第9節ではルールダービーの熱狂の陰で様々な選手、監督が存在感を示した
ドイツで一番熱いダービーに話題をさらわれまいと、“ロべリー”に代わるスーパーコンビが誕生。アラサーの“すい星”も確認された第9節、各試合を盛り上げた5つのトピックスを紹介していく。
1)ルールダービー、火花を散らした結果は……
ドルトムントとシャルケによるリーグ通算89回目のルールダービーは、両チームともに決め手を欠いて10度目のスコアレスドローに終わった。それでもファウル33回、8枚のイエローカードが乱れ飛ぶ熱戦に8万179人の大観衆は熱狂。選手たちは終了のホイッスルの瞬間まで死力を尽くした。ドルトムントはこれでホーム無敗記録を26に伸ばしたものの、リーグ戦では4試合白星がなく複雑な引き分け。一方のシャルケは公式戦7試合連続で勝ち点を手にし、完全復調をアピールした。
2)“ロベリー”の次は“ロバンドフスキ”
バイエルン・ミュンヘンのロベルト・レバンドフスキとアリエン・ロッベンが、アウクスブルク戦で新たなドリームコンビを結成した。まずはロッベンのアシストからレバンドフスキが480分ぶりに得点を挙げて5試合続いたノーゴールに終止符を打つと、そのお礼と言わんばかりに今度はレバンドフスキがロッベンのゴールをお膳立て。さらに再びロッベンのアシストからレバンドフスキが決めて、チームの全3ゴールを“ロバンドフスキ”が独占した。
3)先発出場よりも大事なもの
物事には優先順位がある。この週末、まさにそんな状況にあったのが、マインツのカリム・オニシウォだ。オニシウォはインゴルシュタット戦に先発出場する予定だったが、なぜかその姿はピッチ上に見られなかった。理由は息子のリロイくんの誕生。マーティン・シュミット監督は「彼のもとに病院から電話が入ったんだ。今夜か明朝に産まれそうだってね」と、事の成り行きを説明した。シュミットはキックオフ直前に先発メンバーを書き換え、「行っておいで! 君のために勝利をつかんでおくから」と言葉をかけ、オニシウォを病院へ送り出した。監督はしっかりとその約束を果たし、パパになったばかりのオニシウォに2-0の勝利を届けた。
4)ライプツィヒの切り札
もう誰もライプツィヒを止められない! ブンデスリーガの新入りがダルムシュタットを2-0で下して4連勝を飾り、2位の座をがっちりキープした。勝利の決め手となったのはリーグナンバーワンのクオリティーを誇る“ジョーカー”の存在。ダルムシュタット戦では途中出場のマーセル・ザビッツァーが2ゴールを挙げ、これでライプツィヒの途中出場選手によるゴールはリーグトップの「7」となった。ザビッツァーは2週間前に右くるぶし外側のじん帯を傷めたばかり。ぐるぐる巻きの包帯は痛々しかったが、見事に指揮官の起用に応えた。
5)すい星の名は…ナゲルスマン!
ホッフェンハイムが好調ヘルタ・ベルリンを1-0で振り切り、開幕からの無敗をキープした。ここまでの成績は5勝4分けで堂々の3位。チーム躍進の立役者は29歳の指揮官、ユリアン・ナゲルスマンだ。同監督が就任した今年2月以降、ホッフェンハイムはリーグ戦23試合で42もの勝ち点を積み上げている。同じ期間でこの数字を上回るのはバイエルンとドルトムントのみ。リーグ最年少指揮官が監督としてのキャリアを最高の形でスタートさせた。