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「プラン通り」にバイエルン撃破…ホッフェンハイムの青年監督に注目集まる

2017.04.06

能力の高さから注目を集めているナーゲルスマン監督 [写真]=Bongarts/Getty Images

 4日に行われたブンデスリーガ第27節で首位バイエルンを破った試合後、ホッフェンハイムのユリアン・ナーゲルスマン監督は記者陣に「勝利はちょっとした麻薬に似ている。もしかすると、強いものかもしれない。麻薬をやったことはないけれど、そういうふうにイメージはできる」と答えた。

 試合後の記者会見では、「立ち上がりから、プラン通りの展開となった」と手応えを語った。敵将のカルロ・アンチェロッティ監督も「ホッフェンハイムにはおめでとうと言いたい。彼らの試合の入り方には驚かされた。高いインテンシティと素早いカウンターに苦しめられた」と脱帽するほどだ。

 この勝利を受けて、ドイツ代表のヨアヒム・レーヴ監督が将来の同代表指揮官候補として称賛し、バイエルンのウリ・ヘーネス会長が「いつか、一度はバイエルンが招へいを検討するであろう監督の1人」と熱視線を送る青年監督を、ドイツ紙『ビルト』も改めて紹介している。

 29歳の若き指揮官の戦術については、ボールを獲得してから13秒以内にシュートを打ち切ることをコンセプトに、「大前提的に2タッチがプレーの原則。ボールを受けて、パスをはたく。これが常に望むプレーなんだ」と監督自身の言葉とともに説明。

 ディティールにこだわるナーゲルスマン監督はトレーニング中にドローンを飛ばしたことがドイツ各紙の話題になったこともある。他には、自身の声がピッチ上に良く届くように言語聴覚士をつけてトレーニングしているという。

 現役時代にケガで早くして現役引退を余儀なくされたとき、当時所属していたアウクスブルクのBチーム指揮官は、現ドルトムントのトーマス・トゥヘル監督だった。引退直後にはビデオ分析担当アシスタントに任命した旧知の仲だ。今シーズンの12月16日に対戦した時(2-2の引き分け)には、トゥヘル監督が「現役時代も、今日の試合ぐらいアグレッシブにプレーしてくれれば良かったんだけどな」と記者陣を笑わせている。

 王者バイエルンを破り、能力の高さを証明したナーゲルスマン監督の挑戦は続く。「監督とクラブは恋愛みたいなもの。そのときは最高の関係が続くように見えても、半年後には『なんでこんなやつを選んでしまったんだ!』ということもたびたび起こるものさ」とユーモアも備えた青年監督の今後の去就に注目が集まっている。

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