史上初の5連覇を達成したバイエルン [写真]=DFL via Getty Images
バイエルンが史上初の5連覇を達成し、少なくとも今シーズンを良い形で締めくくる“慰め”を手にしたようだ。
4月30日のドイツ紙『ビルト』によると、バイエルンの元ブラジル代表DFラフィーニャが優勝決定の祝勝パーティのあと、翌朝まで熱唱していたようだ。ラフィーニャは朝の7時までインスタグラムにお祝いの様子を載せており、ブラジルの音楽に合わせてお酒を片手に熱唱している様子が伝えられた。
優勝を決めた試合後、キャプテンの元ドイツ代表DFフィリップ・ラームがキャリアで初めてゴール裏の柵に上がり、メガホンで音頭を取る姿や、イタリア人のカルロ・アンチェロッティ監督がドイツ語で選手たちに混じってバイエルンの応援歌をゴール裏のサポーターたちと歌う様子がカメラに収められた。
試合後は、カール・ハインツ・ルンメニゲ会長が「すでに準備は始めてある。今日は素晴らしいパーティになるぞ!」と言えば、ラームは「お祝いすることがあるなら楽しまないといけない。リーグ王者のタイトルも当たり前のようにプレゼントされるものじゃないんだから!」と現役最後のリーグ優勝パーティを楽しんだようだ。
ロッカールームではバイエルン州の白ビールとシャンパンを開けながら踊り回り、チャーター機の中では缶ビールとデリバリーのピザを楽しみ、ミュンヘンでは高級レストランを貸し切り朝方までパーティは続いたと詳細が伝えられた。
しかし、お祝いモードもそこそこに、バイエルンはすでに来シーズンに向けて準備を始めているようだ。4月以降の『シュポルト・ビルト』誌では、来シーズンに向けて1億ユーロ(約122億円)の予算を組んだ大型補強が計画されていると定期的に伝えている。
一方で『ビルト』紙によると、移籍金に関して話題となったポルトガル代表MFレナト・サンチェスについては、クラブ首脳陣がレンタル移籍も検討しているという。
アンチェロッティ監督は今年1月30日付の『kicker』誌のインタビューのなかで、「サンチェスは素晴らしいパワーを秘めているが、まずは正しい方向にそれを使えるように導かなくてはいけない」と起用に消極的な理由を挙げている。バイエルンは追加払いの報道を否定したものの、消化試合となる残りの3試合での起用法で、サンチェスに対する期待値も見えてくるだろう。
スペイン、イングランド、ドイツ、オランダの国内リーグで合計10冠を達成し、母国のレジェンドであるヨハン・クライフ氏と並んだオランダ代表FWアリエン・ロッベンはすでに来シーズンを見据えているようだ。
『kicker』誌によると、ロッベンは「本当なら来週はシーズンで最も重要な試合(チャンピオンズリーグ準決勝)を迎えるはずだったんだけどね。ドイツでは皆がバイエルンが王者になるのは当然だと言うけれど、そんなはずはないんだ。誰も始めからプレゼントなんかしてくれない、自分たちでそれを勝ち取らないといけないんだから。母国オランダの伝説的な選手と同じ数だけのタイトルが取れたなんて悪い気はしないね。来シーズンは、その記録を塗り替えられるかもしれないんだ。そうすれば、もっと大きな喜びを感じられるだろうね」と話している。
1度喜びを爆発させ、すぐに来シーズンの準備に備える周到な王者バイエルン。勝ち続ける術を心得ているさまを見せつけている。