ブンデスリーガで数々の偉業を成し遂げた名将ヒッツフェルト氏による恒例の今後の展望
約1カ月のリーグ中断期間を経て、ブンデスリーガは1月20日(金)にフライブルクとバイエルン・ミュンヘンの一戦で再開する。後半戦を前に、ブンデスリーガ公式サイトではオットマー・ヒッツフェルト氏にインタビューを行い、優勝争いと上位争いの行方を予想してもらった。バイエルンを5回、ドルトムントを2回のリーグ優勝に導いた名将の展望は?
――バイエルンがトップで走り抜けるでしょうか、それとも優勝争いは接戦となるでしょうか?
ヒッツフェルト リーグ再開後の5試合、バイエルンは4試合をアウェーの地で、ライプツィヒは3試合をホームの観客の前で戦います。このことを考えると、数週間はこのまま僅差の状況が続くでしょう。それでも、バイエルンはトップの座を守ると思います。総合的なクオリティーはライプツィヒより圧倒的に上だからです。現在、バイエルンは間違いなく、優勝候補の筆頭です。カルロ・アンチェロッティ監督の頭の中には理想のフォーメーションが出来上がっているはずです。前半戦は何度も実験し、ローテーションを繰り返しましたから。今後、チームはもっと優勢に、さらに主導権を握ってプレーすると確信しています。
――とはいえ、ライプツィヒは今後も世間の注目を集めるでしょうか?
ヒッツフェルト 私は今季のバイエルンにとって、優勝争いの唯一のライバルはライプツィヒだと見ています。それ以外のクラブはただ単に、大きく離れて過ぎていますから。ライプツィヒは第二のホッフェンハイム(※)にはならないでしょう。ライプツィヒは安定しているし、資本も多い。ラルフ・ハーゼンヒュットル監督は将来性のある多くの選手を使うことができます。経験も大きな役割を果たすでしょうし、ライプツィヒが2、3試合負けた後にどのような反応をするのか、観察するのは面白いでしょう。それは、未知の世界ですからね。でも、すぐにホームで3試合があるので、調子を早く取り戻すためには好条件です。
(※)ホフェンハイムはブンデスリーガに昇格した2008/09シーズン、首位で前半戦を折り返したが、後半戦で失速して最終順位は7位となった。当時のホッフェンハイムの監督は現在ライプツィヒでスポーツディレクターを務めるラルフ・ラングニック氏
――ドルトムントが少なくともライプツィヒを2位の座から引きずり落とす可能性はあるでしょうか?
ヒッツフェルト ドルトムントはチャンピオンズリーグ(CL)の自動出場権(※)を獲得できると思います。それが目標でもあるべきです。ドルトムントはここまでのリーグ戦では、期待に応えていませんから。負傷者が多く出たことは残念でしたが、それでもチームには負傷者を補うことのできるメンバーがそろっています。何試合も不用意に負けてしまいました。私はライプツィヒにとって、唯一のライバルがドルトムントだと見ています。
(※)3位以上
ダークホース組の後半戦、CL常連組の巻き返しは?
――現在までサプライズな活躍を見せているのはヘルタ・ベルリンとアイントラハト・フランクフルト、ホッフェンハイムです。最後に4位の座を射止めるのはどのチームでしょうか?
ヒッツフェルト まず、これらのチームは今季の序盤から最高限度でプレーしています。彼らがもう1ラウンド、サプライズなプレーをするとは期待できません。ただ、チームの攻撃のオプションという点では、フランクフルトがこの中で一番強いでしょうかね。ニコ・コバチ監督も素晴らしい仕事をしています。
――レヴァークーゼンやメンヘングラートバッハ(ボルシアMG)、ウォルフスブルク、シャルケら上位常連組がベスト4に滑り込むことはできるでしょうか?
ヒッツフェルト これらのチームは前半戦の成績が悪く、大きなプレッシャーがかかっているでしょう。もし、また不調に陥ってしまったら、欧州カップ戦に出場できる順位に辿り着くのは厳しいです。勝ち点の貯金もありませんし、これ以上負けることは許されません。トップパフォーマンスを取り戻すのは、とてつもなく大変です。でも、もしそれができるチームがあるとしたら、私はレヴァークーゼンだと予想します。周囲を取り巻く環境は静かですから。シャルケの場合、そうはいきません。ウォルフスブルク(13位)とボルシアMG(14位)はすでに離れ過ぎています。