バイエルン経営顧問、「クロップに断りを入れた」発言を謝罪

クロップ

ドルトムントを率いるクロップ監督 [写真]=Borussia Dortmund/Getty Images

 バイエルンの経営顧問を務めるヘルムト・マルクヴォルト氏が、2012-13シーズンに同クラブを三冠に導いたユップ・ハインケス監督の後任選びの際、候補として名の挙がったドルトムントのユルゲン・クロップ監督に対し、最終的には断りを入れていたと明かした件で、同氏が発言の内容を訂正し、謝罪した。

 マルクヴォルト氏は26日、ドイツのラジオ局のインタビューの中で、「彼(=クロップ監督)のことは本気で考えていた。ウリ・ヘーネス(当時の会長)から電話があり、『(ジョゼップ)グアルディオラに決めた。これからクロップに電話して、断りを入れる』と伝えられた」と発言。

 これが、“バイエルン、クロップを断っていた”として、瞬く間に大きなニュースとなったが、翌27日に騒動の発端となった張本人のマルクヴォルト氏が、「申し訳ないことをした。ドルトムントを怒らせるつもりも、ユルゲン・クロップを挑発するつもりもなかった。ちょっと言い間違えてしまった」と発言内容を訂正し、謝意を示した。

 同氏が通信社DPAに語ったところによると、当時はまだマインツの指揮官であったクロップ氏が、オットマー・ヒッツフェルト氏の後任候補として浮上した2008年の話だったとのこと。(ヒッツフェルト氏の後任には、ユルゲン・クリンスマン現米国代表監督が就任。時を同じくして、クロップ氏もドルトムントの新監督に就任した)

 バイエルンとドルトムントは、28日にDFBポカールの決勝進出をかけて激突する。

 このタイミングでの発言から、ドルトムントを揺さぶる作戦だったのではと思われても仕方ないが、ドルトムント側はクロップ氏の代理人が「バイエルンから断られたという事実はない」と即座に否定。

 当のクロップ監督も、27日に行われたDFBポカール準決勝に向けた記者会見の席上で、「ミスター・マルクヴォルトがたまに勘違いをするというのは、『フォークス』誌の読者の多くが知ってたんじゃないかな」と、マルクヴォルト氏が発行責任者を務める週刊誌『フォークス』を引き合いに出して笑いを誘う余裕を見せつけた。

 バイエルンの術中(?)には、はまらなかったようだ。

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