ケルン指揮官の信頼を勝ち取った大迫、ポジション争いで一歩リードか

大迫勇也

ケルンに所属する大迫勇也 [写真]=Bongarts/Getty Images

 ケルンでの2シーズン目が始まった日本代表FW大迫勇也。自身にとって初めてのブンデスリーガ1部では、苦しいスタートを切ることになったが、後半戦、とくに残留をかけた終盤はチームにフィットして見事な仕事ぶりだった。

 地元メディアは、結果が出ずプレー機会も減る中で腐ることなく成長を遂げたその姿に、指揮官らが他の選手にも“大迫効果”を期待していることを伝えている。

 ケルンは、新しいシーズンに向けてFWを積極的に補強。ブレーメンに移籍したチーム得点王のFWアンソニー・ウジャの後釜としてホッフェンハイムからFWアンソニー・モデストを獲得。さらに、ペーター・シュテーガー監督の教え子として半年越しの加入実現となったオーストリア代表FWフィリップ・ホジナーに加え、カイザースラウテルンからはシモン・ツォラーが復帰する。

 ツォラーは大迫と同じ昨夏に、カイザースラウテルンから350万ユーロ(約4億8400万円)で加入。だが、新天地で結果を残せず、ウィンターブレイク中に自らの希望で古巣にレンタル移籍で復帰した経緯がある。

 地元紙『EXPRESS』は、新加入のFW2人が揃ってウィンターブレイクまで苦しんでいたことを振り返り、「ツォラーがカイザースラウテルンで昇格を目指して戦っている頃、心配をかけていたもう1人の子どもはシューティングスターへと登りつめた。後半戦、トップパフォーマンスを見せた大迫は今やチームになくてはならない存在だ」。

 困難な状況を前に対照的な行動をとった両選手を比べ、はい上がってきた大迫を称賛。シュテーガー監督も「ツォラーも、大迫の成長ぶりを見ていたはず」と、大迫の存在がツォラーにとって刺激になることを期待しているようだ。

 同じくケルンの地元紙『Kölner Stadt-Anzeiger』では、SD(スポーツディレクター)を務めるイェルク・シュマトケ氏が「ツォラー自身、ケルンに残留すべきだったと気づいているはず。同じ時期に、大迫がいかに成長していったかを見ているはずだから」と発言。大迫がクラブ幹部からも模範生として評価されていることが分かる。

 同SDは、「史上最大のポジション争い」としてケルンのFW争いを報じた『Bild』紙に対しても、「ユウヤは後半戦、持っている才能をいかんなく発揮し、それを続けてくれるだろう。今シーズン、彼を追い抜くのは難しいのではないか」と語っている。

 苦境を乗り越えたことでチーム内の信頼を勝ち取った大迫が、激戦区のFWで頭ひとつ抜けていることを伝えている。

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