ドルトムントのMFブワシュチコフスキ [写真]=Borussia Dortmund/Getty Images
日本代表MF香川真司とMF丸岡満が所属するドルトムントのポーランド代表MFヤクブ・ブワシュチコフスキが、間もなく自伝『Kuba』を出版する。その中で同選手は、少年時代に味わった苦難について赤裸々に記しているという。
ブワシュチコフスキは10歳の時に親元を離れ、親族の手によって育てられている。父親が母親を刺殺し、一瞬にして実の両親を失ってしまったためだ。（父親は刑務所に服役）
そのあまりにも衝撃的なシーンを目撃してしまった同選手は、自伝出版にあたりドイツ紙『ヴェルト』とのインタビューで、「決して簡単なことではなかった。これまで忘れたことは1度もないし、今後も絶対に忘れることはできないだろう。そのことは僕の一部分として、生涯残り続けるんだ。あの光景は僕の人生を根底から揺るがし、一変させ、記憶に深く刻み込まれた。でも、僕を強い人間にするための何かがあの中に含まれていたと、僕は見ている」と話している。
そして、ブワシュチコフスキ少年が再び喜びの感情を手に入れたのは、事件から数年が経った後だった。
「僕は全ての感情を抑え込み、どんな気持ちも外に出すことができなかった。あのような記憶が頭の中にあると、感情表現をすることは本当に難しいことになってしまう。でも僕に選択肢はなかった。あの体験を受け入れる準備ができた時に初めて、僕は前への一歩を踏み出せたんだ」
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