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独杯から“ジャイキリ”が消える? 「強豪クラブ1回戦免除」の案に賛否両論

2016.02.15

1回戦でバイエルンと対戦した5部のネッティンゲン [写真]=Bongarts/Getty Images

 ブンデスリーガが新たな改革に乗り出すつもりだ。

 一時は低迷していたドイツサッカー界も、2000年に同国サッカー連盟(DFB)が行った指導者および若手育成改革により、2000年代中頃から将来有望な若手を次々と輩出。現在は欧州のトップリーグでプレーするドイツ出身選手が数多く存在し、UEFAリーグランングでもブンデスリーガは3位プレミアリーグに約2700ポイントの差をつけ2位している。

 しかしDFBはさらなる飛躍を目指している。ドイツ紙『ビルト』によれば、チャンピオンズリーグ(CL)やヨーロッパリーグ(EL)などの欧州カップ戦で、ブンデスリーガクラブがこれまで以上の好成績を収めることを目指し、1935年から続く歴史ある大会、DFBポカール(ドイツ杯)の大会規定を変更する予定だという。

 同大会は通常8月に1回戦が行われ、そこにはブンデスリーガ1部18クラブ、同2部18クラブ、3部以下のアマチュア28クラブの計64クラブが参戦する仕組みとなっているが、2019-20シーズンからの適用が予定されている新案では、そのシーズンにCLおよびELに出場するクラブは1回戦が免除されることになるそうだ。

 それらの大会に出場することが濃厚なバイエルン、日本代表MF香川真司が所属するドルトムント、DF内田篤人所属のシャルケ、レヴァークーゼンなどの強豪クラブにとっては、過密日程を防ぐことができるためメリットが非常に大きい。しかしそれは同時に、苦しい地域予選を勝ち抜いたアマチュアクラブにとって、ブンデスリーガのトップチームと対戦できるチャンスから遠ざかることを意味する。

 では、その煽りを最も受けることになるアマチュアクラブ関係者は、どのようなリアクションを見せているのだろうか?

 ハンブルク周辺地域での予選を勝ち抜き、今シーズンのDFBポカールに出場(※1回戦でフライブルクに0-5で敗戦)したバルムベーク・ウーレンホルスト(※5部リーグ所属)でマネージャーを務めるフォルカー・ブルム氏は「トップクラブがいないDFBポカールなんてとんでもない。そうなったら我々のポカールに出場する意味が激減してしまう」と話している。しかし、これとは真逆の意見もあり、FCオーバーラウジッツ・ノイガースドルフ(※4部リーグ所属)のスポーツディレクター、マンフレド・ヴァイトナー氏は「それは名案だ。そうすれば(アマチュア同士で対戦するため)1回戦を勝ち抜く可能性が高まり、クラブの収入も増えるからね」と、改革に賛成。アマチュアクラブの中でも意見が分かれている。

 ただし、『ビルト』が行ったオンライン調査(回答数4万2881)では72パーセントが「反対」としており、同紙オンラインユーザーの「それは改革ではない。(1回戦でビッグクラブと対戦できないのは)退屈だ。アマチュア対プロという試合はいつだって興奮するのに」といったコメントが大半を占めていた。良くも悪くも「リアリスティックで効率重視」と言われるドイツ人であるが、ことサッカーに関しては、ジャイアントキリングに思いを馳せる空想的な一面が強いのかもしれない(?)

文=鈴木智貴

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