2013.06.02

酒井高徳「自分らしさって何なのか今日の試合でちょっと掴めた」

酒井高徳
バイエルンの表彰式を見つめる酒井 [写真]=千葉格

ドイツの国内カップ戦であるDFBポカール決勝が1日に行われ、バイエルンと日本代表DF酒井高徳、FW岡崎慎司の所属するシュトゥットガルトが対戦。バイエルンが3-2で勝利し、チャンピオンズリーグ、ブンデスリーガに続くカップ戦制覇で、ドイツ史上初の3冠を達成した。

 試合後、67分から途中出場し、72分にチームの1点目となるマルティン・ハルニクのゴールをアシストした酒井が、以下のようにコメントし、試合を振り返った。

―先発を外れたのは?
「わかんないっすね。わかんないっていうか俺は、予想していたっていうか。前節のリーグ良くなかったのもわかっていたし…(スタメンはない)かなって感じですね」

―今週の練習からそんな感じだった?
「いや、そんなことはなかったですね。主力でもやっていたし、今日の布陣でっていうのもやっていたし。どっちになるかわからなかったというのはあったけど、自分では『(スタメンは)ないな』と思ってたんすけど。でも全然その準備も出来ていたし、今日スタメン聞いても全然、それが監督の選んだメンバーならって思って。途中から絶対出場はすると思っていたんで、その時は何が出来るかだけ、しっかり考えてプレーしようかなっていう考えではいました」

―途中から入るっていうのは、サイドバックとしてはなかなか考えづらいのでは?
「試合前に監督から『前で出る可能性もあるかもしれないから準備はしといて』とは言われていたんで、右、左の前後、どれかかなって思っていたんで、まあどこでも…決勝だし出られればいいかなって思っていたんで」

―練習通りの左で。
「はい。ずっと今週ずっと左で結構やってたんで」

―アシストのシーンも狙い通りだった?ハルニクが後ろから入ってくるのを見て?
「まあ2人・・・慎司さんがいてマルティンがいてってのいうは見えていたんで、ピンポイントまではさすがに狙ってなかったですけど、でも慎司さんに当たっても良かったし、それがこぼれても後ろにいくな、って思っていたんで。まああの2人のどちらかに合えばいいかなって思って上げてましたね。まあ…ホント言うと慎司さんを狙ったんですけどね(笑)」

―じゃあボールが伸びすぎたという感じ?
「でもマルティンもそんな後ろにいなかったんで。言っても5メートルくらい後ろだったんで。どっちに合ってもいいかなって思って上げたんで。イメージはファーだったんで、イメージは良かったかなと。細かく言うと…慎司さんを狙いました(笑)」

―ハルニクもドフリーだった。
「そうですね。向こうも疲れて前に人が出てこなかったんで、いい感じでボール回っていて、サイドがフリーだったんで。もらったらすぐ上げよう、と思っていて。良いボール上がったんで、シーズン通してアシストがなかったのに、なんでここに来てアシストが?って(笑)。でも来季に向けて、ここで良い一歩を踏み出せたというか。1つ自信になったというか。良い形で終われたのは、来年なんかあるのかなっていう…良い兆候と見て良かったかなと思いますね」

―2点目のCKの前に水を飲みに行った時に、ベンチから指示を受けていた。あれは何を?
「俺コーナー蹴りたくなかったんで、俺じゃないと思っていたし、(アルトゥール)ボカが蹴っていたんで、ボカが蹴ると思っていたのに、『お前行けよ!』って。で、水飲まされてそのままコーナー行って。案の定1回(キックがそのままゴール)ラインを割ったし、やっぱり蹴りたくなかったんですけど、でもコーナーから点になったんで良かったかなと思います」

――交代で入る時の指示は?
「なんも言われてないというか。雰囲気は感じ取れていたんで…3-0だし、前に行かなきゃいけないって思うし。でも『簡単にシンプルにお前の良さを活かせばいいと思う』って言われたんで。『難しいことせず簡単にガンガン行きながらシンプルにやってくれ』っていうのは言われました」

―リーグ戦後、2週間準備があった。逆にバイエルンのほうが前半はサイドをうまくつかえて狙いはしっかりしていたし、バイエルンの方が、しっかりシュトゥットガルトを研究している印象を受けたが。
「うーん、やっぱり両チームの戦術の分析をするわけで、ウチとしては『引いて(ボールを)取る』っていうよりは、『ハメて取りたかった』イメージで。でも、バイエルンのポジション取りとかはさすがだなと思ったり。やっぱり1人簡単にかわされてしまうと綻びが出てしまうというか、まあそのへんで、取りきれなかった部分で数的優位ができたのかなっていうのがひとつと。じゃあそうなったときに、俺らがやろうと、2週間してきたことが今日出来なかったと。前半、あるいは前半20分までは良かったと思うんですけど、でも、だんだんその流れが見えてきたわけで。そのとき本当に全員自分たちの陣地に入って、サイドはやらせて、中にボールを集めてそこで取るっていうイメージを、チームが共通で出来たら良かったのかなと。無理にプレッシャーをかけて取るっていうのを、やろうとしていることはいいとして、まあでもできないわけで。取れなかったわけで。うまくかわされていたわけなんで。そこをもうちょっと切り替えられたら、2失点目、3失点目はなかったかなと思いますね」

―そこはバイエルンの強さ?
「はい、もちろん。個々の、それこそさっき言ったかわす能力とか、そこの場面を打開できる選手が多すぎるというか。ボランチにしても、運んで1人2人かわしてあっさり数的優位を中盤に作ってしまうし。サイドでも簡単に下げなくて前に前に行って、寄ってきたらボランチがサイド変えてっていう」

―それで、最後フィリップ・ラームが上がってくると、捕まえ切れないっていうのが結構あった。
「そうですね。そのときに共通理解っていうか、必然的に普通はなるのかなって思うんですけど、サイドハーフがきゅっと中に絞ってきてボール受けるふりをして、ラームに入ったとしたらまた裏狙えばいいし、自分に入ったらまた、(アルイェン)ロッベンがやったみたいにオーバーラップして使って、ゴールと。いやもう…『ああこうやってサッカーするんだな』と思って見ていましたね、はい。ゲーム観ているみたいでした。『そうだよねー、そうだよねー』っていう。守備の部分はさすがだなと思ったり。もちろん個々の選手の能力とかを見ていて、『うわあ、うめえな、すげえな』と思って見ていましたけど。でもやっぱり、『そうやってサッカーするよねー』っていう感じのサッカーをしているっていうか。でも結局それで、ウチが良かったときに、じゃあバイエルンがどうやってサッカーしていたかっていうと、結局引いていたところからカウンターで精度高く、4人とか3人でシュートまで行って。だから、『何でもありだな、こいつら』と思って見ていましたね」

――今シーズン3回戦って、今回3点先に取られたけど一番崩れなかったのは?
「後ろの選手が失点のところ以外はしっかり集中していた部分はあるし、うちもチャンスがあったんで。バイエルンもなかなか、自分たちの思うようなリズムでずっと、というわけにはプレーできなかったと思うし。球際の部分では意識してアグレッシブにやっていたんで。五分のボールだったり、1対1の部分でうちが粘り強くやっていたのが、そういう結果になったかなと。戦術的にハマっていたっていう感じは正直感じなかったんで。でもそのへんは、上の部分で戦えたところが、結構自分たちのボールになって、リズムをなかなか掴めさせなかったのかなとは思いますね。うちにしては良い出来だったと思います。久々に外から見ていて、俺らはやっぱりこういう戦い方なのかなっていうのが自分の中で見れたし。入ったときに、逆に自分らしさって何なのかって、今日の試合でちょっと掴めたかなって。今シーズンはすごい周りに気を遣ってプレーした部分が多かったけど。チームのためと思っていたけど、結局自分に負荷がかかりすぎていたのかなと思ったんで。もっと、リスクを犯して攻撃しなきゃいけないし、自分の得意なところを出すことで結果が出て、試合に出られると思うし。弱いところを、必死にカバーしようとしても自分の良いところは出てこないと思うんで。今日のクロスに限っても、左ではすごく良いイメージがいろいろ湧いてくるんで。前に、裏に抜けようって、ボールが通れば本当に良いシーンがあったし。裏に行く動きっていうのはすごくよく出来ていたと思うし。思い切りの良さがやっぱり自分なのかなって。短い時間でちょっと掴めたかなと。もちろん、最低限やらなきゃいけないことはありとして。それでもやっぱり自分の長所はどこなのかっていうところを出すことが、特にこっちでは大事なのかなと、改めて思いましたね」

―気を遣うより長所をと?
「はい」

―酒井選手と岡崎選手が入ったくらいからチャンスが徐々にでき出して、最後もう1点惜しいところまで行ったが?
「いや、本当に惜しかったかなと思います。カウンターの質がちょっと悪かったのと、通ればというところも何個にあったし。もう1個、ああいう押し出しの時に落ち着いてサイドでというのが、出来たら。自分が上がって2、3回裏に抜けようとしたけど、やっぱりボールが来なかったりとか。ああいうところの精度とかが高かったら、もう1、2個はチャンスできたんじゃないかなと。でも最後のセットプレーとかも良いボールが入ったんで、入るかなあと思ったんですけど。慎司さん惜しかったし。『ヘディングして』っていうのがあったんで。ま、頑張ったと思います。2位で胸張って」

――決勝は、プロになってから初めて?
「はい、初めてです。2位も初めてです」

―上で戦えるというのは?相手はバイエルンだし、自分の中では良い成長したのを感じる?
「あります。本当に今日、決勝って良いなとやっぱ思えたし。なんか欲を言ったら、常にいれるチームにいたいなって思えるというか。『こういう決勝を何個もできたらいいな、試合に出られていたらいいな』っていう。やっぱり20分やって試合終わってみて、スタメンで出たかったなって、すごく悔しかった思いがあるし。一発勝負っていうのは、特にわからないものなので。チャンピオンズリーグで優勝したチームにこれだけやれるっていうのは、決勝ならではの雰囲気なのかなって思いました。スタジアムの雰囲気だったり、演出なんかを見ていても、まだ1回目ですけど、やみつきになりそうだな(笑)。これからは決勝っていう舞台だったり、1位、2位とか、そういう好成績に臨むっていうことは意識していきたいなって思いますね」

―20分の経験っていうのは、普通のリーグ戦とは違う?
「そうっすね。どう言ったらいいのか難しいですけど、でもやっぱり違ったと思うし、リーグ戦は続くけど、このポカールはここで終わりだし。ここ勝てば優勝っていう、一発勝負っていう感覚がすごく自信を持たせてくれるっていうか。俺らでもできるんだっていうのが、すごくみなぎってくるっていうか」

―ちなみにユースの大会とかで決勝というのは?
「こういう全国的っていうか、地域の決勝とかはありますけど、そういう大会の総合の優勝はやっぱりないですね」

―いろいろな選手が、優勝を1回経験してみたいと言う、そういう舞台の面白さみたいなのは今日の20分で感じた?
「感じました。やっぱ優勝してえなって思いましたし、見ていて、羨ましいなって思って。思いましたね、やっぱ。優勝したいなって」

―カップ戦って狙い目ですよね?
「いや、もう何でも良いですよ(笑)、正直。それこそ、将来バイエルンとか、ドルトムントとか、他のリーグの強豪だとしても、そういうところに行けたなら、それは贅沢な悩みかもしれないけど。『3冠狙うぞ』て言えるのかもしれないけど、やっぱこのチームで獲る優勝だから意味あるのかなって思う。チームの自信にもなるし、自分たちの自信にもなるし。まあ結果にもなるし。やっぱり良いものだなと、優勝は。見ていて思った」

―思ったより試合は互角だった?
「どっちも決められなかった。うちも前半の最初のチャンスが何個か入っていたら、多分もっと分かんない試合になっていたと思うし、逆に相手のも入っていたら分からなかったと思うし。そういう意味では互角かなと思うけど、内容的にはやっぱり圧倒されたかなっていうのがある。それでもさっき言ったみたいに球際のところで戦えたところが、そういう雰囲気を出さなかったところかなっていう。うちがずっと押し込まれている状態だっていうのに、そういう風に見えなかったのは、球際のところで戦えていたのが互角に繋がったのかなと思いますね」

―それを逆にリーグ戦で毎試合出すのは難しい?

「そうですね。でもバイエルンはやっているわけで。メンツの違いとかはあるけど…」

―チームの実力を考えたら4位くらいは狙えると思ったりしない?
「そうですね、今シーズンの戦いを振り返ってみて、自分のパフォーマンスは別として、チームの良い時のパフォーマンスは上位狙えるなと思ったし、昨シーズンの後半戦であれだけ躍進できたのは、俺は本当のチームの力だと思うし。実際そのシーズン、先制点を取られたことはいっぱいあったんですよ。けど3点4点取り返して勝ったし、そういうチームの雰囲気というか、1点取られても全然負ける気がしないという雰囲気はやっていて伝わったし、そういう気持ちで常にあることと、もちろん前提としてチームの戦術はしっかりしなきゃいけないのかなって。その時は何がしたいかっていうのはしっかりしていたし、全体でバランス取って、うまくいかなかったらプレッシングできたし、逆にカウンターで点を取っているシーンも多かった。下位のチーム相手にはしっかりボールを回せていたし、すごく良いチームだなと、それこそCLは、去年から今シーズンに入る時は思っていました(笑)。とは思っていたんですけど、蓋を開けてみたら…って感じでしたけど、このチームは強いなっていうところが随所に見えた試合もあったので、その気持ち自体は変わらないかなと。ウチのやりたいことができていたら、ウチはすごく強いかなとは思いますね」

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