第20節のヘルタ戦で2ー0の快勝。シャルケが復調の気配を見せている
第20節のヘルタ・ベルリン戦で2-0の勝利を飾ったシャルケ。第19節ではバイエルン・ミュンヘン相手に敵地で1-1と善戦するなど、復調の兆しを見せている。後半戦の初戦でアイントラハト・フランクフルトにホームで敗れたが、シャルケにとってはそこが一つの分岐点だったようだ。彼らが息を吹き返しつつある4つの理由を挙げていく。
1)勇気と意欲
「あの敗戦後、チームとともにワードワークした。あのままでは勝てないということは誰もが分かっていた」。マークス・ワインツィアル監督はフランクフルト戦後のチームの様子をそう振り返る。勇気を欠いた消極的な姿勢が、あらゆる場面でブレーキになっていた。丁寧なパスを通す代わりにロングボールを放り込んでいては、結果につながりようもない。それはサポーターにとっても喜ばしいものではなかった。
しかしヘルタ戦では勇敢に、そして意欲的にボールを動かし、全く別のサッカーができることを示した。「重要なのはヘルタのような守備の固いチームを相手にコンビネーションを生かしたサッカーができたこと」。チームの2点目を決めたレオン・ゴレツカは勝利を喜ぶとともに、内容への手応えを口にした。
2)チームワークと団結力
ヘルタ戦の勝利はチームが一丸となった結果でもあった。守備陣を束ねるナルドはこう語る。「チームとしてコンパクトな陣形を保ち、デュエルにも積極的に挑んでいた。たとえ誰かがミスをしても他の選手がすぐにカバーできるようにしていた」
シャルケは再びチームとして機能し始めた。一人ひとりがチームの一部として動くことで、それぞれの持ち場とポジショニングがはまったのだ。フランクフルト戦後にはスタンドから容赦ないブーイングが浴びせられたが、ヘルタ戦では後半途中の時点で大歓声が沸き起こっていた。
3)新戦力
冬の移籍マーケットで加入したダニエル・カリジュリとギド・ブルクスタラーに懐疑の目が向けられていたのはすでに過去のこと。今冬はクリスティアン・ハイデルSDの手腕が光った。1トップを担うブルグスタラーと、その背後でプレーするカリジュリは加入直後からシャルケの攻撃をけん引。ワインツィアル監督も「2人はコンビネーションが良く、呼吸も合うようになってきた。どちらもボール扱いがうまく、常に相手選手の一歩先に動くことができる」とチームの戦力になったコンビを称えている。
守備に目を向ければ、今冬3人目の補強選手となったホルガー・バートシュトゥーバーが3バックの一角にすんなり収まり、中盤ではベンジャミン・スタンブリが本領を発揮。この活躍にはナルドも、「彼はシーズン序盤に苦労したが、ここにきてその能力を発揮している」と信頼を寄せる。
4)リニューアルされたピッチ
年明け初戦のインゴルシュタット戦、続くフランクフルト戦とホームで思うようなパフォーマンスを出し切れなかった理由の一つに、細かいパス回しに向いているとは言えないデコボコのピッチがあった。しかし、その後にピッチを全面リニューアル。その成果はヘルタ戦でのチームの戦いぶりを見れば一目瞭然だ。ゴレツカは「サッカーをやったことのある人間ならばその違いが分かるだろう。ピッチ状態はプレーする上で大事な要素」と、新たな芝に合格点を与えている。
2月16日には欧州リーグのPAOK(ギリシャ)戦が控える。「敵地でもいい試合をして、セカンドレグにつながるような結果を持ち帰りたい」。ハイデル氏はこのままチームがいい流れに乗っていくことを期待している。