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“親友”が語るイブラの思い出とは?…来日したマクスウェルにポルトガル語で聞いてみた!

2019.12.13

[写真]=Getty Images

 元ブラジル代表の左SBマクスウェルはヨーロッパ有数の名門クラブを渡り歩いてきた。アヤックスに始まる欧州キャリアはインテル、バルセロナ、パリ・サンジェルマン(PSG)と続き、2017年に現役を引退。現在はPSGの親善大使としてクラブのPR活動に尽力している。

 彼を語る上で欠かせない選手がいる。ズラタン・イブラヒモヴィッチだ。同じクラブでプレーした2人は“親友”同士で、マクスウェルが引退する際には「友だちでいてくれて、ありがとう。 #maxwell」とメッセージを送ったことでも有名だ。

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No words can describe this man as a person and as a fotballplayer. Thank you for what you have done and will continue to do. Thank you for being a friend. #maxwell

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 11月には2度目の来日を果たしたマクスウェルにインタビューする機会をいただいた。すると、イブラヒモヴィッチとのエピソードはもちろん、OBとして見守るPSG、さらにチームの悲願ともいえる「CL優勝」についても語ってくれた。

インタビュー=三島大輔

――それでは よろしくお願いします。

「よろしくお願いします」

――ポルトガル語でインタビューさせていただきます。バルセロナに在籍していた2011年に来日してますよね?

「はい」

――来日は2回目ですか?

「そうだね」

――日本はいかがですか?

「とても素晴らしい印象を抱いている。日本という国はよく組織されているし、街はとても美しい。日本の人々は教養もあり、とても親切。今回が2回目の来日だけど、相変わらず街は美しいよ。そして今回、PSGの一員として来日できたことを誇りに思う。すでに日本を満喫しているんだ」

――到着したのは昨日ですか?

「昨日到着したよ」

――昨日は何をされましたか?

「昨日は東京の街を観光したよ。東京タワー、お寺、魚市場、それから劇場も訪れた。東京をよく知ることができた。それから寿司と刺身もたくさん食べたんだ。そして今日はPSGの仕事をする。とても暖かく迎え入れてくれた日本に感謝しているよ」

――疲れはないですか?

「まだ時差ボケがあるね。日本とブラジルでは全然違うからね。けど、今回の来日を楽しんでいるし、新たな文化も体験してみたい。それから日本の熱心なPSGファンとの交流も楽しみだよ。疲れよりも楽しみの方が大きいんだ」

――改めて、来日した理由は何ですか?

「PSGの特別なイベントのために来日したんだ。PSGのファン層も世界中で拡大し、いま大きな成長を遂げている。今回はPSGの親善大使として、世界の中でも重要な日本という国にやってきた。今回の来日を通じて日本の皆さんにPSGの魅力を伝えていきたい。日本では2店舗目の公式ストア『PARIS SAINT-GERMAIN STORE SHIBUYA PARCO』の開店をお祝いしているし、成功することを願っている。来日できてとても光栄だよ」

――今のお仕事についてもう少し教えてください。

「現役選手を引退し、その後はPSGのスポーツコーディネーターを務めた。今はPSGの親善大使として、今回のような公式ストアの開店イベントやサッカースクールを訪問したりしている。PSGの一員として世界中のファンたちと交流をしているよ」

――今の拠点はどこですか?

「今はブラジルに住んでいるよ」

「まだ若かった頃、ズラタンが……」

[写真]=Getty Images

――PSGはここ数年で大きな飛躍を遂げています。どう感じていますか?

「とても野心溢れる挑戦だと思う。素晴らしい挑戦であり、いま大きな成長を遂げ、世界中でファンの数が増え続けている。クラブにとってすごく喜ばしいことだし、サッカーだけに留まらず様々なことに挑戦している。そして欧州でも屈指の力を持ち、競争力の高いクラブになった。PSGは世界を代表するビッグクラブだ。そして、チームには世界最高峰の選手たちを擁している。このプロジェクトを近くから見ていて、とても野心的で大きな挑戦だと感じている」

――なぜ、PSGではブラジル人選手が活躍できるのでしょうか?

「ブラジルとフランスにはいい関係性が築かれている。とても強い友好関係が結ばれていて、歴史的に見てもこのクラブで多くのブラジル人選手がパリに適応して活躍している。もちろん、パリもブラジル人選手を快く迎え入れてくれる。PSGはサッカー、ブラジルの選手たちを愛してくれている。今ではチアゴ・シウヴァ、マルキーニョス 、ネイマールとブラジルでも指折りのタレントが在籍している。ただ、PSGはどの選手でも暖かく迎え入れてくれるクラブだ」

――PSG移籍を決めた理由は何でしたか?

「移籍した時は年齢的に引退後のキャリアをについて考え始めないといけない時期だった。PSGは国際的で欧州でもトップクラスのクラブだ。PSGの壮大なプロジェクトに賛同していたし、引退後もPSGに在籍していたと思った。ピッチを離れても、また違った形で貢献したいと思った。年齢、次のキャリアを見越して加入することを決めたんだ」

――ズラタン・イブラヒモヴィッチとの一番の思い出はなんですか?

「彼とはたくさんの思い出があるよ」

――たくさんのタイトルも獲りましたね。

「タイトルも獲得したし、ピッチ内外でたくさんの思い出を共有してきた。アヤックスに在籍していた時はまだ若かった。そこから僕たちの物語が始まったんだ。当時はまだ独身だったけど、結婚して子どもが生まれた。思い出はたくさんあるけど……。まだ若かった頃、ズラタンが僕の家に居候していた時期があった(笑)。当時はまだそんなにお金もなかったし、住む場所を求めて僕の家に来たんだ。半月くらいはいたね。もちろん歓迎したし、あまり上手ではなかったけど頑張って英語でコミュニケーションを取っていたよ。練習も試合もずっと一緒に行っていた。そこから友情が生まれ、今に至るんだ」

マクスウェルとイブラヒモヴィッチが最初にチームメイトとなったのはアヤックス在籍時 [写真]=Getty Images

――ピッチ外のズラタンはどんな人ですか?

「とても強烈なキャラクターだけど、本当にあのままというか情熱的な人だよ。ピッチの上では勝者のメンタリティーを持っている。僕たちは友人であり、家族のような関係がある。とてもよく似ていると思うし、互いを理解している。とてもいい人だよ」

――今季のPSGの印象について聞かせてください。

「今季のチームはとてもソリッドな印象がある。いい結果をここまで残しているし、チームの陣容も揃っている。先ほど言った通り、すごくソリッドだ。大切な試合でも結果で証明しているし、チーム内の競争力も高い。そして偉大な監督もいる。素晴らしいシーズンを送れる可能性はあると思う」

――最大の目標はチャンピオンズリーグ(CL)で優勝することだと思います。

「CLは欧州で最もレベルの高い大会だ。我々はフランス王者としてその力を示さないといけない。欧州最大の大会で優勝を勝ち取りたいんだ」

――今季その可能性はあると思いますか?

「いつだって可能だと思う。ただ、全クラブにそのチャンスはある。どのクラブもタレントを擁しているし、チーム内の競争力も高い。けど、この大会ではいろいろな要素が関係してくる。どのクラブも優勝を目指しているし、どのクラブが優勝するかはわからない。その道のりは長く険しい。まずは目の前の一試合、一試合に勝つことが重要だ。その先に決勝進出、優勝が見えてくる」

――どのクラブが最大のライバルですか?

「毎年上位に来るのはリヴァプール、マンチェスター・C、バルセロナ、レアル ・マドリード、バイエルンだ。それからユヴェントスも。毎年のようにビッグクラブは勝ち上がってくる」

――バルセロナ在籍時にCL優勝を経験していますが、欧州の頂点に立つために大切なことは何でしょう?

「チームが1つになり、個人はチームのために全てを捧げること。それから意思統一、タレント、運、準備……。優勝を果たすためには様々な要素が関係してくる。ビッグクラブ同士の対戦もあるだろう。とても競争力のある大会で勝ち上がるのは本当に難しい。こうした要素を全てクリアしたチームが頂点に立つんだ」

――個人的には抽選がすごく重要だと思っています。

「確かにその通りだ。抽選は命運を握っている。ここ数年は強豪との対戦が続いている。運も間違いなく重要な要素だ。先ほど言ったように、運はもちろん準備や状況判断、タレント、そして一つになったチームがCLで優勝できる」

――最後にメッセージをお願いします。

「サッカーキングをご覧の皆さん、日本での温かい歓迎に感謝します。日本の皆さんの優しさを感じることができました。全ての人からのリスペクトに敬意を表します。日本でのイベントに出席できることを本当に光栄に思っています。『PARIS SAINT-GERMAIN STORE SHIBUYA PARCO』は日本2店舗目となる公式ストアで、同じ渋谷パルコの1階には世界で初のPSGカフェもオープンしました。PSGを応援してほしいです。PSGでは様々なSNSを運用していて、日本語のアカウントもあります。ALLEZ PARIS! ぜひPSGの応援をよろしくお願いします。最後にハグを。ありがとうございました!」

当インタビューを担当した三島大輔(左)

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