド代表FW)

ニューカッスルでは通算148得点を記録した(写真左)[写真]=Getty Images

 彼もまた素晴らしいストライカーながら、ケガというケガを経験した選手だった。イングランド史上最高額(当時)でブラックバーンに加わった1年目に、ACL損傷に見舞われた。だが、ものすごい復調を果たし、翌シーズンには40試合31ゴールを記録。「FWA Footballer of the Year」を受賞した。その数年後、ニューカッスル時代には足首のじん帯を損傷。2度も大ケガを負ったにもかかわらず、プレミアリーグ史上最多スコアラー(260得点)に君臨している。

■アレッサンドロ・デル・ピエロ(元イタリア代表FW)

ユヴェントスのレジェンドも大ケガを乗り越えた [写真]=Getty Images

 ファルカオと同様に彼もまた全盛期にACL損傷に見舞われる不運を味わった選手だ。負傷した1998年当時、彼は世界最高のアタッカーの一人として評価されていた。前年には47試合32ゴールを記録し、スクデット獲得とCL準優勝に貢献したのだが、この年は傍観する立場に……。復帰後はスピードが落ちたが、より深い位置のFWとして見事な適応をみせ、ユヴェントスでその後も13シーズンプレー。イタリア代表として2006年のW杯では優勝も経験した。その後、オーストラリアとインドでもプレーし40代まで現役を続けた。

■ロイ・キーン(元アイルランド代表MF)

今もなおマンUのファンから愛され続ける存在だ [写真]=Getty Images

 10年以上に渡ってマンチェスター・Uの原動力だったロイ・キーン。ACLの損傷によって、1997-98シーズンを実質的に棒に振ってしまった。また、負傷を巡ってノルウェー人MFアルフ・インゲ・ホーランと熾烈な確執が生まれた。負傷からの復帰後は「Box to Box」なエンフォーサーというそれまでのスタイルと全くの同一ではなくなったが、その後もユナイテッドに多大な影響力をもたらす選手であり続けた。

■ロベール・ピレス(元フランス代表MF)

アンリやヴィエラらとともにアーセナルの黄金期を支えた [写真]=Getty Images

 アーセナル在籍時の2001-02シーズン、ティエリ・アンリやデニス・ベルカンプ、パトリック・ヴィエラらとともにプレミアリーグを制したピレス。シーズン終盤の3月にACLを損傷したにもかかわらず、『FWA Footballer of the Year』を受賞した。ただ、このケガによってピレスは2002年W杯を欠場。翌シーズンはマンチェスター・Uに優勝をさらわれ、アーセナルファンは7カ月もの間、彼がいなかったことを嘆くことに。

■ルート・ファン・ニステルローイ(元オランダ代表FW)

大ケガを乗り越えマンUでエースとして活躍 [写真]=Getty Images

 1999-00シーズンにPSVで23試合29ゴールと大爆発した後、クラブレコードでマンチェスター・Uへ移籍することが内定していたファン・ニステルローイ。だが、決定の数日前に右ひざのACLを損傷したことで、ユナイテッド行きが立ち消えに。1年ほど離脱することになったが、サー・アレックス・ファーガソンの熱意は変わらず、翌年の夏に1900万ポンドで移籍が決まった。ファーガソンからの信頼は、219試合150ゴールというユナイテッドでの立派な記録に反映された。

■ロベルト・バッジョ(元イタリア代表FW)

カルチョ黄金期を彩った名選手 [写真]=Getty Images

 1993年のバロンドール受賞者であるバッジョは、世代トップの選手のひとりだった。そんな彼もまたキャリアを通じてひざのケガと戦い続けた。当時18歳だったヴィチェンツァ時代、右ひざのACLと半月板を損傷。2箇所を負傷する酷いケガによって、そのキャリアが本格的に始まる前に終わる可能性さえあった。重傷を負ったにもかかわらずフィオレンティーナは獲得を決めたが、その後も再びひざのじん帯を痛める不運を味わった。キャリアを通じてケガに苛まれ続けたバッジョだが、クラブレベルのみならず、アズーリでも56キャップを記録するなど輝きを放ち続けた。

■フランチェスコ・トッティ(元イタリア代表FW)

昨シーズン限りでローマを退団した [写真]=Getty Images

 2007-08シーズンの終盤、ローマのカピタンはリヴォルノ戦でACLを損傷。数週間後に控えていたコッパ・イタリア決勝を逃すことに。4カ月離脱することになったが、復帰後は完全復活をみせた。2016-17シーズンいっぱいでローマを退団し現役引退を囁かれているが、J2東京ヴェルディが獲得に乗り出していると伝えられる。

■シャビ(元スペイン代表MF)

現在はカタールのアル・サッドでプレーする [写真]=Getty Images

 バルセロナ史上最多出場記録(767試合)を誇るシャビは、ほぼ常にシーズン50試合以上でプレーし続けた。ただクラブのレジェンドになる途中だった2005-06シーズン途中にはACL損傷で、4カ月も離脱することに。残りシーズンと2006年W杯も欠場するのではないかと思われたが、CL決勝でベンチ入りしたほか、W杯の代表メンバー入りも果たした。この重傷を乗り越えた経緯を考えると、最多出場記録はより印象的なものになる。

(記事提供:Qoly)

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